PUVA療法

免疫を亢進させるものと抑制するものが混在しているおかげで、どの程度の紫外線がアトピー性皮膚炎にとっていいものかどうかを判断するのは非常に難しいです。

PUVA療法は保険適用されており、皮膚科の病院などにいけば、1回700円ほどでできます。週3回を3ヶ月くらい継続すると効く人には劇的に効果が表れるそうです。

ところで、アトピー性皮膚炎とTh1/Th2バランスにおいて相反する皮膚病である尋常性乾癬についてですが、乾癬という病気はTh1が異常に亢進した自己免疫疾患で、 日光に当たると一時的によくなる代表的な皮膚病です。

乾癬患者に比べて、アトピー性皮膚炎(AD)患者の日光浴による寛解の度合いは少ないことから、やはり紫外線による免疫抑制作用はTh1抑制によるものだと思われる。

それでは、AD患者にとっての日光浴のメリットを考えてみると、LC抑制とNGF抑制くらいでしょうか。LC抑制によるTh2への感作不成立とNGF抑制で今まで掻き過ぎたことによって表皮上部まで伸びてきていた自由神経終末が縮むことで痒みが抑制されること以外は、過度に紫外線を浴びればヒスタミンなどのアレルギー物質や炎症性サイトカインが産生されて皮膚の炎症がますますひどくなる(日焼け)だけですから。

また、PUVAにはSP受容体であるNK1Rの発現を抑制する作用もあり、神経伝導の阻害や、NK1Rを発現している肥満細胞の抑制にも関与している。

PUVA療法

PUVA(psoralen ultra violet A)療法は,その名の通り、ソラレン(≒メトキサレン)という光感受性を増強させる薬とUVAを組み合わせた光化学療法で、 内服法、外用法、PUVA-bath法に分けられる。

現在日本では外用法がほとんどで、bath法が一部、内服法は実施されていない。

内服法は、ソラレンを内服した後、UVAを週2~3回照射する。初期量は最小光毒量(光毒性反応をもたらす最小の照射量)以下とされる。

外用法は、0.1~0.3%のメトキサレンローションまたは軟膏をアトピーの炎症が起こっている部位に塗布後UVAを照射する。

PUVA-bath法は、きわめて低濃度のメトキサレンを入れた浴槽に入浴したのちUVAを照射する。

PUVAによるアトピー性皮膚炎に対する効果は、Ⅰ型アレルギー及びそれに続いて起こるⅣ型アレルギー抑制作用による、T細胞の減少やサイトカイン産生抑制、細胞接着因子発現の抑制などであり、この効果はアポトーシスの誘導に起因していると考えられている。


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