皮膚を掻(か)いた時

今まで話してきたように、たとえ掻かなくとも炎症は起こります。そしてその炎症は血管から自分の免疫細胞(白血球) が感染細胞へ移動するために起こることは学びました。

皮膚を掻くと、もっと炎症は起こります。これは皮膚が傷つけられることで別ルートのメカニズムが 進行するためです。

この別ルートのことを、”アラキドン酸カスケード”と呼びます。

皮膚を掻くと、細胞膜の成分であるリン脂質ってやつから、アラキドン酸っていう脂肪酸(脂肪のようなもの) が遊離します。遊離したアラキドン酸はPG(プロスタグランジン)類LT(ロイコトリエン)類の産生を促します。

PGにはPGG2、PGH2、PGD2、PGE1、PGE2、PGI2、PGF2αの7つがありまして、まぁ簡単に言えば、血小板を凝集させたり、 血管透過性を亢進させたりして炎症反応を起こす物質です。

LTにはLTB4、LTC4、LTD4があり、主として 気管支を収縮させる物質です。これらの作用で炎症が増悪するわけです。


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