フィブラート系

フィブラート系の作用機序

核内受容体の1つであるペルオキシソーム増殖剤応答性レセプター(PPAR) の中の脂肪の酸化などに関与するPPARα型がフィブラート系により活性化される。

αが活性化されると脂肪酸 のβ酸化が進み、TG、VLDLの合成を低下させる。

また血管内皮のリポタンパクリパーゼ(LPL)活性を亢進する。

HDLの構成タンパク質であるアポA-ⅠやアポA-Ⅱの転写を促進して、HDLコレステロールの増加にも寄与する。

これらの作用とは独立して、血管平滑筋増殖抑制作用、フィブリノーゲンやCRP抑制に反映される抗炎症作用なども、フィブラートの抗動脈硬化作用を 担っている。

フィブラート系の薬の種類

  • ビノグラック(クロフィブラート「ツルハラ」)・・・Ⅱb、Ⅲ、Ⅳ型高脂血症によく反応。1日2~3回
  • リポクリン(クリノフィブラート)・・・VLDL、LDLを低下、HDLを増加1日3回
  • ベザトール、ベザリップ(ベザフィブラート)・・・透析患者など腎障害に注意する。総コレステロール、TGを低下。1日2回
  • リピディル、トライコア(フェノフィブラート)・・・核内受容体PPARαを活性化し、血中コレステロールとトリグリセリドを低下。肝障害と腎障害に注意。1日1回。尿酸排泄促進作用もあり。
  • パルモディア(ペマフィブラート)・・・SPPARMα(選択的PPARαモジュレータ)と呼ばれ厳密にはフィブラート系とは区別される。PPARαの標的遺伝子の発現を選択的に調節してVLDL、レムナントを低下させ、LDLの粒子を大型化し、HDLコレステロールを上昇させる。小型のLDL(sdLDL)は血管壁に付着しやすくプラーク形成の原因となる。
    パルモディアXR・・・マルチプルユニットの徐放性製剤で1日1回投与。効果が普通錠のもの2回と比べるとやや弱い。

副作用としては、肝障害とミオパシーが重要であり、特にフェノフィブラートでは肝障害の発現頻度が高率で約25%に達する。

しかし、一過性のことが多く、投与を継続中に自然軽快することが多い。

横紋筋融解症は腎機能が低下した症例に発症しやすく、ベザフィブラートでは血清クレアチニン値は2.0mg/dl以上、フェノフィブラートではは血清クレアチニン値は2.5mg/dl以上の症例には投与禁忌となっている。

また、ワルファリンの作用を増強し、リファンピシンとの併用で血中濃度が上昇するなどの相互作用がある。

高脂血症の薬の種類

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記事No790 題名:Re:通りすがりの薬剤師様 投稿者:管理人tera 投稿日:2018-12-02 20:30:52

ご指摘ありがとうございます。
早速修正させていただきました。
今後とも宜しくお願いいたします。


記事No787 題名:指摘 投稿者:通りがかりの薬剤師 投稿日:2018-11-30 18:06:23

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横紋筋融解症は腎機能が低下した症例に発症しやすく、ベザフィブラートとフェノフィブラートでは血清クレアチニン値は20mg/dl以上の症例には投与禁忌となっている。

血清クレアチニン2.5mg/dl以上で禁忌です。



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