水虫の市販薬(ランキング)

ドラッグストアやインターネット等で売られている(処方箋なしでも買うことができる)医薬品(一般用医薬品)の中で水虫に効果があるとされているものを医療用医薬品と比較してご紹介します。

現在市販されている水虫の市販薬は沢山ありすぎて何を選んでよいのかわからないかと思いますので、選び方のポイントを簡単に説明します。

抗真菌剤の作用機序や医療用の抗真菌剤を知りたいマニアックな人は、抗菌・抗真菌薬を参照。

水虫の市販薬の選び方

ポイントは大きく2つです。

  1. 有効成分・・・抗菌力と持続時間が大きい物を選ぶ
  2. 基剤・・・クリームか液体か軟膏かスプレーか

1,有効成分

まず1つ目の有効成分についてです。

主成分は1つ、抗真菌剤であり、痒み止めのジフェンヒドラミンやクロタミトンとか局所麻酔薬のリドカインとか抗炎症剤のグリチルレチンとかそういうのは副成分、それも医療用では使われることがほぼないような大した効果が期待できない成分です。むしろ副成分のせいでかぶれる確率が増す危険性すら。。。メントールはスーっとして使用感がアップするのでないよりは良いのではないでしょうか。

蕁麻疹にジフェンヒドラミンのクリームはよく使われるのでは?と言われそうですが、蕁麻疹は内服だけでも問題ないのでレスタミンクリームは気休めにすぎません。ステロイドは蕁麻疹に適応がないから使えませんしね。。。

H26年現在で一般用医薬品として指定を受けている成分(1日1回長時間持続型製剤に限る)が以下。ちなみに水虫に適応のある内服剤はありません。

  • ブテナフィン(メンタックス・ボレー)
  • テルビナフィン(ラミシール)
  • アモロルフィン(ペキロン)
  • ラノコナゾール(アスタット)
  • ネチコナゾール(アトラント)

これら薬剤の水虫だけに限った抗菌力と治験での有効率比較が以下。数字はMIC(最小発育阻止濃度)で()内はMIC90→つまり低いほど抗菌力が高いということ。

ブテナフィン テルビナフィン アモロルフィン ラノコナゾール ネチコナゾール
足白癬有効率 Cr:81.5
液:79.3
Cr:74.3
液:69.7
スプレー:69.7
Cr:83.3 Cr:78.1
液:80.0
軟膏:71.4
Cr:76.1
液:71.0
軟膏:73.2
Trichophyton rubrum
(紅色白癬菌)
(0.007) 0.001
~0.01
0.0012
~0.02
0.016 0.07
Trichophyton mentagrophytes
(毛瘡菌, 趾間)菌
(0.012) 0.001
~0.01
0.0012
~0.08
0.016 0.13

(データ提供元:各薬剤インタビューフォームより)

水虫の原因菌の90%以上を占める2つの菌に対するMICを見ると、ネチコナゾール以外はさほど変わらないように見えます。

有効率が最も高いのはアモロルファン、ついでブテナフィン、ラノコナゾールと続きます。テルビナフィンは治験での効果はいまいちですね。

2,基剤

続いて基剤についてです。

現在市販されている基剤は、軟膏、クリーム、液、スプレー、パウダースプレー、ゲルの6種類。

主薬の吸収率だけ考えたら第一選択はクリーム剤です。かさつき病変の強い角化型の水虫にはなお効果的です。(理由は、基剤の種類と特徴を参照)

じゅくじゅくしているので一見液体やスプレータイプがさっぱりして良いと感じがちですが、皮膚というのは水分を弾く性質がある上、スプレーは基剤がすぐに蒸発していってしまうため、薬の吸収率でいえばクリームのほうが断然高いです。

もちろん角質がなくなってしまっているくらいひどい病変であれば液体製剤の吸収率は極めて高いですが、その分刺激感が増し、かぶれのリスクが増えます。

軟膏剤はクリームよりは吸収率が低いですが、皮膚保護作用が有りますのでクリーム剤が使えない亀裂面やびらん面がある水虫に使用すると良いと思われます。

パウダースプレーやゲルは効果が薄いので割愛。

赤みがひどくなってしまっている病変の場合は、先にステロイド剤(リンデロンVG等)で炎症を抑える処置をすることもあるため、皮膚科を受診することをおすすめします。また、爪水虫も外用剤で直すのは無理があるため、同じく皮膚科を受診してラミシールやイトリゾールといった内服剤を処方してもらいましょう。

水虫の市販薬(ランキング)

以上のことを踏まえた上でランキングを作ると以下のようになります。

順位 薬名 コメント
1 グスタフXクリーム 医療用のメンタックスCrと全く同じ。副成分無し。価格が安ければこれを選択。かぶれリスク↓、効果○
2 ラミシールATクリーム 医療用のラミシールCrと全く同じ。副成分無し。価格が安ければこれを選択、かぶれリスク↓、効果○
3 メディータム水虫クリーム 医療用のメンタックスCr+リドカイン。余計な副成分が少なく安価、かぶれリスク↓、効果○
4 メンソレータム エクシブディープ10クリーム 医療用のラミシールCr+尿素+リドカイン+ジフェンヒドラミン+グリチルレチン。副成分多し。尿素が入っていて角質軟化作用があり角化型にはよい。量が多くg単位の金額が安価、効果○
5 ピロエースZクリーム 医療用のアスタット+イソプロピルメチルフェノール+クロタミトン+グリチルレチン+メントール。副成分多し、メントールが入っていて清涼感はある。g単位の金額高め、効果○

1位~3位まではそこまでの差はないので、金額で選ぶとよいでしょう。尿素が入っていて欲しいなら4位のメンソレータム、メントールが入っていて欲しいなら5位のピロエースですね。

液と軟膏、余計な成分が入っていて価格が高くなっているものは省いてあるので、スッキリしています。自分が買うなら1位~3位の安いやつでしょうね。

水虫の市販薬(個別の説明)

グスタフXクリーム

グスタフXクリーム 20g【第(2)類医薬品】
 参考価格:1,033円

有効成分のブテナフィンが角質層へ浸透し、水虫菌を殺菌します。

医療用医薬品と同一成分・同量であり、病院での水虫治療も普通に使用されている薬です。

1日1回使用タイプのもので、お風呂あがりに使用すると効果的です。1日2回使用しても効果が変わらないばかりか、かぶれのリスクが上昇するので使用回数は必ず守りましょう。

グスタフXクリームの医療用と市販薬の比較
比較項目 グスタフXクリーム メンタックスクリーム
分類 第2類医薬品 医療用医薬品
含有量 10mg/1g 10mg/1g
服用方法 1日1回 1日1回
価格 1033円/20g 1120~1570円/20g

※価格について
病院(3割負担で初診:約1030円、再診:約580円)、薬局(3割負担で約540円(基準1))で計算。

1割負担の人は断然病院の方がお徳。3割負担負担で20gまでなら市販の方が良いと思われます。20g以上もらうなら病院のほうがよいでしょう。

ラミシールATクリーム

ラミシールATクリーム 10g【第(2)類医薬品】
 参考価格:1,166円

有効成分のテルビナフィンが角質層へ浸透し、水虫菌を殺菌します。

医療用医薬品と同一成分・同量であり、病院での水虫治療も普通に使用されている薬です。

1日1回使用タイプのもので、お風呂あがりに使用すると効果的です。1日2回使用しても効果が変わらないばかりか、かぶれのリスクが上昇するので使用回数は必ず守りましょう。

ラミシールATクリームの医療用と市販薬の比較
比較項目 ラミシールATクリーム ラミシールクリーム
分類 第2類医薬品 医療用医薬品
含有量 10mg/1g 10mg/1g
服用方法 1日1回 1日1回
価格 1166円/10g 1000~1450円/10g

※価格について
病院(3割負担で初診:約1030円、再診:約580円)、薬局(3割負担で約420円(基準1))で計算。

1割負担の人は断然病院の方がお徳。3割負担は10gしか買わないなら市販で良いと思うが、もっとほしいなら病院に行ったほうが安い。

メディータム水虫クリーム

メディータム水虫クリーム 20g【第(2)類医薬品】
 参考価格:660円

有効成分のブテナフィンが角質層へ浸透し、水虫菌を殺菌します。

医療用医薬品のメンタックスクリームに局所麻酔薬(ここでは痒みの抑制)のリドカインが配合されている薬。

1日1回使用タイプのもので、お風呂あがりに使用すると効果的です。1日2回使用しても効果が変わらないばかりか、かぶれのリスクが上昇するので使用回数は必ず守りましょう。

メディータム水虫クリームの医療用と市販薬の比較
比較項目 メディータム水虫クリーム メンタックスクリーム
分類 第2類医薬品 医療用医薬品
含有量 10mg/1g+リドカイン20mg 10mg/1g
服用方法 1日1回 1日1回
価格 820円/20g 1120~1570円/20g

※価格について
病院(3割負担で初診:約1030円、再診:約580円)、薬局(3割負担で約540円(基準1))で計算。

1割負担の人は断然病院の方がお徳。3割負担負担でもかかる手間を考えたら市販の方がお得かもしれません。

メンソレータム エクシブディープ10クリーム

メンソレータム エクシブディープ10クリーム 26g【第(2)類医薬品】
 参考価格:1,846円

有効成分のテルビナフィンが角質層へ浸透し、水虫菌を殺菌します。

医療用医薬品のラミシールクリームに局所麻酔薬(ここでは痒みの抑制)のリドカイン、抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミン、抗炎症薬のグリチルレチン酸、角質軟化作用のある尿素が配合されている薬。

尿素が入っていることが特徴で、かかととかが角化した角化型の水虫には良いと思われます。

1日1回使用タイプのもので、お風呂あがりに使用すると効果的です。1日2回使用しても効果が変わらないばかりか、かぶれのリスクが上昇するので使用回数は必ず守りましょう。

メンソレータム エクシブディープ10クリームの医療用と市販薬の比較
比較項目 メディータム水虫クリーム メンタックスクリーム
分類 第2類医薬品 医療用医薬品
含有量 10mg/1g+リドカイン20mg+尿素100mg+ジフェンヒドラミン10mg+グリチルレチン1mg 10mg/1g
服用方法 1日1回 1日1回
価格 2052円/26g 1190~1640円/26g

※価格について
病院(3割負担で初診:約1030円、再診:約580円)、薬局(3割負担で約610円(基準1))で計算。

1割負担、3割負担ともに断然病院の方がお徳。かかるのが手間で角化型の水虫の人は買うのも手か。

ピロエースZクリーム

ピロエースZクリーム 15g【第(2)類医薬品】
 参考価格:2,052円

有効成分のラノコナゾールが角質層へ浸透し、水虫菌を殺菌します。

医療用医薬品のアスタットクリームにかゆみを抑えるクロタミトン、清涼感を与えるメントール、消毒剤のイソプロピルメチルフェノール、抗炎症作用を示すグリチルレチン酸が配合されている薬。

メントールが入ってるのはGood。他の配合成分で逆にかぶれないようしたいところ。

1日1回使用タイプのもので、お風呂あがりに使用すると効果的です。1日2回使用しても効果が変わらないばかりか、かぶれのリスクが上昇するので使用回数は必ず守りましょう。

ピロエースZクリームの医療用と市販薬の比較
比較項目 ピロエースZクリーム アスタットクリーム
分類 第2類医薬品 医療用医薬品
含有量 10mg/1g+イソプロピルメチルフェノール3mg+クロタミトン50mg+グリチルレチン酸5mg+メントール10mg 10mg/1g
服用方法 1日1回 1日1回
価格 1900円/15g 1070~1520円/15g

※価格について
病院(3割負担で初診:約1030円、再診:約580円)、薬局(3割負担で約490円(基準1))で計算。

1割負担は断然病院の方がお徳。3割負担は断然病院にかかった方がいい。病院の薬はメントール配合剤はないため、スーッとするのがどうしてもよいというあなたに。

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記事No110 題名:Re:TT様 投稿者:管理人tera 投稿日:2015-06-08 19:13:57

参考にしていただきありがとうございます。
かぶれやすい人は、副成分の入っていないものを試していただくと良いかと思います。後は使用回数をきちんと守ることですね。


記事No109 題名:参考に成りました! 投稿者:TT 投稿日:2015-06-08 17:17:38

どうやらスーパー銭湯で、「いんきん」なるものが移ったらしく、水虫薬を購入。イマイチ効果なく2つめのラノコナゾール入りを購入。 結果、カブレて股付近が赤くただれるわ、発狂しそうな夜間の痒さで参りました。
水虫薬にカブレるなんて?余計に痒さが増すなんて?
このサイトを先に観てたら!!、記事に納得。
金額の説明も在り、病院に行った方が得である内容も、本当に役に立ちました。
市販薬2個も買ってしまってからでしたが
今後はコチラのサイト見てから、行動します。
有難う♪ 今後も参考にさせて頂きます( ..)φメモメモ


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