痒みと痛みの関係
痒みも痛みも自由神経終末で受容され、ともにC繊維で大脳皮質へ入力される。
かゆみと痛みの神経が別であることは、「μ受容体の痛みは抑制するが、かゆみは誘発するという矛盾」や「痛みとかゆみは同時に感じることが出来る」ことなど から示されていますが、かゆみと痛みの相互作用などのくわしい部分に関しては未だ明確な回答は得られていません。
一般的には、かゆみはかゆみ受容器にて受容され、痛みは高閾値侵害受容器、ポリモーダル受容器にて受容され、 かゆみ受容器を持つC線維は痛みの受容器を持つC線維に抑制されていて、競合ではなく?痛みはかゆみを抑制すると考えられています。
しかし、アトピー性皮膚炎においては、痛みの神経はかゆみ神経を抑制するのではなく、逆に活性化するという機序が示されています。
とはいえ、アトピーであっても、強い痛みや熱いお湯に皮膚をさらしたときにかゆみは止まるので、一概に痛みがかゆみを活性化するとは言えない。
痒いときにハッカ入りのワセリンを塗ると、痒みを伝達するC繊維が抑制され、冷感によって痒みが一時的に治まりますが、神経が過敏になっていると通常かゆみを抑制するこういった 刺激すらがかゆみを逆に増悪させるのかもしれない。
一方、肌をこすったり、患部を爪で押したりすることで痒みがとまるのは、Aβ繊維がAδ繊維、C繊維に対して抑制的に働くからである。
触覚や圧覚を感知したAβ繊維は脊髄後角でAδ繊維とC繊維を抑制する。このことは帯状疱疹にも当てはまる。帯状疱疹にて神経がウイルスにより破壊されたことで 細いC繊維から順に回復していくために太い神経であるAβ神経の回復が追いつかずにAδ、C繊維による痛みを止められないで神経痛として残る。
氷など極めて低い温度は、痒みをとめるのに加え、血管を収縮させて炎症物質が移動するのを防ぎますが、反跳性の血管拡張が起こって逆に炎症が悪化します ので避けるべきです。
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