咳疾患の治療薬

咳の治療薬のまとめ。図はガイドラインより引用。

  • 吸入薬一覧
  • 去痰薬は湿性咳嗽において痰の喀出を改善する。
  • 中枢性鎮咳薬は原則として、初期からの使用は上気道炎~感染後咳嗽等の乾性咳嗽に使用することが望ましい。
  • 吸入ステロイドは咳喘息診断確定後の第一選択、アトピー咳嗽にも奏功する。
  • 抗LT薬は咳喘息において好酸球性炎症の抑制作用を発揮して咳を改善させるが、アトピー咳嗽には無効である。
  • 抗ヒスタミン薬はアトピー咳嗽で著効例が多い。急性咳嗽に対してH1ブロッカーは一般に無効である(花粉症による急性咳嗽は除く)。
  • 漢方では麦門冬湯は喉を潤し、咳を鎮める。痰の少ないor切れにくい痰を伴う乾性咳嗽に用いて、咳の強度を有意に改善させる。小青竜湯は湿性咳嗽に用いて、これも咳の回数、強さ、喀痰の切れを有意に改善させる。
  • 抗コリン剤のスピリーバ(チオトロピウム)は慢性咳嗽時の痰量と痰の喀出困難などとともに咳の頻度、強さを抑える。副交感神経末端から放出されるアセチルコリンは、気道平滑筋にM3受容体に結合し、気道収縮、痰の分泌、咳、リモデリングを引き起こす。
  • LAMAのうちグリコピロニウムには抗ウイルス作用が認められている。(エナジア勉強会より)
  • 2022.1発売のリフヌア(ゲーファピキサント)は、気道の迷走神経(主にC線維)のポリモーダル受容器内のP2X3ホモ受容体を選択的に阻害する。また、Aδ線維の高閾値侵害受容器の、P2X2/3ヘテロ受容体に対する拮抗作用も有している。そのため、P2X3受容体阻害は痛みの抑制効果を、P2X2/3ヘテロ受容体阻害はアロディニアなどの痛みを抑制する効果にも優れている。舌の神経にも作用するため味覚不全が高率(40%以上)に発現するが中止すればなおる。(別ページ:かゆみ受容器

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