認知症の種類
一言で認知症と言っても、アルツハイマー病を筆頭に、レビー小体型認知症(DLB)、血管型認知症(VAD)、前頭側頭型認知症(FTD)、ピック病といった複数の病名がある。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| アルツハイマー病:ATD(約50%) | 脳(特に海馬)の萎縮、大脳皮質の神経細胞にある老人斑(動脈硬化等→β・γセクレターゼ活性化→タンパク質のゴミであるβアミロイド蓄積→沈着しアミロイドプラークと呼ばれる塊を形成→神経細胞間の通信障害)→正常な脳神経において神経細胞内の構造を安定化させる役割を持っているタウ蛋白の異常なリン酸化→神経細胞内で異常な塊を形成→神経細胞の破壊。記憶障害。 βアミロイドとタウ蛋白は異なるタンパク質。 物忘れとの違いは、妄想(物をとられる妄想が多い。特に財布)、不安感→興奮、焦燥感→過活動、攻撃的言動らがみられる(サポート例)。 軽度はコリンエステラーゼ阻害薬単一(ただし、興奮症状が高い人にはメマリーを単剤投与)、中等度はメマリーを継ぎ足し、重度はアリセプトを10mgに増量するのが一般的。ただし、コリンエステラーゼ阻害薬をpick病の人とか血管性認知症に使うと大けがをする可能性がある |
| レビー小体型認知症:DLB(約15%) | ドパミン神経の変性。パーキンソン病と同じ機序。脳の神経細胞の中に「レビー小体」と呼ばれる物質がたくさん見られる。 このレビー小体が大脳に広く現れると認知症になる。レビー小体はαシヌクレインというタンパク質でできていることがわかっている。 レビー小体は全身にあるため精査は心筋シンチ。側頭葉てんかん(精神運動発作)との鑑別必要。 特徴的症状は、幻視(花が顔に見えるなど)が8割以上、パーキンソンの症状(歩行困難など)。薬に対して過敏(風邪薬など)。歯車現象、嚥下障害が多い。→レビースコアにて 記憶障害はChE阻害薬、幻視にハロペリドール少量(パーキンソン悪化に注意)、抑肝散。パーキンソニズムにドパコール。 |
| 血管型認知症:AD(約15%) | 脳血管障害(出血や梗塞)により引き起こされる。脳卒中の後遺症。運動障害、自律神経障害。側頭葉脳出血、脳静脈血栓症等 |
| 前頭側頭型認知症(FTD) | 前頭葉や側頭葉の萎縮による。前頭葉の障害による注意・判断力低下や側頭葉による言語障害等 |
| ピック病 | 前頭側頭型認知症の1つ(前頭葉の非対称の萎縮)。神経細胞内へPick嗜銀球発現、Pick細胞の発現。人格障害(感情の上がり下がりが激しい) 40代から出てくる。自分がやったことが正しいという認識。毎日同じことを繰り返す。→前頭側頭変性症スコアを参照。 |
| i-NPH(正常圧水頭症) | 脳脊髄液が脳を圧迫。髄液シャント術により背骨から水分を出すと運動機能、認知改善。 |
| MCI(軽度認知障害) | |
| Depression(うつ病) | |
| 慢性硬膜下血腫 | 穴を空けて吸いだすと治る。 |
| その他 | クロイツフェルト・ヤコブ病・AIDS等の感染症やアルコール中毒 |
前頭側頭型認知症(ピック含む)の患者はCTやMRIのような閉鎖的な空間でじっとしていられないので検査による確定診断を行うことができないことが多い。
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