C.neoformans

クリプトコッカス(Cryptococcus)は、酵母様の真菌の属で、環境中に広く存在し、土壌、樹木、特に鳥の糞に多く見られます。

この属の中で、特に重要なのはCryptococcus neoformansとCryptococcus gattiiです。

健康な人においては感染しませんが、免疫機能が低下している人(HIVや免疫抑制薬投与中)がこれらの真菌を吸入することで感染し、

  • クリプトコッカス性髄膜炎: 中枢に親和性があり、最も一般的で重大な症状は、髄膜炎です。頭痛、発熱、首のこわばり、嘔吐、意識の混濁などが見られます。
  • 肺感染症: 経気道感染により肺に感染→肺に感染した場合、咳、胸痛、発熱などの症状が現れることがあります。
  • 皮膚感染症: 稀に、皮膚に発疹や膿瘍が形成されることがあります。

を引き起こします。

胸部X線では結節影と呼ばれる丸い陰影が見られるのが特徴です。

治療は、アムホテリシンBとフルシトシンの組み合わせが初期治療に用いられ、その後フルコナゾールやイトラコナゾールなどの経口抗真菌薬に移行することが多いです。

C.neoformans

  • 土壌、特に鳥(主に鳩)の糞に豊富に存在します。
  • 免疫抑制されている人々、特にHIV/AIDS患者において感染がよく見られます。
  • 侵襲性の感染症、特にクリプトコッカス性髄膜炎を引き起こすことで知られています。
  • 酵母形態を取り、特有の多糖カプセルを持つことで顕微鏡下で識別されます。

C.gattii

  • トロピカルまたはサブトロピカルの気候において、特にユーカリの木などの特定の樹木の周りで見つかることが多いです。
  • 免疫機能が正常な人々においても感染を引き起こす可能性があります。
  • クリプトコッカス性髄膜炎を引き起こすことがありますが、肺感染症や肺外の感染(例えば、骨や皮膚の感染)がより一般的です。
  • C. neoformansと同様、酵母形態を取り、多糖カプセルを持ちますが、分子生物学的な特徴において異なります。

真菌の種類

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