皮膚がん
皮膚がんは、病変部位により悪性黒色腫(メラノーマ)、有棘細胞がん、基底細胞がん、乳房外パジェット病に分類できる。
メラノーマは、 メラニン色素を産生する色素細胞(メラノサイト)ががん化した腫瘍。 皮膚の他にも、鼻腔、口腔、食道、直腸、肛門、結膜、外因・膣などの粘膜、眼のぶどう膜などにも発現する。
- Ⅰ期:原発巣のみでがんの厚みが1mm以下か2mm以下で潰瘍なし
- Ⅱ期:1mmを超え潰瘍があるか2mmを超える
- Ⅲ期:リンパ節転移がある
- Ⅳ期:別の臓器に転移
に分類される。
Ⅰ期とⅡ期では、部位により植皮手術、場合によりセンチネルリンパ節生検、Ⅲ期では切除不能であれば薬物療法とリンパ節郭清、術後に4-5割再発のため予防としてインターフェロンの術後療法、Ⅳ期で薬物療法による緩和ケア。 ほくろと区別がつきづらいが、形が左右非対称、辺縁がギザギザ、色調に色ムラ、直径が6mm以上等の鑑別ポイントに着目して見分ける。
有棘細胞がんは 紫外線暴露を原因として日光角化症からの進行病変として知られる。頭、顔、手の甲、前腕等。 肉芽腫(毛細血管拡張性肉芽腫)との鑑別
基底細胞がんは ほくろににている。9割が頭頸部にできる。
乳房外パジェット病は 主として外陰部に生じる。乳房にできるもの以外が対象。股部白癬、陰部湿疹との区別。
治療は手術が第一選択、根治不能なメラノーマに対する薬物治療として、BRAF遺伝子異常がある場合はBRAF阻害薬とMEK阻害薬の併用(薬剤耐性予防)または、抗PD-1抗体の使用。BRAF遺伝子変異がない場合は抗PD-1抗体の使用が第一選択、抗CTLA-4抗体が第二選択。
- オプジーボ(ニボルマブ)・・・抗PD-1製剤。点滴
- キイトルーダ(ペムブロリズマブ)・・・抗PD-1製剤、点滴
- ヤーボイ(イピリムマブ)・・・抗CTLA-4製剤、点滴
- ゼルボラフ(ベムラフェニブ)・・・BRAF阻害薬、錠剤
- タフィンラー(ダブラフェニブ)・・・BRAF阻害薬、カプセル
- メキニスト(トラメチニブ)・・・MEK阻害薬、錠剤
関連ページ
コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。
- << 前のページ
- 次のページ >>