医療保険

  • 公的医療保険
    • 社会保険(職域保険)・・・健康保険、各種共済組合、船員保険、0~74歳。8桁の番号で保険者欄が健康保険組合等。期限が入ってる場合もある(雇用年数の問題?)が、基本は期限なし。
    • 国民健康保険(国保)・・・市町村国民健康保険、国民健康保険組合、0~74歳。退職者や無職は市町村国保に加入。6桁の番号で、市町村国保は交付者が市町村。国民健康保険組合は各種組合が保険者。
      • 保険証の有効期限は通常「8月1日~翌年7月31日」まで(例外有り:建設国保10/1~9/30等)
      • 例えば 2024年8月1日~2025年7月31日 有効の保険証については、2023年1月1日~12月31日までの所得(課税所得) をもとに判定される
      • 8月に入れ替わるタイミングで前年所得に応じて「負担割合(1割・2割・3割)」が更新される
    • 後期高齢者保険・・・75歳以上、65歳~74歳までの一定の障害を持つ人。39~の番号。期限は8/1~7/31の1年間で更新は国保と同様
  • 民間医療保険
  • 保険適用外診療等

以下、公的医療保険の負担割合。

年齢 自己負担割合
0~未就学児 2割負担
6~69歳
※1
3割負担
70~74歳
高齢受給者=前期高齢者)
2割負担(現役並み所得者は3割負担)
※2
75歳以上
(後期高齢者)
1割負担(一定以上所得者は2割負担、現役並み所得者は3割負担)
※3
65歳以上の障害認定者 1割負担

※1 6歳については、小学1年生になる4月1日。つまり、6歳の3/31までは2割、4/1から3割。

※2 70~74歳までの人には保険証とは別に高齢受給者証が渡される(国保は保険証と一体化、社保は組合によっては一体化もしくは別の手帳サイズの紙)。そこに負担割合が書かれる。なお、70歳未満は所得により負担割合が変わらないので保険証に負担割合は書かれていない。
高齢受給者証の交付時期は、70歳の誕生月(誕生日が付きの初日の場合は前月)、高齢受給者の一部負担金は被保険者と被扶養者でも分かれるので協会けんぽのページで確認する。
H26年4月2日以前に70歳を迎えた人は1割のまま経過措置

※3 後期高齢者の保険証には負担割合が記載されている。区分は記載されていない。
3割負担の現役並み所得者は課税所得145万円以上等一定条件
2割負担については令和6年10月1日~令和7年9月30日までの3年間、外来の負担増加を月3000円までに抑える配慮措置あり。

令和7年10月1日以降は、みなが等しく本来の2割負担になり、外来窓口負担の上限額は月1万8000円になる。

後期高齢者で1割と2割の方の年収

1割から2割に引き上げられる人の年金収入の額を考える。(参考:Yahooニュース

75歳以上の方の窓口負担が2割になるのは、次の1,2の両方の条件を満たす場合である。

  • 1.同じ世帯の被保険者の中に課税所得(※1)が年間28万円以上の75歳以上の方がいるとき。
  • 2.同じ世帯の被保険者の「年金収入(※2)」+「その他の合計所得金額(※3)」の合計額が75歳以上単身世帯の場合は200万円以上、75歳以上複数世帯の場合は合計320万円以上であるとき。

※1「課税所得」とは、住民税納税通知書の「課税標準」の額(前年の収入から、給与所得控除や公的年金等控除、所得控除(基礎控除や社会保険料控除等)を差し引いた後の金額)

※2「年金収入」とは、公的年金控除等を差し引く前の金額。遺族年金や障害年金は含まない

※3「その他の合計所得金額」とは、事業収入や給与収入等から必要経費や給与所得控除等を差し引いた後の金額

年金にかかる税金

年金から引かれる公的な支払先としては、以下のようなものがある。

  • 住民税(=市県民税)
  • 所得税・・・源泉徴収
  • 介護保険料
  • 国民健康保険料・・・75歳未満
  • 後期高齢者医療保険料・・・75歳以上
  • 固定資産税

口座振替を選んだ場合、一般に以下の表のような形で引き落とされる。

(さいたま市 口座振替日一覧表(令和7年度)より)

例えば、住民税は年4回、国民健康保険料は原則7月から翌年2月までの年間8回支払いである(年12回支払いではない)。

年金収入が、

  • 65歳未満・・・108万円以下(令和7年~155万円以下)
  • 65歳以上・・・158万円以下(令和7年~205万円以下)

の場合、課税所得がゼロとなるため、所得税と住民税はかからない。

なぜなら、課税所得=年金収入-公的年金等控除額-基礎控除-社会保険料控除-その他控除(扶養控除、配偶者控除、寡婦控除、障碍者控除等)であるためである(年金以外の収入がない場合)。

公的年金等控除額(年金のみor他所得1000万円以下の場合)は以下の表のとおり。

受給者の年齢 年金額(公的年金等の受給額) 公的年金等控除額
65歳以上 330万円未満 110万円
330万円以上 410万円未満 年金額×25%+27万5,000円
410万円以上 770万円未満 年金額×15%+68万5,000円
770万円以上 1,000万円未満 年金額×5%+145万5,000円
1,000万円以上 195万5,000円
65歳未満 130万円未満 60万円
130万円以上 410万円未満 年金額×25%+27万5,000円
410万円以上 770万円未満 年金額×15%+68万5,000円
770万円以上 1,000万円未満 年金額×5%+145万5,000円
1,000万円以上 195万5,000円

基礎控除は一律48万円(R6年まで)であるので、

65歳未満なら60万円+48万円=108万円、65歳以上なら110万円+48万円=158万円までは確実に非課税ということになる。(月額にすると65歳未満は12で割って9万円以下(R7~12.9万円)、65歳以上で13.2万円以下(R7~17万円)が非課税)

年間の年金受給額が18万円以上の場合は、社会保険料(国民健康保険料+介護保険料)がかかるので、別に社会保険料控除を受けることが出来、これらの金額は上がる。

計算して求めた課税所得がプラスになる場合、課税所得に5.105%を掛けたものが源泉徴収される税額になる。

令和7年の所得税の基礎控除の見直し

令和7年の所得税の基礎控除の見直しにより、以下の表のようになる。

合計所得金額
(収入が給与だけの場合の収入金額)
改正前 改正後
(令和7年・8年)
改正後
(令和9年以降)
132万円以下
(200万3,999円以下)
48万円 95万円 95万円
336万円以下
(475万1,999円以下)
88万円 58万円
489万円以下(665万5,556円以下) 68万円
655万円以下
(850万円以下)
63万円
2,350万円以下
(2,545万円以下)
58万円

よって、令和7年から、課税対象となる年金額が引き上げられる点に注意する。

以上により、例として月20万円(年収が240万円)の年金をもらっている単身75歳の場合、課税所得は240万-公的年金等控除110万-基礎控除95万-社会保険料控除約14万=21万円で28万円以下なので、1割負担。(国民健康保険料計算シミュレータを使用)

年収が250万円になると、課税所得が約30万円になってしまうため、1の課税所得28万円超えを満たし、2の年金収入も単身200万円超えを満たすため、2割負担になる。

限度額適用認定証について

高額療養費に関係する限度額は、保険の区分や収入により異なり、使用する場合には区分をレセコンに入力する必要がある。

なお、70歳未満は区分の入力は必須ではないが、70歳以上は区分番号の入力が必須なので、オンライン資格確認に対応していれば、オンラインから区分の情報を引っ張ってこれるので、限度額証明書がなくても問題はないが、対応していない場合は、保険証とは別に限度額適用認定証(70-74は高齢受給者証)を持参してもらう必要がある。

  • 70歳未満・・・予め限度額適用認定証を発行してもらうか、必要に応じてオンライン資格確認端末でマイナンバーカードにより限度額適用に同意するを選択するか。同意が確認できたら、レセコン上の限度額適用を同意にチェック→オンラインで自動入力。
  • 70歳~74歳・・・社保は手帳サイズの高齢受給者証を保険証とは別に持っていて、それに区分と負担割合が記載してある。国保は、保険証兼高齢受給者証となっているが、負担割合しか書いていない。社保であれ国保であれ、1割と3割の場合は複数の区分があるため、マイナで同意してもらって、レセコン上の限度額適用を同意にチェック→オンラインで自動で入力がいい。
  • 75歳以上・・・後期高齢者受給者証には負担割合しか載っていないので、区分を知るためには別に手帳サイズの後期高齢限度額認定証を確認するか、マイナで同意後、レセコンからオンライン自動入力を使う。

70歳以上ではレセコンに区分の入力が必須なのに、国保の場合、区分を知ることができる高齢受給者証と後期高齢者限度額適用認定証が全員に配られているわけではないので、オンラインでないレセコンを使用していると区分を間違えて入力するケースが多々ある。そのため、オンラインに対応することが最もミスが少なくなる方法である。

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