かゆみ受容器

皮膚の受容器は、受け取る感覚の種類によって異なるので、受容器にはいくつかの種類があります。

受容体と受容器は異なりますので注意してください。

受容器というのは刺激を電気信号に変換するところで、受容体は刺激によりホルモン分泌を促したり、細胞増殖を促したり、生理活動を活性化させます。

つまり、受容器は一つの器官として考えることができ、受容器内に、その受容器を適切に動かすための受容体(ヒスタミン受容体・ブラジキニン受容体・TRPVなど)が存在し、 ヒスタミンなどの生理物質が受容器内の受容体を刺激することで、受容器は刺激を電気信号に変換し、その信号は神経を伝わり大脳皮質へと到達し、かゆみや痛みとして認識されます。

ヒスタミンは、受容器を活性化する以外にも、血管内皮のH1受容体、消化器のH2受容体などを刺激して血管拡張、胃酸分泌促進など様々な作用を示す。

感覚 受容器 神経線維
触覚 マイスナー小体
圧覚 パチニー小体
温覚 ルフィニー小体 Aδ、(C)
冷覚 クラウゼ終球 Aδ、(C)
痛覚 自由神経終末 高閾値機械受容器
ポリモーダル受容器 C
痒覚 痒み受容器 C

例えば、43℃↑の刺激はルフィニー小体とポリモーダル受容器のTRPV1受容体(VR1:バニロイド受容体タイプⅠ)にて受容されて、電気信号に変換され、 Aδ繊維とC繊維により後角へ移動する。

肌をこすったときのような機械刺激はマイスナー小体のTRPV4受容体にて受容されて、により電気信号に変換 され、Aδ繊維により後角へと移動する。

受容器 高閾値侵害受容器 ポリモーダル受容器 かゆみ受容器 非侵害受容器
線維 主にAδ 主にC 主にC Aβ、(Aδ、C)
特徴 侵害性機械刺激に特異的 侵害性機械刺激、冷刺激(15℃↓)、熱刺激(43℃↑)、化学物質刺激 ヒスタミンなど? 非侵害性機械刺激
感覚 1次痛覚 2次痛覚、温冷覚 痒覚 触覚、圧覚、温冷覚
伝達物質 グルタミン酸 グルタミン酸
CGRP、SP
グルタミン酸
CGRP、SP
グルタミン酸
Cap感受性 カプサイシン感受性のものもある カプサイシン感受性○    
ATP受容体 P2X2/3ヘテロ P2X3ホモ  
栄養因子受容体 TrkA、p75 TrkA、p75   TrkB
DRG 中型細胞 小型細胞   大型細胞

ヒスタミン感受性の一次ニューロンは、機械的刺激、熱刺激のいずれにも反応するポリモーダル受容器をもつ大部分(80%)のC線維とは異なり、高い閾値を持ち機械的刺激に反応しない。

このことからかゆみ刺激に反応するかゆみ受容器なるものが存在する可能性が示唆される。


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