認知症の診断・検査

初診患者診断フローチャート

  1. 問診票記入(家人施行)
  2. 病歴聴取・診察
  3. MRI施行→VSRAD(MRI画像から脳の萎縮度を解析するソフト)
  4. MMSEHDSR(長谷川式)、ADAS
  5. MCI疑いの場合(CSFγ測定)

以上を初診日に施行。

診断はMMSEでも簡易的ではあるが、日本の文化や言語に合わせた設計がされているHDS-R(長谷川式)が通常は使用される。ADASはより詳細な評価を行いたい場合や非認知症状も評価したい場合に使用。

MMSE(Mini-Mental State Examination)

認知症検査MMSEは、認知機能の評価を行うための簡単な心理テストです。このテストは通常、認知症のスクリーニングや診断、治療の効果のモニタリングなどに使用されます。

MMSEでは、30点満点で、様々な認知機能の領域が評価されます。これには、記憶力、注意力、計算能力、言語能力、理解力、判断力などが含まれます。スコアが低いほど、認知機能障害の可能性が高いことを示します。

HDS-R(長谷川式認知症スケール改訂版)

HDS-Rは、認知機能障害、特に認知症のスクリーニングや評価に用いられるテストです。日本で開発されたこのテストは、長谷川和夫博士によって作成されました。

HDS-Rは30点満点で、記憶力、注意力、言語能力、空間認識能力、計算能力などの認知機能を評価します。このスコアによって、認知機能障害の有無や程度を推定します。

ADAS(Alzheimer's Disease Assessment Scale)

ADAS(Alzheimer's Disease Assessment Scale)は、アルツハイマー型認知症の症状の重さを評価するために使われる臨床的評価ツールです。このスケールは、認知機能障害の程度を評価するために、特にアルツハイマー型認知症の診断と治療の効果をモニタリングする際に用いられます。

ADASには主に二つのバージョンがあります:

  • ADAS-Cog (Cognitive Subscale): 認知機能を評価するための部分で、言語能力、記憶力、注意力、指示の理解と実行などが含まれます。
  • ADAS-Non-Cog (Non-Cognitive Subscale): 認知機能以外の症状、例えば気分の変動や幻覚などを評価します。

軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment, MCI)

「MCI疑い」とは、「軽度認知障害(MCI)」の可能性を指します。MCIは、正常な老化と認知症の中間に位置する状態で、認知機能の軽度の低下が見られますが、日常生活に大きな支障をきたすほどではありません。

MCIの特徴には以下のようなものがあります:

  • 記憶力や他の認知機能の低下:例えば、新しい情報を覚えたり思い出したりするのが難しい場合。
  • 日常生活への影響は軽度:認知機能の低下があっても、日常生活の活動には大きな影響がない。
  • 認知症の診断基準には当てはまらない:認知機能の低下はあるが、認知症と診断されるほどではない。

CSFγ測定

CSFγ測定は、一般に「脳脊髄液(Cerebrospinal Fluid, CSF)中のガンマ(γ)領域の物質」を測定する検査を指します。この検査では、脳脊髄液中の特定の成分やタンパク質のレベルを分析し、神経系の疾患や状態を診断するのに役立てられます。

具体的には、この検査はアルツハイマー病などの神経変性疾患の診断や、免疫系の異常を調べるために使用されることがあります。アルツハイマー病の場合、脳脊髄液中のβ-アミロイドやタウタンパク質のレベルが診断の手がかりとなることがあります。

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