B型/C型肝炎とは
肝がんの原因の約65%はC型肝炎ウイルスによるもの。高齢になるほど肝がんになる可能性が高くなる。
肝炎は自覚症状が殆ど無い。
B型肝炎とは
B型肝炎はB型肝炎ウイルスにより引き起こされる肝炎で、急性期には発熱、倦怠感、関節痛、食欲不振などが、感染が半年以上続いた慢性肝炎は一般的に無症状ですが肝硬変や肝がんの原因となる。
感染経路には以下のものがある。
- 血液感染
- 母子感染
- 性行為
- 唾液、汗、涙等の体液(感染力は低い)
B型肝炎の検査
- HBs抗原:今現在感染しているかの感染の有無を確認するための最も基本的な検査(急性・慢性共に)。HBVの外殻エンベロープに含まれる抗原であり感染の指標となる。
- HBs抗体:感染の過去の履歴やワクチン接種の効果を確認。HBs抗体を6ケ月後に再測定して陽性であっても、B型肝炎ウイルスキャリアとはいえない。
- HBc抗原:HBVの外殻内部に存在するため検出できず検査項目には該当しない。
- HBc抗体:現在または過去の感染を示す。ワクチンでこの抗体が陽性になることはない。
- IgM-HBc抗体・・・感染初期に現れるため、最近感染したことを示す。(急性肝炎等)
- IgG-HBc抗体・・・感染から遅れて現れ、生涯存在するため、過去に感染したことを示す。
- HBe抗原:HBVに感染後、増殖(ウイルスの複製)の時に作られる。高いと感染力が強いことを示す。
- HBe抗体:HBVの増殖が落ち着いていて、感染力が弱いことを示す。
- HBV-DNA量:非常に感度が高い血液中のHBVのDNAを正確に定量できる。高いと感染進行中を示す。
B型肝炎の治療と予防
急性B型肝炎は自然回復が期待できる疾患で有り、原則として治療は不要。
慢性B型肝炎は抗ウイルス薬として、Peg-インターフェロンや核酸アナログ(エンテカビルやテノホビル)が使用される。慢性肝炎では原則としてPeg-INFが第一選択、肝硬変では核酸アナログが第一選択。
- 核酸アナログは耐性は少ない。
- 腎障害に注意する(eGFR15未満は使えない)。
- HIV感染の有無を確認する。
治療対象
- ALT・・・慢性肝炎では30U/L以上、肝硬変は基準値無し
- HBV DNA量・・・慢性肝炎では2000IU/mL以上、肝硬変は陽性
治療目標
短期目標としてはALT、HBe抗原かつHBe抗体、HBV DNAが下記条件を満たすこと。長期目標はその後のHBs抗原の陰性化。
- HBs抗原・・・陰性
- ALT・・・慢性肝炎では30U/L以下、肝硬変では基準値無し
- HBe抗原・・・陰性
- HBe抗体・・・陽性
- HBV DNA量・・・核酸アナログ治療中の慢性肝炎・肝硬変ではHBV DNA量陰性。慢性肝炎例で何らかの理由で核酸アナログを中止した場合では中止後HBV DNA量2000IU/mL未満。
検査の間隔としては、特に決まりはないが、肝炎治療特別促進事業(38)の対象であり、毎年6月に申請、9月から認定となるため、毎年5月に1回は検査(血液、エコー等)は必要となる。
核酸アナログ中止条件
- 核酸アナログ投与開始後2年以上経過
- 中止時、HBV DNA量が検出感度以下
- 中止時、HBe抗原が陰性
ワクチンがあることや、輸血時の注意や安全な性行為により予防は可能。
HBV再活性化の治療
HBV感染患者において免疫抑制・化学療法(R-CHOP療法等)により HBV が再増殖することを HBV再活性化という。
再活性化の場合、まず、HBs抗原の検査をして、陽性であれば、HBe抗原、HBe抗体、HBA DNA検査をする。
あとは、上記リンクにおける免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインを参照。
いずれにしても、最終的に、血中HBV DNAが20IU/ml(1.3 LogIU/ml)未満を目標にし、目標達成後は、HBV DNA定量とAST/ALTを1~3か月に1回モニタリングを行う。(治療内容を考慮して間隔・期間は変わる)
C型肝炎とは
C型肝炎ウイルスに感染すると、体がそれを排除しようと肝臓を攻撃するために、肝臓が炎症を起こし肝炎となる。2,3割は自然軽快するが、残りは慢性化(慢性肝炎)し、その後10年スパンで肝硬変→肝がんへと移行する。
C型肝炎の感染ルートは、感染している人の血液を用いた輸血、血液製剤や、汚染された注射器や注射針による医療行為であり、母子感染の感染率は低いし、性行為も生理中でなければ問題ない(薬が精子中に移行する可能性はある)。
C型肝炎ウイルス(HCV)に感染しているかどうかは、血液検査で検査可能。
C型肝炎の検査
- HCV抗体・・・C型肝炎ウイルスに感染すると作られる抗体。現在感染しているか、過去に感染していたことがあるかがわかる。
- HCV-RNA・・・C型肝炎ウイルスの遺伝子を調べる。ウイルスの種類(ジェノタイプとセログループ)を調べる定性検査とウイルスの量を調べる定量検査がある。
セログループ | ジェノタイプ | 頻度 | 治療 |
---|---|---|---|
1 | 1a | まれ | インターフェロン+抗ウイルス薬1~2種 インターフェロン単剤 抗ウイルス薬1~2種 |
1b | 70% | ||
2 | 2a | 20% | インターフェロン+抗ウイルス薬1種 インターフェロン単剤 抗ウイルス薬1~2種 |
2b | 10% | ||
その他 | 3,4,5,6 | 不明 | 抗ウイルス薬1~2種 |
検査の流れ:HCV抗体の有無→有なら→HCV-RNAの検査→陽性なら→C型肝炎として定性検査/定量検査及び、肝機能検査(血液、エコー、CT、MRI、腹腔鏡検査、肝生検等)。
C型肝炎の治療
ウイルスを完全に排除する方法として、インターフェロン(ウイルスを攻撃する物質)を用いる方法と、直接ウイルスを攻撃する抗ウイルス薬を使用する方法がある。
90%は抗ウイルス薬で完全排除できる。完全排除をできない場合は、インターフェロンの少量長期投与や肝庇護剤、瀉血薬で進行を遅らせる。
過剰な鉄は、肝炎ウイルスが感染している自己細胞の活性酸素によるアポトーシスを助長する。また、肝臓が産生するヘプシジン(鉄抑制因子)が低下してフェリチンとして肝臓に蓄えられる鉄量が増大する。ので、控えること。
適度な運動は汗による鉄の排泄、食物繊維が多い玄米食は鉄の吸収を阻害するので効果がある。
マヴィレット配合錠
- 配合顆粒小児用との生物学的同等性が示されていないため互換使用は出来ない。
- HCV-RNA陽性、非代償性肝硬変でないことを確認
- 共通の用法:成人・12歳以上の小児及び12歳未満かつ体重45kg以上の小児には、1回3錠を1日1回食後
- セログループ1のC型慢性肝炎・・・投与期間は8週間(最大12週間)
- セログループ1又はセログループ2のC型代償性肝硬変・・・投与期間は12週間
- セログループ1又はセログループ2以外のC型慢性肝炎及びC型代償性肝硬変・・・・投与期間は12週間
- 12週間終了後にすぐに陰性である場合でも、しばらくすると陰性になる場合がある。
コペガス(orレベトール)*ソバルディ併用療法
- コペガスはソバルディと一緒に使用することにより、ウイルスの増殖抑制効果が期待できる。
- ソバルディはウイルスの合成を直接阻害することにより、体内のウイルスを排除する。
- セログループ2の人は12週、セログループ1またはセログループ2以外の人は24週治療する。
- 副作用は、貧血またはヘモグロビン減少が見られることがあるので、同期や息切れ、めまい、頭痛、疲労感に注意する。
- コペガスは体重により服用する量が異なる。
- コペガスはインターフェロンアルファ-2a(ペガシス)かソバルディ併用で、HCV-RNAが陽性でなければならない。
- 本剤とPEG-IFNとの併用により、本剤並びにPEG-IFNの抗ウイルス作用が増強され、その程度は相加的~準相乗的であった。本剤の詳細な作用機序は明らかではないが、HCV由来RNA依存性RNAポリメラーゼの阻害作用と、ヘルパーT細胞のバランスを変動させる免疫調節作用とが抗HCV作用を示すと考えられる。
体重 | 1日投与量 | 朝食後 | 夕食後 |
---|---|---|---|
60kg以下 | 600mg | 200mg | 400mg |
60kgを超え80kg以下 | 800mg | 400mg | 400mg |
80kgを超える | 1,000mg | 400mg | 600mg |
医療費助成制度
別ページ参照
参考:わかりやすいC型肝炎のおはなし(泉並木氏)他
関連ページ
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