目次
- 処方箋の交付等に関連する法令の規定(厚生労働省)
- 処方箋の様式について(保険医療機関及び保険医療養担当規則等の一部改正に伴う実施上の留意事項について)
- 一般名処方マスタ
処方箋の記載事項(一般名処方)
処方箋への記載事項
- 分割指示:患者の病状が安定しているが服薬管理が難しい場合には、処方箋の備考欄に分割日数及び分割回数を記載(例:分割日数30日、分割回数3回)
- 湿布薬:疾患の特性等により必要性があると判断し、やむを得ず70枚を超えて投薬する場合には、その理由を記載。→理由がない場合疑義照会
投薬全量のほか、1日分の用量又は何日分に相当するかを処方箋及び診療報酬明細書に記載(例:両膝変形関節症、両肩関節周囲炎のため) - 後発医薬品:処方時に後発医薬品の銘柄を記載したうえで変更不可とする場合には、処方箋にその理由を記載する。(例:後発医薬品の銘柄記載・変更不可の理由)
長期収載品の処方等又は調剤について
第1 処方箋様式に関する事項
1 改正の趣旨
- (1) 令和6年10月1日より、長期収載品(後発医薬品のある先発医薬品(昭和42年9月30日以前の薬事法(現行の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号))の規定による製造の承認がされた医薬品であって、価格差のある後発医薬品があるもの(いわゆる「準先発品」)を含む。)をいう。以下同じ。)の処方等又は調剤について、選定療養の仕組みを導入とすることとされたところ。
これに伴い、医療上の必要性があって処方していること又は患者の希望を踏まえ処方していることが処方箋において明確になるよう、処方箋様式の改正を行うこととしたこと。 - (2) 具体的には、次に掲げる改正を行うこととしたこと。
- ① 「変更不可」欄に「(医療上必要)」を追加し、処方を行う保険医(以下「処方医」という。)が、処方箋に記載した医薬品(長期収載品)について、医療上の必要性があるため、後発医薬品に変更することに差し支えがあると判断した場合に、「変更不可(医療上必要)」欄に「レ」又は「×」を医薬品ごとに記載し、かつ、「保険医署名」欄に署名又は記名・押印することとしたこと。
- ② 「患者希望」欄を新設し、患者の希望を踏まえ、長期収載品を銘柄名処方する場合には、「患者希望」欄に「レ」又は「×」を医薬品ごとに記載することとしたこと。
2 長期収載品の処方箋の交付等に係る基本的な考え方について
- (1) 長期収載品について、処方箋が交付され、保険薬局において調剤される場合について、医療上必要があると認められる場合及び後発医薬品の在庫状況等を踏まえ後発医薬品を提供することが困難な場合は、引き続き保険給付としつつ、それ以外の場合に患者が長期収載品を希望する場合は、選定療養の対象とし、保険給付は、長期収載品の薬価と後発医薬品の最高価格帯の価格差の4分の3までとすることとしたこと。
長期収載品の処方等又は調剤の選定療養について、対象品目の要件や運用等に係る詳細については、「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について」の第3の30によるものであること。 - (2) 処方医は、選定療養に係る処方に当たり、後発医薬品が選択可能であること、長期収載品を患者が希望した場合には特別の料金が生じ得ること等に関し、患者に十分な説明を行うこと。また、保険薬局の薬剤師も、調剤時に同様の事項を説明し、患者の希望を確認すること。
3 長期収載品を銘柄名処方する場合における取扱について
- (1) 銘柄名処方をされた長期収載品であって、「変更不可(医療上必要)」欄に「レ」又は「×」が記載されたものは、保険給付の対象となること。 また、「変更不可(医療上必要)」欄に「レ」又は「×」を記載した場合においては、「患者希望」欄には「レ」又は「×」は記載しないこと。
- (2) 患者の希望を踏まえ銘柄名処方され、「患者希望」欄に「レ」又は「×」を記載された長期収載品については、選定療養の対象となること。
- (3) 銘柄名処方された長期収載品であって、「変更不可(医療上必要)」欄及び「患者希望」欄のいずれにも「レ」又は「×」が記載されない場合には、保険薬局における調剤の段階で後発医薬品を調剤することができる一方で、患者が長期収載品を希望すれば選定療養の対象となること。
- (4) (1)から(3)までを踏まえ、保険薬局においては、処方箋に記載のある「変更不可(医療上必要)」欄又は「患者希望」欄の「レ」又は「×」の記載の有無に基づき、長期収載品を調剤した場合に選定療養の対象となるか否か判断すること。 ただし、保険薬局において、次の場合において、次のような判断をすることは差し支えないこと。なお、これらの場合において、患者に対して調剤する薬剤を変更すること等を説明の上、同意を得ること。
- 後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、当該保険薬局において後発医薬品の提供が困難であり、長期収載品を調剤せざるを得ない場合には、患者が希望して長期収載品を選択したことにはならないため、保険給付とすること。
- 処方の段階では後発医薬品も使用可能としていたが、保険薬局の薬剤師において、患者が服用しにくい剤形である、長期収載品と後発医薬品で効能・効果等の差異がある等、後発医薬品では適切な服用等が困難であり、長期収載品を服用すべきと判断した場合には、医療上必要がある場合に該当し、保険給付とすることも想定されること。
- 処方箋において「患者希望」欄に「レ」又は「×」の記載がされていたが、調剤時に選定療養について説明した結果、患者が後発医薬品を希望した場合に、後発医薬品を調剤し、保険給付とすること。
- (5) なお、医療上の必要性の観点からは処方医が後発医薬品を使用することに差し支えがないと判断し、長期収載品について患者の希望がない場合には、一般名処方がされることが望ましい。
4 一般名処方する場合における取扱について
- (1) 一般名処方の場合には、「変更不可(医療上必要)」欄及び「患者希望」欄のいずれにも、「レ」又は「×」を記載しないこと。
- (2) 一般名処方の処方箋を保険薬局に持参した患者が長期収載品を希望した場合には、選定療養の対象となること。
5 経過措置について
療担規則等改正省令の施行の際現にある改正前の保険医療機関及び保険医療養担当規則様式第2号による処方箋(以下「改正前処方箋」という。)については、当分の間、これを手書き等で修正することにより、使用することができるものであること。
改正前処方箋を使用する場合には、医療上の必要性があるため、後発医薬品に変更ができないと処方医が判断した場合には、「変更不可」欄に「レ」又は「×」を医薬品ごとに記載するとともに「医療上必要」の記載をし、かつ、「保険医署名」欄に署名又は記名・押印すること。また、患者の希望を踏まえ、長期収載品を銘柄名処方する場合には、処方薬の近傍に「患者希望」の記載をすること等により、医薬品ごとに、当該判断が保険薬局へ明確に伝わるようにすること。なお、銘柄名処方された長期収載品であって、「変更不可」欄に「レ」又は「×」が記載されておらず、また、「患者希望」の記載がない長期収載品の取扱いについては、3(4)のとおりとすること。
6 院内処方時の留意点について 長期収載品を院内処方する場合においても、医療上必要があると認められる場合及び後発医薬品を提供することが困難な場合は引き続き保険給付としつつ、それ以外の場合に患者が長期収載品を希望する場合は選定療養の対象とすること。
院内処方の場合においては、保険医療機関において、長期収載品に係る「特別の料金」を徴収することとなるため、「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について」に規定する要件等に留意すること。
第2 特別の料金の支払いについて
長期収載品を患者が選択したことにより患者が支払う特別の料金について、「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について」の第3の30の(8)に規定する額の支払いを受けるものとすること。
第3 その他
処方箋における長期収載品に関する記載方法については、「診療報酬請求書等の記載要領等について」(昭和51年8月7日保険発第82号)別紙2の第5「処方せんの記載上の注意事項」によるものであること。
保険医療機関及び保険医療養担当規則の一部を改正する省令
第二十条(診療の具体的方針)
医師である保険医の診療の具体的方針は、第十二条から前条までの規定によるほか、次に掲げるところによるものとする。
- 一~ニ 略
- 三 投薬
- イ 投薬は、必要があると認められる場合に行う。
- ロ 治療上一剤で足りる場合には一剤を投与し、必要があると認められる場合に二剤以上を投与する。
- ハ 同一の投薬は、みだりに反復せず、症状の経過に応じて投薬の内容を変更する等の考慮をしなければならない。
- ニ 投薬を行うに当たつては、薬事法第十四条の四第一項各号に掲げる医薬品(以下「新医薬品等」という。)とその有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一性を有する医薬品として、同法第十四条の規定による製造販売の承認(以下「承認」という。)がなされたもの(ただし、同法第十四条の四第一項第二号に掲げる医薬品並びに新医薬品等に係る承認を受けている者が、当該承認に係る医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一であつてその形状、有効成分の含量又は有効成分以外の成分若しくはその含量が異なる医薬品に係る承認を受けている場合における当該医薬品を除く。)(以下「後発医薬品」という。)の使用を考慮するよう努めなければならない。
- ホ 栄養、安静、運動、日常生活その他療養上の指導を行うことにより、治療の効果をあげることができると認められる場合は、これらの指導を行い、みだりに投薬を行つてはならない。
- ヘ 投薬量は、予見することができる必要期間に従ったものでなければならない。この場合において、別に厚生労働大臣が定める内服薬及び外用薬については当該別に厚生労働大臣が定める内服薬及び外用薬ごとに一回十四日分、三十日分又は九十日分を限度とする。
- ト 注射薬は、患者に療養上必要な事項について適切な注意及び指導を行い、別に厚生労働大臣の定める注射薬に限り投与することができることとし、その投与量は、症状の経過に応じたものでなければならず、別に厚生労働大臣が定めるものについては当該別に厚生労働大臣が定めるものごとに一回十四日分、三十日分又は九十日分を限度とする
- 四 処方箋の交付
- イ 処方箋の使用期間は、交付の日を含めて四日以内とする。ただし、長期の旅行等特殊の事情があると認められる場合は、この限りでない。
- ロ イの規定にかかわらず、リフィル処方箋(保険医が診療に基づき、別に厚生労働大臣が定める医薬品以外の医薬品を処方する場合に限り、複数回(三回までに限る。)の使用を認めた処方箋をいう。以下同じ。)の二回目以降の使用期間は、直近の当該リフィル処方箋の使用による前号ヘの必要期間が終了する日の前後七日以内とする。
- ハ 施設入所者に対しては、別に厚生労働大臣が定める場合を除き、健康保険法第六十三条第三項第一号に規定する保険薬局(以下「保険薬局」という。)における薬剤又は治療材料の支給を目的とする処方箋を交付してはならない。
- ニ イからハまでによるほか、処方箋の交付に関しては、前号に定める投薬の例による。ただし、当該処方箋がリフィル処方箋である場合における同号の規定の適用については、同号ヘ中「投薬量」とあるのは、「リフィル処方箋の一回の使用による投薬量及び当該リフィル処方箋の複数回の使用による合計の投薬量」とし、同号ヘ後段の規定は、適用しない。
- 五~八 略
第二十三条(処方箋の交付)
保険医は、処方箋を交付する場合には、健康保険の例により、処方箋に必要な事項を記載しなければならない。
2 保険医は、リフィル処方箋を交付する場合には、健康保険の例により、処方箋にその旨及び当該リフィル処方箋の使用回数の上限を記載しなければならない。
3 保険医は、その交付した処方箋に関し、保険薬剤師から疑義の照会があつた場合には、これに適切に対応しなければならない。
「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について
第 10 の2 リフィル処方箋に係る厚生労働大臣が定める医薬品(掲示事項等告示第 10 の2関係)療担規則第 20 条第3号ロ及び療担基準第 20 条第4号ロに規定するリフィル処方箋により処方することができない医薬品として、第 10 の4の①から③までに掲げる投薬期間に上限が設けられている医薬品及び湿布薬(貼付剤のうち、薬効分類上の鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤(専ら皮膚疾患に用いるものを除く。)をいう。)を定めたものであること。
そのほか、リフィル処方箋による調剤については別ページ(リフィル処方箋の調剤)参照
処方箋の記載上の注意事項「診療報酬請求書等の記載要領等について」の一部改正について)
1 「患者」欄について
- (1)氏名
投薬を受けるものの姓名を記載すること - (2)生年月日
投薬を受ける者が6歳に満たない場合は、その生年月日を記載し、その他のものについては年のみの記載で差し指し支えないこと - (3)男・女
投薬を受けるものの性別について該当するものを○で囲むこと - (4)区分
該当するものを○で囲むこと
2 「保険医療機関の所在地及び名称」欄について
保険医療機関指定申請の際等に地方厚生(支)局長に届け出た所在地及び名称を記載すること。
3 「電話番号」欄について
保険医療機関の電話番号を記載することを原則とするが、必要のない場合は記載を省略しても差し支えないこと
4 「保険医氏名印」欄について
処方箋を発行した保険医(以下「処方医」という。)が署名するか、又は処方医の姓名を記載し、押印すること
4の2 「都道府県番号」、「点数表番号」及び「医療機関コード」欄について
「都道府県番号」欄には、保険医療機関の所在する都道府県番号2桁(診療報酬明細書に記載する都道府県番号と同様の番号)を記載すること。「点数表番号」欄には、医科は1を、歯科は3を記載すること。「医療機関コード」欄には、それぞれの医療機関について定められた医療機関コード7桁(診療報酬明細書に記載する医療機関コードと同様の番号)を記載すること。また、健康保険法第63条第3項第2号及び第3号に規定する医療機関については、「医療機関コード」欄に「9999999」の7桁を記載すること。
5 「交付年月日」欄について
患者に処方箋を交付した年月日を記載すること
6 「処方箋の使用期間」欄について
- (1)交付の日を含めて4日以内の場合は、記載する必要がないこと
- (2)患者の長期の旅行等特殊の事情があると認められる場合に、交付の日を含めて3日以内又は交付の日を含めて4日を超えた日より調剤を受ける必要がある場合には、年月日を記載すること。この場合において、当該処方箋は当該年月日の当日まで有効であること。
- (3)様式第二号の二に基づく処方箋(以下「分割指示に係る処方箋」という。)の場合は、分割の1回目に係る使用期限を記載することとし、当該使用期限が交付の日を含めて4日以内の場合は、記載する必要がないこと。
例えば、薬局に始めてきた患者で、処方日は一週間前で、東京の医療機関。処方医療機関(東京)に電話した所、今回は有効期間を延長したことで良いとの回答だったとしても、不可である。(群馬県 Drug Information no.144 2013.5)
つまり、処方箋の使用期間延長は、処方箋の備考欄に特殊な事情が記載されている時に限るということ。
7 「処方」欄について
投薬すべき医薬品名、分量、用法及び用量を記載し、余白がある場合には、斜線などにより余白である旨を表示すること
- (1)医薬品名は、一般的名称に剤形及び含量を付加した記載(以下「一般名処方」という。)又は薬価基準に記載されている名称による記載とすること。なお、可能な限り一般名処方を考慮することとし、一般名処方の場合には、会社名(屋号)を付加しないこと。
なお、薬価基準に記載されている名称を用いる場合、当該医薬品が、薬価基準上、2以上の規格単位がある場合には、当該規格単位を併せて記載すること。
また、保険医療機関と保険薬局との間で約束されたいわゆる約束処方による医薬品名の省略、記号等による記載は認められないものであること。 - (2) 分量は、内服薬については1日分量、内服用滴剤、注射薬及び外用薬については投与総量、屯服薬については1回分量を記載すること。
- (3)用法及び用量は、1回当たりの服用(使用)量、1日当たり服用(使用)回数及び服用(使用)時点(毎食後、毎食前、就寝前、疼痛時、○○時間毎等)、投与日数(回数)並びに服用(使用)に際しての留意事項等を記載すること。特に
湿布薬鎮痛・消炎に係る効能・効果を有する貼付剤(麻薬若しくは向精神薬であるもの又は専ら皮膚疾患に用いるものを除く。)については、1回当たりの使用量及び1日当たりの使用回数 、又は投与日数を必ず記載すること。
なお、分割指示に係る処方箋を交付する場合は、分割した回数ごとにそれぞれ調剤すべき投与日数(回数)を記載し、当該分割指示に係る処方箋における総投与日数(回数)を付記すること。 - (4) 特定保険医療材料(自己注射に用いる自己注射用ディスポーザブル注射器(針を含む。)、万年筆型注入器用注射針又は「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)」(平成20年3月厚生労働省告示第61号)の別表のⅠに規定されている特定保険医療材料)を保険薬局より支給させる場合は名称及びセット数等を記載すること。。
- (5)処方医が処方箋に記載した医薬品の一部又はすべてについて後発医薬品への変更に差し支えがあると判断したときには、「備考」欄中の「保険医署名」欄に署名等を行うとともに、差し支えがあると判断した医薬品ごとに「変更不可」欄に「レ」又は「×」を記載し、患者及び処方箋に基づき調剤を行う保険薬局の保険薬剤師のいずれに対しても変更不可であることが明確に分かるように記載すること。なお、一般名処方の趣旨からして、一般名処方に対して「変更不可」欄に「レ」又は「×」が記載されることはあり得ないものであること。
- (6) 処方医が処方箋に記載した医薬品のうち(5)に基づいて「変更不可」欄に「レ」又は「×」を記載していないもののうち、当該医薬品と含量規格が異なる後発医薬品又は類似する別剤形(※)の後発医薬品への変更に差し支えがあると判断したときには、「備考」欄中の「保険医署名」欄に署名等を行うとともに、当該医薬品の銘柄名の近傍に「含量規格変更不可」又は「剤形変更不可」と記載するなど、患者及び処方箋に基づき調剤を行う保険薬局の保険薬剤師のいずれに対しても含量規格変更不可又は剤形変更不可であることが明確に分かるように記載すること。
※ 類似する別剤形の医薬品とは、内服薬であって、次の各号に掲げる分類の範囲内の他の医薬品をいう。- ア 錠剤(普通錠)、錠剤(口腔内崩壊錠)、カプセル剤、丸剤
- イ 散剤、顆粒剤、細粒剤、末剤、ドライシロップ剤(内服用固形剤として調剤する場合に限る。)
- ウ 液剤、シロップ剤、ドライシロップ剤(内服用液剤として調剤する場合に限る。)
- (7) 患者の希望を踏まえ、長期収載品を銘柄名処方する場合には、「患者希望」欄に「レ」又は「×」を記載すること。
- (8) リフィル処方を行う場合には、「処方」欄の「リフィル可」欄に「レ」を記載するとともに、総使用回数(上限3回)を記載すること。なお、「処方」欄には、リフィル処方箋1回の使用による投与日数(回数)等を記載すること。
- (9) 外用薬をリフィル処方する場合について、1回当たりの使用量及び1日当たりの使用回数を記載した場合であっても、必ず投与日数を記入すること。
- (10) なお、内服薬の処方箋への記載に当たっては、「内服薬処方箋の記載方法の在り方に関する検討会報告書の公表について」(平成22年1月29日付医政発0129第3号薬食発0129第5号)も参考にされたい。
8 「備考」欄について
- (1) 保険薬局が調剤を行うに当たって留意すべき事項などを記載すること
- (2) 麻薬を処方する場合には、麻薬取締法27条に規定する事項のうち、患者の住所及び麻薬施用者の免許証の番号を記載すること
- (3) 長期の旅行など特殊の事情がある場合において、必要があると認め、必要最小限の範囲において、投薬量が1日14日分を限度とされる内服薬及び外用薬であって14日を超えて投与した場合は、その理由を記載すること
- (4) 未就学者である患者の場合は「6歳」と、高齢受給者又は後期高齢者医療受給対象者であって一般・低所得者の患者の場合は「高一」と、高齢受給者又は後期高齢者医療受給対象者であって7割給付の患者の場合は「高7」と記載すること。 なお、後期高齢者医療受給対象者であって一般・低所得者の患者については、令和4年10 月1日以降、8割給付の患者の場合は「高8」、9割給付の患者の場合は「高9」と記載すること。
- (5) 処方医が、処方箋に記載した医薬品について後発医薬品に変更することに差し支えがあると判断した場合は、差し支えがあると判断した医薬品ごとに、「処方」欄中の「変更不可」欄に「レ」又は「×」を記載するとともに、「保険医署名」欄に署名又は記名・押印すること。 なお 、後発医薬品を処方する際に、「変更不可」欄に「レ」又は「×」を記載する場合においては、その理由を記載すること。また、電子処方箋を発行する際は、「薬品補足レコード」内の「薬品補足情報」欄に、後発品変更不可の理由を記載した場合は、「備考」欄の記載は省略しても差し支えない。
- (6) 入院中の患者以外の患者に対する処方について、患者の服薬管理が困難である等の理由により、保険薬局に分割調剤を指示する場合には、分割の回数及び当該分割ごとの調剤日数を記載すること。
なお、この場合において、保険薬局に指示しておくベき事項等があれば具体的に記載すること。 - (7) 1処方につき63枚を超えて
湿布薬鎮痛・消炎に係る効能・効果を有する貼付剤(麻薬若しくは向精神薬であるもの又は専ら皮膚疾患に用いるものを除く。)を投与する場合は、当該湿布薬貼付剤の投与が必要であると判断した趣旨を記載すること。 - (8) 保険薬局が調剤時に患者の残薬を確認した際に、当該保険薬局に対して、「保険医療機関へ疑義照会をした上で調剤」すること又は「保険医療機関へ情報提供」することを指示する場合には、該当するチェック欄に「レ」又は「×」を記載すること。
- (9) 地域包括診療加算若しくは認知症地域包括診療加算又は地域包括診療料若しくは認知症地域包括診療料を算定している患者について、保険薬局に対してその旨を情報提供するに当たって、処方箋への書面の添付によらない場合には、当該加算を算定している旨を本欄に記載すること。
- (10) 情報通信機器を用いた診療の実施に伴い処方箋を発行する場合については、「情報通信」と記載すること。
医科レセプトの作成にあたっては、ニコチン依存症管理料を算定する禁煙治療を行っている患者が何らかの理由により入院治療を要することになった場合の取扱として、摘要欄に「外来においてニコチン依存症管理料を算定する患者に対し、禁煙治療を継続するために処方した」と記載することになっている。
調剤レセプトについては、摘要欄に何らかのコメントを記載することは求められていない。(H26保険調剤Q&A Q202)
9 「分割指示に係る処方箋」について
- (1) 分割指示に係る処方箋を発行する場合は、分割の回数及び何回目に相当するかを右上の所要欄に記載すること。
- (2) 別紙の発行保険医療機関情報には、保険医療機関の保険薬局からの連絡先を記載すること。その他の連絡先として、必要に応じ、担当部署の電子メールのアドレスなどを記載すること。
10 その他
薬剤師は、調剤したときは、その処方箋に以下の事項を記載すること
- (1) 「調剤済み年月日」欄について
処方箋が調剤済みとなった場合の年月日を記載すること。その調剤によって、当該処方箋が調剤済みとならなかった場合は、調剤年月日及び調剤量を処方箋に記載すること - (2) 「保険薬局の所在地及び名称」欄について
保険薬局指定申請の際等に地方社会保険事務局長に届け出た所在地及び名称を記載すること - (3) 「保険薬剤師氏名印」欄について
調剤を行った保険薬剤師が署名するか又は保険薬剤師の姓名を記載し、押印すること - (4) その他次の事項を「備考」欄又は「処方」欄に記入すること
- ア 処方箋を交付した医師又は歯科医師の同意を得て処方箋に記載された医薬品変更して調剤した場合には、その変更内容
- イ 医師又は歯科医師に照会を行った場合には、その回答の内容
- (5) 分割指示に係る処方箋に基づき調剤した場合は、別紙の「受付保険薬局情報」欄に保険薬局の所在地、名称、保険薬剤氏名及び調剤年月日を記入すること。別紙の余白を用いて調剤量等の必要な情報を記載するのは差し支えないこと。
- (6) 「処方」欄の「リフィル可」欄に「レ」が記載されている処方箋(以下「リフィル処方箋」という。)に基づき調剤した場合は、「調剤実施回数」欄に調剤回数に応じて、該当するチェック欄に「レ」又は「×」を記載するとともに、調剤日及び次回調剤予定日を記載すること。
- (7) 保険薬局においてリフィル処方箋による調剤を行い、当該薬局において調剤済みとならない場合は、リフィル処方箋に薬剤師法(昭和35 年法律第146 号)第26 条に規定する事項及び次回調剤予定日等の必要な事項を記入し、当該リフィル処方箋の写しを調剤録と共に保管すること。
※処方箋の「調剤済年月日」欄に記入すれば、調剤済みの記載は不要です(調剤済みの旨と解釈される)。
「記名押印」とは、記名(プリンタやスタンプでもOK)と押印の2つが必要の意味。署名は自筆でのサインを意味する。
処方箋への保険薬剤師の記名の取扱いについて
保険薬局において調剤した保険薬剤師は、調剤済みである旨及び調剤した保険薬剤師の氏名が入ったスタンプを処方箋に押した場合は、調剤した保険薬剤師の氏名の記名を行ったものとして取扱い、この記名を別途しなくても差し支えない。
ただし、処方箋中に保険薬剤師氏名の記入欄があり、この記入欄への記名に代えて上記のスタンプを利用する場合は、この記入欄の近くにスタンプを押すなど、調剤した保険薬剤師が容易に分かるようにすること。
また、保険薬剤師の氏名の記名に代えて上記のスタンプを利用する場合であっても、調剤した保険薬剤師による押印は省略できない。
別表Ⅰ(備考欄について)
一般名処方が行われた医薬品について後発医薬品を調剤しなかった場合)
その理由について、「患者の意向」、「保険薬局の備蓄」、「後発医薬品なし」又は「その他」から最も当てはまる理由をひとつ記載すること。
- 820100373 後発医薬品を調剤しなかった理由:患者の意向
- 820100374 後発医薬品を調剤しなかった理由:保険薬局の備蓄
- 820100375 後発医薬品を調剤しなかった理由:後発医薬品なし
- 820100376 後発医薬品を調剤しなかった理由:その他
(長期収載品について、選定療養の対象とはせずに、保険給付する場合)
理由を記載すること。
※記載は制度が施行となる令和6年10月からとする。
長期の旅行等特殊の事情がある場合において、必要があると認められ、投薬量が1回14日分を限度とされる内服薬及び外用薬であって14日を超えて投与された場合は、処方箋の備考欄に記載されている長期投与の理由について、「海外への渡航」、「年末・年始又は連休」又は「その他」からもっとも当てはまるものをひとつ記載すること。「その他」を選択した場合は具体的な理由を記載すること。
- 820100795 長期投与の理由:海外への渡航(年末・年始又は連休に該当するものは除く。)
- 820100796 長期投与の理由:年末・年始又は連休
- 830100453 長期投与の理由:その他理由;********
63枚を超えて湿布薬が処方されている処方箋に基づき調剤を行った場合は、処方医が当該湿布薬の投与が必要であると判断した趣旨について、処方箋の記載により確認した旨又は疑義照会により確認した旨を記載すること。
- 820100377 処方箋記載により確認
- 820100378 疑義照会により確認
保険者番号、公費負担者番号、公費負担医療の受給者番号並びに医療機関コード及び薬局コード設定要領
保険者番号、公費負担者番号、公費負担医療の受給者番号、医療機関コード、薬局コード、都道府県番号については、別ファイル参照。
「処方」欄の不適切な処方の具体例
- 用法及び用量の記載がない。(外用剤は1回○枚を記入する。Drに確認できないときは患者に確認して記入
- 記載が不適切(医師の指示通り、必要時等の記載
- 約束処方による医薬品名の省略や記号等による記載
- 処方箋の規格がA5であるのにA4になっている
- アダラートCRの1日2回投与(用法)・・・1日1回
- アダラートCR(狭心症)80mg/day・・・最大1日60mg
- 漢方エキス剤の食後投与(用法)・・・食間、食前
- プルゼニド12mg5錠/day・・・1日4錠投与まで
- ザンタック錠の朝夕食後投与(用法)・・・朝食後、就寝前
- ユニフィル錠の就寝前投与(用法)・・・夕食後(空腹時服用は血中濃度低下)
- レンドルミン錠を不眠症に対し1回2錠(用量)・・・通常1回1錠
- マイスリー錠を統合失調症の患者に投与(統合失調症および躁鬱病に伴う不眠症は除く)
- プロマックを味覚障害の患者に投与
- ビオフェルミンRを抗生物質投与中以外の患者に投与。(ニューキノロン系抗生剤は不可)
- PPIとH2ブロッカーの投与
- 異なる医師による湿布薬の複数処方
- アレグラとゼスラン等(第二世代抗アレルギー剤の併用)
- 短時間型睡眠剤の2剤投与(短時間+中間とかはOKだが、超短時間+短時間は不可)
- 3種以上の睡眠薬は臨床上必要と認められるもののみ(ロヒプノール+リスミー+レンドルミン)
- 消化性潰瘍が疑われる患者に対して投与されているバイアスピリン、PL、ロキソニン等。(全ての規格でなく、 ガスターなら40、タケプロンなら30、最高用量のみ)
- 肝機能障害の患者にリピトール、ユリノームの投与
- うっ血性心不全が疑われる患者に対して投与されているリスモダン、サンリズム、メトグルコ、ワーファリン、プレタール、アクトス、テノーミン他
- 緑内障が疑われる患者に対して投与されているPL顆粒、ポラキス錠、アーテン錠、シグマート、デパス、レンドルミン、アナフラニール、ポララミン
- 前立腺肥大が疑われる患者に対して投与されている抗コリン剤
- ハルシオン錠の高齢者への0.5mg/日投与
- 漠然と長期(6ヶ月)にわたり処方されている医薬品(メチコバール、ハイシー、アリナミン、ビタメジン、ノイロトロピン、フラビタン、ピドキサール、
- キネダック、サアミオン、セロクラール、ケタス等の効果確認をしない12週投与
- パリエット、タケプロンの6or8週の漠然投与
- アクアチムローションの4wを超える投与
- 投与後6週間までに効果の確認をしていないオキサロール軟膏
- メバロチン+ベザフィブラート。HMG-CoA阻害薬とフィブラート系を併用する場合、治療上やむを得ないと判断される場合のみ併用することとし、原則禁忌。
処方箋の受付、処方箋内容の伝送方法について
処方箋の受付回数と集中率を参照
Q&A
Q&A(H28年調剤報酬改定)・・・医科部分
(答)算定可能である。
一般名処方加算は、一般的名称による処方箋を交付した場合に限り算定できるものであり、医師が個別の銘柄にこだわらずに処方を行っていることを評価した点数である。したがって、この場合に併記される銘柄名は、処方薬に係る参考情報であることから、個別銘柄の指定と誤解されることのないよう、備考欄などに記載することが望ましい。
Q&A(H24年調剤報酬改定)・・・医科部分
(答) そのとおり。ただし、後発医薬品のある先発医薬品及び先発医薬品に準じたものについて一般名処方した場合に限り算定できる。従って、後発医薬品の存在しない漢方、後発医薬品のみ存在する薬剤等について一般名処方した場合は算定できない。
(答) 算定できない。
(答) 処方箋への一般名処方による記載については、一般的名称に剤形及び含量を付加することを原則としているところであるが、配合剤も含め、一般名処 方の加算対象となる成分・規格についての標準的な記載方法を全て網羅した一般名処方マスタを整備・公表している。一般名処方を行うに当たっては、標準的な記載方法である別添の一般名処方マスタを用いることが望ましい。なお、一般名処方マスタについては、、後発医薬品の薬価収載にあわせて順次更新する予定としている。
(答) 処方した薬剤が先発医薬品であるか、後発医薬品であるかにかかわらず、一般名処方に係る処方薬について調剤を行ったときは、実際に調剤した薬剤の銘柄等について、当該調剤に係る処方箋を発行した保険医療機関に情報提供することになっている。ただし、当該保険医療機関との間で、調剤した薬剤の銘柄等に係る情報提供の要否、方法、頻度等に関してあらかじめ合意が得られている場合は、当該合意に基づいた方法等により情報提供を行うことで差し支えない。
(答) 一部改正省令の施行の際現にある改正前の処方箋については、平成24 年4月1日から同年9月30 日までの間、これを手書き等で修正することにより、使用することができるものであること。この場合にあっては、医薬品ごとに、変更の可否に関する判断が保険薬局へ明確に伝わるようにすること。
(答) 患者と相談の上、当該薬局で備蓄している後発医薬品の中から選択することで差し支えない。
(答) 必要となる。ただし、当該医療機関との間であらかじめ合意が得られている場合には、当該合意に基づく方法で情報提供することで差し支えない。
(答) よい。
(答) 厚生労働省のホームページに掲載されている一般名処方マスタは、一般名処方の加算対象となる成分・規格を全て網羅した形で整備・公表されているところであり、今後、後発医薬品の薬価収載にあわせて順次更新していく予定である。
(答) 一般名処方加算については、後発医薬品のある先発医薬品について一般名処方した場合に算定できるとしており、この場合の「先発医薬品」とは、昭和42年以後に新薬として承認・薬価収載されたものを基本としているところであるが、昭和42年以前に承認・薬価収載された医薬品のうち、価格差のある後発医薬品があるものについては、「先発医薬品に準じたもの」とみなせることから、これらについても一般名処方加算を算定できることとする。なお、一般名処方マスタの対象範囲の拡充にあたり、保険医療機関・保険薬局では準備・対応に一般的に数ヶ月程度を要するものと承知しているが、円滑な実施のため、「先発医薬品に準じたもの」も含め、一般名処方の加算対象となる成分・規格を全て網羅した一般名処方マスタが整備・公表されている。
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記事No1874 題名:メトホルミンの一般名について 投稿者:理子 投稿日:2022-01-13 10:44:46
メトホルミンの一般名にGLまたはMTとありますが、違いはなんでしょうか?
記事No1754 題名:Re:ぽんたまる様 投稿者:管理人tera 投稿日:2021-08-07 13:04:05
まず初めに1月に70枚ルールはありません。
1処方ですので2枚受け付けてそれぞれ70枚を超えていなければ問題ないと思います。
この文は医科の診療鳳雛点数表の項目なので、クリニック側が条件を満たしていれば問題ないはずです。
記事No1753 題名:湿布の処方枚数制限について 投稿者:ぽんたまる 投稿日:2021-08-06 16:09:22
1処方につき70枚を超えて湿布薬を投与する場合は、当該湿布薬の投与が必要であると判断した趣旨を記載することとありますが、1月に70枚までといったルールはありますか?2枚処方箋受付して、それぞれの病院から70枚ずつ湿布の処方があった場合、そのまま渡しても良いのでしょうか?
記事No1557 題名:後発品、先発品への変更調剤について 投稿者:たまご 投稿日:2020-12-02 19:31:52
管理人様
早速のご返答ありがとうございます。
迷っていた事を教えていただきまして、安心いたしました。ご回答いただきまして、本当にどうもありがとうございました。更にじっくり拝見させていただき、勉強いたします。
重ねてではございますが、この度はどうもありがとうございました。
記事No1555 題名:Re:たまご様 投稿者:管理人tera 投稿日:2020-12-02 11:41:02
はじめまして。
後発品や先発品への変更調剤については別ページを参照いただけたらと思います。
https://kanri.nkdesk.com/chouzai/chouzai7.php
よろしくお願いいたします。