骨粗しょう症の治療法

骨粗しょう症の治療は、薬物療法に加えて、食事療法と運動療法を組み合わせて行うのが望ましい。

50歳代から60歳代前半の閉経後骨粗鬆症では、エストロゲン分泌量の急激な低下が骨量減少の主因となる。

したがって患者にはカルシウム製剤やビタミンD3製剤などの骨栄養因子に加えて、エストロゲン受容体と結合してエストロゲンと同様に骨吸収を抑制する選択的エストロゲン調節薬(SERM)のエビスタを使うと効果的。

一方、それよりも高齢の患者や、糖尿病やステロイド服用による二次性骨粗鬆症患者に対しては強い骨吸収抑制作用をもつビスホスホネートが第一選択薬として使用される。

ビスホスホネートは骨に沈着する性質があるため、連日服用する代わりに週一回、7倍量を服用しても同様の骨吸収抑制効果が得られる。

骨粗しょう症の食事療法

食事療法で大切なのは、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKである。

ビタミン 摂取量/日 含有量の多い食品
Ca 800mg以上 牛乳、乳製品、小松菜、チンゲン菜、大豆、小魚など
ビタミンD 400~800IU きくらげ、サケ、うなぎ、秋刀魚、イサキなど
ビタミンK 250~300μg 卵、納豆、ほうれん草、小松菜、にら、ブロッコリーなど

ここでのビタミンDとはビタミンD3を指し、きのこ類に多く含まれるビタミンD2ではない。コレステロールから作られる7-デヒドロコレステロール(プロビタミンD3)が、皮膚上で紫外線の作用によりビタミンD3に変換され、最後に腎臓で1α位の水酸化を受けて、骨吸収、骨形成を促進する活性型ビタミンD3が合成される。

またここでのビタミンKはビタミンK2(メナトテレノン)である。

運動療法は、メタアナリシスの結果から、閉経後女性において腰椎および大腿骨頚部の骨量減少を予防する効果があるとされているので、強度が中等度の運動(ウォーキング、ランニング、エアロビクス)などは骨量防止効果に有効である。

逆流性食道炎等で、酸分泌薬を使用している場合、カルシウムが酸で溶けて体内に吸収されるため、酸分泌が抑制されるとCaの吸収が阻害されてしまうので注意が必要。

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