胃の痛み/ムカムカの薬一覧

分類 成分名 商品名 規格・剤形・補足
PPI オメプラゾール オメプラール
オメプラゾン
錠10㎎/20mg、注
ランソプラゾール タケプロン OD錠15㎎/30mg、カプセル15㎎/30mg、静注用
ラベプラゾール パリエット 錠5㎎/10mg/20mg
エソメプラゾール ネキシウム 懸濁用顆粒分包10㎎/20mg、カプセル10㎎/20mg
ボノプラザン タケキャブ 錠10㎎/20mg
H2ブロッカー ファモチジン ガスター 散2%/10%、錠10㎎/20mg、D錠10㎎/20mg、注射、細粒はGEのみ
ラニチジン ザンタック 錠75㎎/150mg、注射
シメチジン タガメット
カイロック
細粒20%、錠200㎎/400mg、注射、細粒40%(カイロックのみ)
ロキサチジン アルタット 細粒20%、カプセル37.5mg/75mg、静注
ニザチジン アシノン 錠75㎎/150mg、カプセル、唾液分泌は適応外
ラフチジン プロテカジン 錠5㎎/10mg、OD錠5㎎/10mg
ChE阻害薬 アコチアミド アコファイド 錠100㎎
選択的ムスカリン受容体拮抗薬 ピレンゼピン塩酸塩 ピレンゼピン塩酸塩 錠25㎎
チキジウム チアトン カプセル5㎎/10mg、顆粒2%(GEのみ)
抗コリン薬 ピペリドレート ダクチル 錠50㎎、胆石症、胆嚢炎、胆道ジスキネジア適応
ブチルスコポラミン ブスコパン 錠10㎎、注射液、胆嚢・胆管炎、胆石症、胆道ジスキネジア適応
ブトロピウム コリオパン 顆粒2%、錠10㎎、カプセル5㎎、胆石症、胆嚢症適応
チメピジウム セスデン カプセル30㎎と注(先発のみ)、錠30㎎(サワイのみ)、胆嚢・胆道疾患適応
プロパンテリン プロ・バンサイン 錠15㎎、胆道ジスキネジア適応
チキジウム チアトン カプセル5㎎/10mg、顆粒2%(GEのみ)、胆嚢・胆道疾患適応
ベラドンナアルカロイド ロートエキス ロートエキス
アトロピン 硫酸アトロピン「ホエイ」
アトロピン硫酸塩
抗ガストリン薬 オキセサゼイン ストロカイン 顆粒5%、錠5㎎、適応:胃炎等に伴う悪心・嘔吐
制酸薬 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 原末
重曹 原末、錠500mg
沈降炭酸カルシウム 沈降炭酸カルシウム
炭カル 錠250mg/500mg
合成ケイ酸アルミニウム 合成ケイ酸アルミニウム「マルイシ」 原末
乾燥水酸化アルミニウムゲル 乾燥水酸化アルミニウムゲル 原末、細粒
水酸化マグネシウム ミルマグ 錠350㎎、内容懸濁液
酸化マグネシウム 酸化マグネシウム 末、細粒、錠200㎎/250mg/300mg/330mg/400mg/500mg
PGE1製剤 ミソプロストール サイトテック 錠100μg/200μg
防御因子増強薬 スクラルファート アルサルミン 細粒90%、内用液10%
スクラルファート 顆粒90%、細粒90%、内用液10%
エカベトナトリウム ガストローム 顆粒66.7%
テプレノン セルベックス 細粒10%、カプセル50㎎
レバミピド ムコスタ 顆粒20%、錠100㎎、OD錠(GEのみ)
メチルメチオニンスルホニウムクロリド キャベジンU 錠25mg
L-グルタミン L-グルタミン「NP」 顆粒99%
アズレンスルホン酸 アズノール 錠2㎎、顆粒1%(GEのみ)/td>
アルジオキサ アルジオキサ 顆粒10%/20%/25%/50%
セトラキサート ノイエル 細粒40%、カプセル200㎎
ソファルコン ソロン 細粒10%(GEのみ)、細粒20%、錠50㎎、カプセル100㎎
アルギン酸ナトリウム アルロイドG 顆粒溶解用67%、内用液5%
トロキシピド アプレース 細粒20%、錠100㎎
ベネキサート ウルグート
ロンミール
カプセル200㎎
ポラプレジンク ブロマック 顆粒15%、D錠75㎎
イルソグラジン ガスロンN 細粒0.8%、錠2㎎/4mg
エグアレンナトリウム アズロキサ 顆粒2.5%、錠15㎎
防御因子配合剤 アズレン・Lグルタミン マーズレンS
マーズレンES
配合顆粒
水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム マーロックス 懸濁用配合顆粒
ジサイクロミン・酸化Mg、乾燥水酸化Alゲル コランチル 配合顆粒
メチルメチオニン・メタケイ酸アルミン酸Mg・沈降炭酸Ca・炭酸Mg キャベジンU 配合散
コリン作動薬 カルニチン エントミン
D2ブロッカー プリンペラン
ナウゼリン
ガナトン
ドグマチール
オピアト作動薬 トリメブチン セレキノン
漢方薬
健胃薬 S・M
つくしA・M
KM
FK
消化酵素 ジアスターゼ
タカヂアスターゼ
パンクレアチン
タフマックE
ベリチーム
フェルターゼ
エクセラーゼ

PPI(プロトンポンプインヒビター)

胃潰瘍では8週まで、十二指腸潰瘍では6週まで。再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法で連続投与可。胃酸分泌の最終段階を阻害するのでH2ブロッカーより作用は強い

H+/K+ATPase(酵素)のことをプロトンポンプと呼ぶ。このポンプ(酵素)はATPを使って、胃の内腔にプロトン(H+)を分泌し、代わりにカリウムイオン(K+)を細胞内に能動的に取り込む。プロトンポンプを阻害することは、H+の胃内への分泌を抑えることはもちろんのこと、K+の細胞内への移動も抑制するということになる。

胃の壁細胞には分泌小胞と呼ばれるプロトンポンプを含む膜タンパク質を貯蔵している小胞があり、食事による刺激がない状態では、プロトンポンプはこの分泌小胞に存在している。

食事をとると、壁細胞が活性化されて、分泌小胞が細胞膜に融合し、分泌細管が形成されて、プロトンポンプが分泌細管の膜に移動する(プロトンポンプが分泌細管の膜に埋め込まれる形)。これにより、プロトンポンプがH+とK+の能動輸送を行うことが出来るようになる。

ノーマルPPI

ノーマルPPIは全て酸に不安定であり、胃内のような強酸性(pH1~2)の酸性環境ではすぐに分解されてしまうため、胃では不活化されず、腸で吸収されるように錠剤やカプセルの中の顆粒に腸溶性のコーティングが施されています(プロドラッグ)。

そのため、全ての錠剤が、粉砕不可です。

カプセル自体は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(タケプロン、ネキシウム)であり、遮光等保存上の目的はあるかもしれませんが、中の顆粒を粉砕しなければ、特になくても薬効には影響はないです。(脱カプセルは書籍上は安定性の問題で不可になってはいますが可能ということ。)

PPIのメカニズム

上図のようにPPIは酸による活性化が必要な反面、酸に不安定という点が矛盾しているように見えますが、これには分子構造や作用メカニズムに関連するポイントが関係している。

PPIの基本構造は、ベンゾイミダゾール核とピリジン環を含む化合物であり、胃内の強酸環境(pH1~2)によって加水分解され、無効な分解生成物に変わり、効果を失ってしまうため、腸溶性のコーティングが施されている。

腸のpHは胃よりも高い(pH6付近)ため、PPIは安定して腸から吸収されて、血中に入ることができる。アルカリ性の制酸剤と同時服用すると胃内のpHが下がって腸溶性コーティングがとれやすく、AUCは下がってしまうため、1時間以上間隔を開けることが望ましい。

腸から吸収されたPPIは、血流を通じて壁細胞へ到達し、そこでプロトンポンプを含む分泌小胞が食後の酸の追加分泌が必要な時に細胞膜と融合して分泌細管を形成し、プロトンポンプによるプロトンの能動輸送が始まって、分泌細管内に適度な酸性環境が形成された後に活性化される。この酸性環境は、PPIの分解ではなく活性化を促すレベルのpH

活性化されたPPIはプロトン化され、スルフェンアミドに変化する。このスルフェンアミド(-S-NHーR)がプロトンポンプのシステイン残基と共有結合(SS結合)を形成して、プロトンポンプを不可逆に阻害することで胃酸の分泌が抑制される。

タケキャブが可逆的な阻害に対して、ノーマルPPIは不可逆に阻害するため、阻害の強さとしてはノーマルPPIの方が部がある。ただ、なんだかんだで酸に不安定なことや、一度活性体になってから作用を示すこと等から、タケキャブに比べて持続性、即効性は劣る。

PPIの食事の影響

PPIはどの薬剤も、添付文書上は食前、食後関係なく、朝昼晩いつでも服用できる。

ただ、作用のメカニズムから考えていくと、食前30分ほど前に服用するのが最も効果が高いと考えられる(ラベプラゾールとタケキャブだけは食前食後で効果に差がないことが示されているので除く)。

なぜなら、胃酸の分泌(分泌細管からのプロトン分泌)は食事により促されるためで、絶食状態では胃のpHは食後より低いですが、プロトンポンプを活性型にするのに必要な分泌小胞内の酸性環境は不十分なため、食後の食物消化のための酸の追加分泌のタイミングに合わせて、食前30分くらい前に服用して、食後の血中濃度を上げておくとよいということである。(参考:m3)。

食後に服用すると、吸収されて分泌小胞にPPIが届く前に、酸の分泌が終わってしまっているということ。

タケプロンの添付文書を見てみると、絶食下と食後の血中濃度の推移は以下であり、食後の方が胃内の通過速度ゆるやかになるのでTmaxが遅延しCmaxは低くなる。AUCは大きな差はみられないと言いつつも若干下がる。

絶食下服用の血中濃度が最も高くなるTmaxの時間は2.2hなので、服用後2.2h経ってから食事をとると、食事による追加の胃酸分泌が最大に起こっている時間には血中濃度が低下していってしまい、最大の効果が期待できないということになる。

PPIの最大効果

上記の参考リンク内で、PPIは毎日飲み続けても3~5日飲まないと最大効果にならないから頓服だと1錠目は殆ど効かないと記載があるが、添付文書を眺めてみると、

  • タケプロン30(絶食下)・・・単回投与のAUC:2.4、反復投与7日目のAUC:2.34
  • ネキシウム20(空腹時)・・・単回投与のAUC:1115、反復投与5日目のAUC:2068
  • パリエット20(絶食下)・・・単回投与のAUC:937、反復投与5日目のAUC:994
  • タケキャブ20(絶食下)・・・単回投与のAUC:151、反復投与7日目のAUC:222

となっていてる。

ネキシウムとタケキャブは共に3日目から定常状態に達すると記載があり、頓服より継続服用の方が効果は高いようだが、タケプロンやパリエットは定常状態の記載がない上、AUCに差がないため、頓服服用でもいいのではと思っている。

PPIの制酸剤の影響

制酸剤と同時投与で胃内のpHが上がるとAUCが低下する(おそらく腸溶性コーティングが溶けて腸までもたない)。時間を空けて服用するとAUC低下はない。

PPIとヘリコバクターピロリ

ヘリコバクター・ピロリ除菌治療におけるPPIの役割は胃内pHを上昇させることにより、併用されるアモキシシリン水和物、クラリスロマイシンの抗菌活性を高めることにあると考えられる。

ピロリ除菌後のPPI長期投与は胃がんの発生リスクが増大するという報告がある。

PPIの長期投与における影響

PPIの長期投与によって、胃底腺ポリープが発生ないし、増大するとの報告がある(プロトンポンプ阻害薬長期投与中に増大した胃底腺ポリープの検討

PPIの長期投与によって認知症になるとも言われている。また骨折のリスクが増大するという報告もある。

各PPIのその他の特徴
  • オメプラゾン、オメプラール(オメプラゾール)・・・ラセミ体であり、CYP2C19の影響を受ける。そのためクロピドグレルの併用は競合阻害を引き起こす
  • タケプロン(ランソプラゾール)・・・
    • フッ素導入でオメプラゾールよりも安定性が向上。
    • 脂溶性が高く、膜内へもぐりこむことで内因性グルタチオンによるSS結合が切られにくい(胃酸分泌が回復しにくい)
    • 主にCYP2C19又はCYP3A4で代謝される。
    • カプセルは中に腸溶性顆粒を含むが、カプセル自体に徐放効果はないので脱カプセルは可能。
    • OD錠も腸溶性顆粒が固められているため、粉砕は不可→ただし、軽く乳鉢で砕く程度なら可(砕いた後に均一にならずならせないので、錠剤の状態で分包後に砕くのを推奨)。OD錠は簡易懸濁法も不適。
    • 逆流性食道炎は初回30㎎、維持療法には、8週後に一度15㎎に用量を落としてからでなければ30㎎を継続服用できない。
  • パリエット(ラベプラゾール)・・・
    • グルタチオンによる胃酸分泌抑制の回復が他のPPIに比較して早く、血中ガストリンの上昇が少ない。
    • 逆流性食道炎は初回10㎎、維持療法は10㎎のまま可能。20㎎は維持療法には使用不可、10㎎分2は効果不十分なら維持療法に使用可。
    • 非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の適応が唯一無い
  • ネキシウム(エソメプラゾール)・・・
    • オメプラゾールのS体。CYP2C19の影響を受けにくい。PPIとの結合は不可逆的でPPIのターンオーバーに合わせて胃酸分泌が回復。
    • 逆流性食道炎は20㎎から服用を開始し、20㎎のまま維持療法で使用できる。20㎎でも大体の適応を有しており、タケプロンのように適応によって使い分ける必要もない。
    • 小児の適応があり、20kg未満は10㎎、20kg以上は10~20㎎を使用可能。
    • 肝臓での薬物動態に影響を与えないため、肝硬変へ使用するPPIの第一選択
    • カプセルは中に腸溶性顆粒を含むが、カプセル自体に徐放効果はないので脱カプセルは可能(メーカーは非推奨)。ただし、脱カプセル後の内容物が少量すぎること、少量だから乳糖と混ぜようとしても顆粒なので混ざりにくいこと、静電気の影響を受けやすいこと、カプセルを外す手間がかかる等がデメリット。
    • 一方、ネキシウムには懸濁用顆粒があり、飲み方は以下(抜粋)
      「約15mlの水に懸濁し、2~3分後に服用してください。 懸濁後は30分以内に服用してください。 服用後、容器に薬が残った場合は、さらに水を加えて懸濁し、服用してください。 包装内の薬は一度に使用し、開封後もしくは懸濁後の薬は保管せず、廃棄してください。」
    • 水ではなくお湯で溶かすとダマになる可能性がある(簡易懸濁法は不適)。2~3分経つととろみがでてくるようで、嚥下機能が低下して誤嚥を起こす可能性のある患者に飲ませやすい。懸濁後30分以上たつと沈殿してくる可能性がある。服用後に沈殿物が残った場合はさらに水を加えて再攪してすぐに服用する。懸濁せずにそのまま服用することも可能。とにかく懸濁用顆粒は量が多いので、そのまま飲ませるにしても懸濁して飲ませるにしても手間がかかるため、直前脱カプセルも一つの手か。
    • 添付文書にはネキシウム徐放カプセルを飲み込むことが困難な場合の対処法が書かれている。(以下抜粋
      「カプセルを飲み込むことが困難な患者の場合は、ボールにテーブルスプーン 1 杯分のアップルソースを入れ、本剤徐放性カプセルを開いて中の顆粒を注意深くアップルソースの上に空ける。顆粒とアップルソースを混ぜ、直ちに飲み込む。後日の使用のために保存しておいてはならない。使用するアップルソースは熱くないこと。また、噛まずに飲み込めるよう充分軟らかいものを用いること。顆粒は噛んだり砕いたりしてはならない。顆粒とアップルソースを混ぜたものを使いきらなかった場合は、直ちに残分を廃棄すること。」

P-CAB(カリウムイオン競合型アッシドブロッカー)

(タケキャブ錠資料より)
  • タケキャブ(ボノプラザンフマル酸塩)・・・
    • 酸で活性体になる必要がないため、作用発現が速やかである。投与1日目から速やかな酸分泌抑制作用を示す。
    • 酸分泌抑制効果が持続する。酸に安定なため、既存のPPIのように腸溶性にする必要がなく、粉砕も可能
    • 酸に安定である。
    • CYP2C19の遺伝子多型の影響を受けにくい。
    • ヘリコバクター・ピロリの除菌においてもタケプロン30mgに対して優位な効果非劣性を示す。
    • タケキャブの逆流性食道炎への4週間投与時点での疑義照会は必須ではない。8週間を超えた時点での再燃・再発を繰り返す逆流性食道炎かどうかの疑義照会・コメントは必要。また、再燃逆食において、20mg投与を8週間を超えた時に一旦10mgに落とさないで20mgのまま継続していくことは可能は一旦10mgに落とすかもしくは他のPPIに切り替えたあとでなければ20mgは継続できない。(メーカー)

各種PPIの用法用量比較

1)胃(十二指腸)潰瘍

薬品名用法投与制限
ネキシウム20mg分18w(6w)
パリエット10mg or 20mg分18w(6w)
オメプラール20mg分18w(6w)
タケプロン30mg分18w(6w)
タケキャブ20mg分18w(6w)

2)非びらん性胃食道逆流症(NERD)

薬品名用法投与制限
ネキシウム10mg分14w
パリエット10mg分14w
オメプラール10mg分14w
タケプロン15mg分14w
タケキャブ--

非びらん性胃食道逆流症の治療については、問診により胸やけ、呑酸等の酸逆流症状が繰り返しみられること(1週間あたり2日以上)を確認のうえ投与すること。(タケプロン)

3)逆流性食道炎(GERD)

薬品名用法投与制限維持不十分
ネキシウム20mg分18w10mg or 20mg分1-
パリエット10mgor20mg分18w10mg分1or分2※1
オメプラール20mg分18w10mg or 20mg分1-
タケプロン30mg分18w15mg or 30mg分1-
タケキャブ20mg分14or8w10mg or 20mg分1-

※1 10mg or 20mgを分2で8w(20㎎分2は内視鏡で重度確認後)

4)NSAIDs

薬品名用法投与制限
ネキシウム20mg分1-
パリエット--
オメプラール--
タケプロン15mg分1-
タケキャブ10mg分1-

5)低用量アスピリン

薬品名用法投与制限
ネキシウム20mg分1-
パリエット5mg or 10mg分1-
オメプラール--
タケプロン15mg分1-
タケキャブ10mg分1-

H2ブロッカー

壁細胞のH2受容体を遮断し、胃酸の分泌抑制作用を示す。適応外で蕁麻疹にも用いる

  • アシノン(ニザチジン)・・・唾液分泌作用
  • アルタット(ロキサチジンアセタート)
  • ガスター(ファモチジン)・・・腎機能に応じて投与量が変わることに注意
  • ザンタック(ラニチジン)
  • プロテカジン(ラフチジン)
  • タガメット(シメチジン)・・・Ca溶解作用

コリンエステラーゼ阻害薬

胃の運動を改善し、機能性ディスペプシアの食後愁訴症候群(PDS)(食後のもたれ、早期膨満感)を改善する。

  • アコファイド(アコチアミド)・・・ChE阻害作用。適応はFDのPDSのみ

選択的ムスカリン遮断薬

遠心性の迷走神経のムスカリン受容体のうちM1受容体に特異的に作用する、心臓、消化管平滑筋への副作用が少ない。

  • ガストロゼピン(ピレンゼピン)
  • チアトン(チキジウム)

抗コリン薬

酸分泌抑制作用は弱く、胃酸の排泄を遅延させることを目的とした、鎮痙・鎮痛薬としての使用。アウエルバッハ神経叢のM受容体を阻害して輪走筋や縦走筋の働きを抑制する。

  • ブスコパン(ブチルスコポラミン)
  • ロートエキス(ロートエキス)
  • セスデン(チメピジウム)

抗コリン薬(胃・腹痛)

抗コリン作用により鎮痙作用、胃酸分泌抑制作用を示す。

  • ブスコパン(ブチルスコポラミン)・・・適応胃・十二指腸潰瘍、食道痙攣、幽門痙攣、胃炎、腸炎、腸疝痛、痙攣性便秘、機能性下痢、胆のう・胆管炎、胆石症、胆道ジスキネジー、胆のう切除後の後遺症、尿路結石症、膀胱炎、月経困難症における痙攣並びに運動機能亢進
  • ロートエキス(ロートエキス)・・・適応:胃酸過多、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、痙れん性便秘における分泌・運動亢進並びに疼痛
  • セスデン(チメピジウム)・・・・適応:①胃炎、胃・十二指腸潰瘍、腸炎、胆のう・胆道疾患、尿路結石における痙攣並びに運動障害に伴う疼痛の緩解、②膵炎に起因する疼痛の緩解。迷走神経刺激によるラットの胃の痙縮に対し、静脈内投与でアトロピンの約3倍、ブチルスコポラミン臭化物の約5倍の抑制作用を示す。

抗ガストリン薬

ガストリン受容体拮抗作用+G細胞のガストリン放出を抑制する。抗ガストリン作用による胃酸の分泌抑制、表面麻酔薬として局所麻酔作用(マイスナー神経叢の内在性知覚ニューロン終末の局所麻酔による求心性の痛みを抑制する)。

  • ストロカイン(オキセサゼイン)

防御因子増強薬

薬品名 粘膜被覆 粘膜修復 粘液分泌↑ 血流↑ PG類↑ 活性酸素↓
アルサルミン   
イサロン  
ガストローム 
プロマック  
マーズレン    
セルベックス 
ムコスタ 
ウルグート   
ドグマチール     
ノイエル   
サイトテック    

粘膜抵抗強化薬

  • アルサルミン(スクラルファート)
  • イサロン(アルジオキサ)
  • ガストローム(エカベトNa)
  • プロマック(ポラプレジンク)・・・亜鉛を含むため、味覚障害に対しても用いられる。他低亜鉛血症に用いる薬は以下
    • ノベルジン(酢酸亜鉛)・・・1日2回食後。開封後は高温多湿を避けて。直前までPTPシートから出さない。
    • ジンタス(ヒスチジン亜鉛)・・・1日1回食後、BW30㎏以上
  • プロテカジン(ラフチジン)
  • マーズレンS(アズレン+L-グルタミン)

粘液産生・分泌促進薬

  • セルベックス(テプレノン)・・・空腹時では吸収が低下するので痛み止めと併用で頓服で飲むならムコスタ。またH2ブロッカーと併用すると相乗効果が表れるらしい
  • ムコスタ(レバミピド)

胃粘膜微小循環改善薬

  • ウルグート(ベネキサートβデクス)
  • ガスロンN(イルソグラジン)
  • ドグマチール(スルピリド)
  • ノイエル(セトラキサート)

PG製剤

PGE1誘導体、NSAIDsによる胃障害にのみ適応、妊婦に禁忌。Mg製剤と併用で下痢↑

  • サイトテック(ミソプロストール)

漢方薬

カンゾウの主成分:グリチルリチン酸は腸内細菌でグリチルレチン酸へ代謝され抗炎症・抗アレルギー作用を示す。グリチルリチン酸は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることで偽アルドステロン症(「手足のだるさ」「しびれ」「つっぱり感」「こわばり」に加えて、「力の抜ける感じ」「こむら返り」「筋肉痛」が現れ、だんだんきつくなる等の初期症状)が現れることが有ります。

  • 六君子湯(ソウジュツ、ニンジン、ハンゲ、ブクリョウ、タイソウ、チンピ、カンゾウ、ショウキョウ)・・・脳内グレリン受容体増加作用、5HT2b,2c受容体拮抗作用→グレリン分泌促進→食欲増進。
  • 安中散(ケイヒ、エンゴサク、ボレイ、ウイキョウ、カンゾウ、シュクシャ、リョウキョウ)・・・炎症を抑えるボレイ以外は全て温める生薬。血行を良くして胃の調子を回復する。

D2ブロッカー・消化剤

吐き気止めのページ参照

胃カメラ(内視鏡)時に中止する薬剤

胃カメラで観察のみであれば薬剤の中止は不要ですが、生検する場合は中止が必要となる薬剤があるため、主治医へ確認が必要。

大体は、抗凝固薬、抗血栓薬、血管拡張薬、血糖降下薬なので、それらを飲んでいる場合は確認してみてください。

関連ページ

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記事No1032 題名:通達(みと・あかつかカンファレンス) 投稿者:池田剛士 投稿日:2019-08-04 14:40:11

通達(みと・あかつかカンファレンス)*ムチン騒乱対策本部;安倍晋三 首相案件【令和の改新】#令和の大号令
https://news.nissyoku.co.jp/hyakusai/goushi20190719114655561
http://kankan2025.jp/#mhlw
https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9701/9701_kaisetsu.pdf




学術秘書
池田です。


ご承知おきください。
http://nokyoko.jp/#mucovac

では。


この件に関するお問い合わせ先:
みと・あかつかカンファレンス事務局長
ラクトース研究班「いもいち2025」班長代理
有限会社学術秘書
本店営業部
池田剛士
〒311-4141
茨城県水戸市赤塚1-386-1-107
電話:029-254-7189
携帯:090-4134-7927

※8月15日(木)正午より、「この件に関するお問い合わせ先:」を変更いたします。

読売新聞東京本社
〒100-8055
東京都千代田区大手町1-7-1
電話:03-3242-1111
https://info.yomiuri.co.jp/contact/index.html


記事No499 題名:Re:管理栄養士様 投稿者:管理人tera 投稿日:2017-07-07 10:39:01

ご指摘ありがとうございます。
早速修正させていただきました。
今後共よろしくお願いいたします。


記事No498 題名:コメント失礼します 投稿者:管理栄養士 投稿日:2017-07-06 20:32:45

消化態経腸栄養剤・・・ツインラインNF、エレンタール、エレンタールP
と記載がありますが、エレンタール、エレンタールPは成分栄養剤になるかと思います。


記事No104 題名:Re:タケキャブの除菌データ 投稿者:管理人tera 投稿日:2015-05-29 09:19:08

タケキャブ資料の3剤併用療法での1次除菌率(終了後4週間)のグラフで、タケキャブが除菌率92.6%、タケプロンが75.9%となっていたのでそのまま優位性としてしまいましたが、語弊のないよう非劣性ということで宜しいかと思います。


記事No103 題名:タケキャブの除菌データ 投稿者:匿名希望 投稿日:2015-05-28 15:36:03

タケプロン30mgに比べて有意に効果が高かったと記載がございますが、タケキャブのデータは全てタケプロンとの非劣勢試験によるものでしたので有意性は言えないと考えておりました。


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