向精神薬一覧

医薬品として販売されているもののみです。

(引用:日本精神科評価尺度研究会

第一種向精神薬

内服薬

一般名 商品名 投与制限 薬理作用
メチルフェニデート リタリン 30日 DA遊離→中枢興奮
コンサータ 30日
モダフィニル モディオダール 30日 GABA抑制→DA遊離様作用、中枢α1活性→NA,5HT遊離、H遊離→覚醒(上行性網様体賦活)の知見

静注・注射剤

一般名 商品名 投与制限 薬理作用
セコバルビタール アイオナールNa注射用   バルビツレート系

第二種向精神薬

内服薬

一般名 商品名 投与制限 薬理作用
アモバルビタール イソミタール 14日 バルビツレート系
フルニトラゼパム サイレース
フルニトラゼパム(GE)
ビビットエース
フルトラースロヒプノール
14日→30日 ベンゾジアゼピン系
ペンタゾシン ソセゴン
ペルタゾン
ペンタジン
14日 κ活性・μ拮抗
ナロキソン配合
ペントバルビタール ラボナ 14日 バルビツレート系

ペンタゾシンはナロキソンを配合することで薬物乱用を防止している(ナロキソンは経口だとフェンタニルのように初回通過効果で代謝されるので作用は拮抗しないが、粉砕して静脈内投与する場合のみ拮抗する。)

外用薬

一般名 商品名 投与制限 薬理作用
ブプレノルフィン レペタン
ザルバン
ノルスパン
坐剤14日、テープ14日(2枚/回) μ活性・μ拮抗

静注・注射剤

一般名 商品名 投与制限 薬理作用
アモバルビタール アモバルビタールNa   バルビツレート系
フルニトラゼパム サイレース
ロヒプノール
  ベンゾジアゼピン系
ブプレノルフィン レペタン
ブプレノルフィン(GE)
ザルバン
注30日 μ活性・μ拮抗
ペンタゾシン ソセゴン
ペンタゾシン(GE)
トスパリール
ペンタジン
  κ活性・μ拮抗

第三種向精神薬

  • H28.9.14付で、「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」を一部改正し(※1)、新たに3物質(別名ゾピクロン・別名エチゾラム・通称フェナゼパム)が第三種向精神薬として指定されました。
  • フェナゼパムは国内で医薬品としての流通はありませんが、国際条約上、規制対象とされたため規制される。
  • H29.3.21付で、催眠鎮静薬・抗不安薬・抗てんかん薬等に対して添付文書の「使用上の注意」の改訂が指示され、①連用による依存、②投与量の急激な減少、中止による原疾患の悪化や離脱症状、③刺激興奮、錯乱などの発現に注意を促した。

内服薬

一般名 商品名 投与制限 薬理作用
アルプラゾラム ソラナックス
コンスタン
アルプラゾラム(GE)
アゾリタン
カームダンメデポリン
30日 ベンゾジアゼピン系
(中間抗不安)
エスタゾラム ユーロジン
エスタゾラム(GE)
14日→30日 ベンゾジアゼピン系
(中間睡眠)
エチゾラム デパス
エチゾラム(GE)
30日 ベンゾジアゼピン系
(短時間抗不安薬)
オキサゾラム セレナール
ペルサール
30日 ベンゾジアゼピン
(長時間抗不安)
クアゼパム ドラール
クアゼパム(GE)
14日→30日 ベンゾジアゼピン系
(長時間睡眠)
クロキサゾラム セパゾン 14日→30日 ベンゾジアゼピン系
(長時間抗不安)
クロチアゼパム リーゼ
クロチアゼパム(GE)
イソクリン
ナオリーゼ
リリフター
30日 ベンゾジアゼピン系
(短時間抗不安)
クロナゼパム ランドセン
リボトリール
90日 ベンゾジアゼピン系
(抗てんかん)
クロバザム マイスタン 90日 ベンゾジアゼピン系
(抗てんかん)
クロラゼプ酸二K メンドン 14日 ベンゾジアゼピン系
(長時間抗不安)
クロルジアゼポキシド バランス
クロルジアゼポキシド(GE)
コンスーン
コントール
30日 ベンゾジアゼピン系
(長時間抗不安)
ジアゼパム ホリゾン
セルシン
ジアゼパム(GE)
ジアパックス(GE)
セエルカム
セレナミン
パールキット
リリパー
90日 ベンゾジアゼピン系
(長時間抗不安)
ゾピクロン アモバン
ゾピクロン(GE)
アモバンデス(GE)
30日 非ベンゾジアゼピン系
(超短時間睡眠薬)
ゾルピデム マイスリー
ゾルピデム(GE)
14日→30日 非ベンゾジアゼピン系
(超短時間睡眠)
トリアゾラム ハルシオン
ハルラック(GE)
トリアゾラム(GE)
アサシオン
アスコマーナ
カムリトン
トリアラム
ネスゲン
パルレオン
ミンザイン
14日→30日 ベンゾジアゼピン系
(超短時間睡眠)
ニトラゼパム ベンザリン
ネルボン(経過措置R8.3)
ニトラゼパム(GE)
チスボン
ネルロレン
ノイクロニック
ヒルスカミン
90日 ベンゾジアゼピン系
(中間睡眠)
ニメタゼパム エリミン
(製造中止)
14日→30日 ベンゾジアゼピン系
(中間睡眠)
バルビタール バルビタール 14日 バルビツレート系
(睡眠)
ハロキサゾラム ソメリン(経過措置R8.3) 14日→30日 ベンゾジアゼピン系
(長時間睡眠)
フェノバルビタール フェノバール 90日 バルビツレート系
(抗てんかん)
フェノバルビタール配合 アストモリジン
トランコロンP
ベゲタミンA、B
30日 バルビツレート系
(抗てんかん)
ヒダントールD、E、F
複合アレビアチン
90日
フルジアゼパム エリスパン 30日 ベンゾジアゼピン系
(長時間抗不安)
フルラゼパム ダルメート
ベノジール
14日→30日 ベンゾジアゼピン系
(長時間睡眠)
ブロチゾラム レンドルミン
ブロチゾラム(GE)
アムネゾン
グッドミン
ゼストロミン
ソレントミン
ネストローム
ノクスタール(GE)
ブロゾーム
ブロチゾラン
ブロメトン
レドルパー
レンデム
ロンフルマン
14日→30日 ベンゾジアゼピン系
(短時間睡眠)
ブロマゼパム レキソタン
セニラン(GE)
ブロマゼパム(GE)
30日 ベンゾジアゼピン系
(中間抗不安)
ペモリン ベタナミン 30日 精神刺激
マジンドール サノレックス 14日 食欲抑制
メダゼパム レスミット
メダゼパム(GE)
パムネース
30日 ベンゾジアゼピン系
(長時間抗不安)
ロフラゼプ酸エチル メイラックス
ロフラゼプ酸エチル(GE)
アズトレム
ジメトックス
スカルナーゼ
メデタックス
ロンラックス
30日 ベンゾジアゼピン系
(超長時間抗不安)
ロラゼパム ワイパックス
ロラゼパム(GE)
アズロゲン
ユーパン
30日 ベンゾジアゼピン系
(中間抗不安)
ロルメタゼパム エバミール
ロラメット
14日→30日 ベンゾジアゼピン系
(短時間睡眠)

外用薬

一般名 商品名 投与制限 薬理作用
ジアゼパム ダイアップ 14日 ベンゾジアゼピン系
(抗てんかん)
フェノバルビタール ルピアール
ワコビタール

ノーベルバール
14日 バルビツレート系
(抗てんかん)
ブロマゼパム セニラン
ブロマゼパム(GE)
14日 ベンゾジアゼピン系
(中間抗不安)
ミダゾラム ブコラム 14日 ベンゾジアゼピン系
(超短時間口腔麻酔)

静注・注射剤

一般名 商品名 投与制限 薬理作用
ジアゼパム セルシン
ホリゾン
  ベンゾジアゼピン系
(長時間抗不安)
フェノバルビタール フェノバール   バルビツレート系
(抗てんかん)
ミダゾラム ドルミカム
ミタゾラム(GE)
  ベンゾジアゼピン系
(超短時間全身麻酔)

向精神薬に分類されない類似薬

向精神薬に分類されない(麻薬及び向精神薬取締法の制限を受けない)睡眠薬及び精神安定剤の一覧。

一般名 商品名 投与制限 薬理作用
フルタゾラム コレミナール なし ベンゾジアゼピン系
(短時間抗不安薬)
メキサゾラム メレックス(経過措置R8.3) なし ベンゾジアゼピン系
(長時間抗不安薬)
フルトプラゼパム レスタス なし ベンゾジアゼピン系
(超長時間抗不安薬)
エスゾピクロン ルネスタ なし 非ベンゾジアゼピン系
(超短時間睡眠薬)
リルマザホン塩酸塩水和物 リスミー
塩酸リルマザホン(GE)
なし ベンゾジアゼピン系
(短時間睡眠薬)
トリクロホスナトリウム トリクロリール なし 非バルビツール酸系
(超短時間睡眠薬)
ブロモバレリル尿素 ブロモバレリル尿素 なし 非バルビツール酸系
(中間型睡眠薬)
抱水クロラール エスクレ なし 非バルビツール酸系
(抗てんかん)
ラメルテオン ロゼレム なし メラトニン受容体作動薬
(日内リズム是正)
スボレキサント ベルソムラ なし オレキシン受容体拮抗薬
(睡眠薬)
レンボレキサント デエビゴ なし
ダリドレキサント クービビック -
ボルノレキサント - -

ベルソムラとデエビゴの違い

ベルソムラ デエビゴ
用法 成人:20mg、高齢者:15mg 5㎎~10㎎
半錠、粉砕 ×(光・湿度でひび割れ)
一包化 △(30日後含量低下はないが硬度低下、質量増加、崩壊性・溶出性変化)
併用禁忌 CYP3A4(クラリス、ゾコーバ等) なしだがCYP3A4に注意は必要
禁忌疾患 なし 重度の肝障害
食事の影響 食後は血中濃度低下 食後は血中濃度低下
OX受容体親和性※1 OX1>OX2 OX1<OX2
悪夢の副作用 1.2% 1.4%

※1 オレキシン1(OX1)受容体はレム睡眠を抑制、オレキシン2(OX2)受容体はノンレム睡眠を抑制するため、ベルソムラはレム睡眠を活性化しやすく、デエビゴはノンレム睡眠を活性化しやすい。レム睡眠は夢、すなわち悪夢に通じているため、ベルソムラの方が悪夢の副作用が多くなりやすいはずだが、実際の副作用発現率はどちらもそれほど変わらない。

参考:薬局における向精神薬取扱いの手引、ENIFニュースVol23.2014、調剤と情報2024.5

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記事No2513 題名:Re:まろ様 投稿者:管理人tera 投稿日:2023-05-29 10:00:39

情報ありがとうございます。
また抜けありましたら教えていただけたら幸いです。


記事No2512 題名:レスタス 投稿者:まろ 投稿日:2023-05-28 08:36:22

レスタスですが、販売中止(実質、販売終了)のようです


記事No2302 題名:Re:カバ様 投稿者:管理人tera 投稿日:2022-09-18 21:28:37

はじめまして。
一般的には、生涯1度しかという制限はなく、3か月服薬したら、最低3か月の休薬期間を設けるというのが普通のようです。


記事No2300 題名:サノレックスについて 投稿者:カバ 投稿日:2022-09-17 00:56:24

いつも拝見させて戴いております。
サノレックスについて、生涯に1度しか飲めない薬という説明を聞いたことがあるのですが、そのような規制はあるのでしょうか。
保険適応の問題なのか、もしご存知であれば教えていただきたいです。


記事No411 題名:RE:ルネスタ 投稿者:伊藤大地 投稿日:2017-02-06 13:02:45

失礼いたしました、誤った情報のようです。
ルネスタは今回向精神薬にはならなかったのですね。


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