大脳皮質(体性感覚野)と感覚路(頭部)+味覚路

頭部の感覚路は体の感覚路とは違ったけ経路をたどる。

眼神経は外眼筋の深部知覚を、上顎神経は上顎の歯根膜の深部知覚を、下顎神経は咀嚼筋や下顎の歯根膜の深部知覚を三叉神経節を経て、三叉神経主知覚核、三叉神経脊髄路核、三叉神経中脳路核に伝える。

三叉神経内のガッセル神経節は、脊髄後根神経節(DRG)と同じ1次求心性神経の細胞体である。

三叉神経脊髄路核は吻側亜核、中間亜核、尾側亜核の3核で構成され、脊髄後角に当たるのが尾側亜核である。

味覚路

舌表面で味覚を受容する器官は味蕾と呼ばれ、味蕾は、

  • 舌前 2/3:茸状乳頭
  • 舌後 1/3:有郭乳頭・葉状乳頭

に存在している。

味蕾細胞にはⅠ型~Ⅳ型があり、Ⅰ型は支持細胞、Ⅱ型は甘味・うま味・苦味、Ⅲ型は主として酸味(および一部塩味)を受容し、Ⅳ型は前駆細胞である。

1つの味蕾には複数タイプの味蕾細胞が存在し、Ⅱ型細胞には甘味受容体(T1R2+T1R3)を発現する細胞、うま味受容体(T1R1+T1R3)を発現する細胞、苦味受容体(T2R)を発現する細胞がそれぞれ存在する。

味覚地図(舌尖=甘味、舌縁=塩味・酸味、舌根=苦味)は現在否定されており、すべての味質は舌前・舌後いずれでも感知される。味覚の感じ方の個人差は、味受容体の分布や中枢での情報処理の違いによる。

味蕾には亜鉛が豊富に含まれていて、亜鉛が欠乏すると味蕾の味細胞の分化が遅延し、味覚受容体の感度の低下につながると考えられている。

亜鉛低下の治療薬としては、ノベルジンやジンタスが低亜鉛血症(食事で不足している場合)、プロマック(適応は胃潰瘍のみ)らがある。

求心路は上画像の通り、

  • 舌前 2/3の味覚 → 顔面神経
  • 舌後 1/3の味覚 → 舌咽神経
  • 喉頭蓋付近 → 迷走神経

となっている。


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