脊髄後根神経節(DRG)とガッセル神経節

三叉神経ではDRGにあたるのがガッセル神経節で、脊髄後角にあたるのが三叉神経脊髄路核内の尾側亜核である。

DRGやガッセル神経節では、受容器が存在して刺激を伝達しているだけでなく、神経ペプチド(CGRP、SP、NGFなど)の合成も行われる。

SPは肥満細胞のNK1レセプターに結合し、脱顆粒を促しヒスタミンを遊離させる。ヒスタミンは先に述べたとおり、かゆみ受容器を介して脳に刺激を伝えて、脳はかゆみを認識する。

SPとCGRPはシーソーの関係であり、SPが増えればCGRPは減るという(CGRPのかゆみ誘発における機序は現在のところ不明である)。

また、神経成長因子の存在、その中でも特にNGF(nerve growth factor)が、かゆみにおいては重要である。

NGFは神経節だけでなく、活性化された表皮ケラチノサイトでも合成分泌され、神経の成長を促して、アレルゲンに対する神経の反応性を過敏にさせたり、肥満細胞の脱顆粒を誘導してヒスタミン遊離を促進する。

実験レベルでは、ドライスキン作成後48時間以内には、C線維が表皮内に進入して、長さも数も増えているという。

栄養因子 受容体 分布
NGF TrkA 交感神経節後繊維、小型細胞DRG
BDNF TrkB 蝕、圧感覚繊維、運動繊維
NT-3 TrkC Ia、Ib繊維
NGF、BDNF、NT-3 p75  
GDNF c-Ret
GFRα1
侵害受容繊維

NGFのシグナル伝達経路は、増殖因子の伝達経路と同じ、チロシンキナーゼ型受容体TrkAを介して行われる。

ヒスタミンなどがH1受容体に結合すると、DRG内でのNGF産生が促進される。

すると、細胞外にあるTrkAのNGF結合ドメインにNGFが結合、TrkAの会合が促進され、TrkAのホモ2両体が形成される。

あとはアダプター分子を介して、MAPKカスケードが進行して、AP-1が作られ、増殖を誘導する遺伝子が発現する。


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