低血糖とその対処法

分類 成分名 商品名 規格・剤形・補足
グルカゴン グルカゴン グルカゴンGノボ
グルカゴン「ILS」
注射用
バクスミー 点微粉末剤、1回使い切り

低血糖とは

低血糖とは、発汗や手指のふるえ・不安感などの不快な症状が突然現れることをいいます。

糖質の90%は脳で使われるということからも、低血糖になると、脳の働きが鈍くなり、めまいとして症状がでることもあります。

低血糖の症状

正常では、血糖値は常に70mg/dL以上に維持されており、低血糖は50~60mg/dL以下の状態をいう。

血糖値が80mg/dL付近まで低下すると膵からのインスリン分泌は減少し、70mg/dL付近まで低下してくるとインスリン拮抗ホルモンであるカテコールアミン、グルカゴン、コルチゾールなどが分泌され、血糖が低下しないように作用する。

この際、カテコールアミン分泌により動悸、冷汗、振戦、高度の空腹などの自律神経症状が出現し、脱力感、思考力の低下、錯乱などの中枢神経系症状は脳神経のブドウ糖の欠乏によって起こる。

血糖値が50mg/dLいかに低下すると、脳内のブドウ糖が枯渇し、頭痛、集中力の低下、カスミ目等の中枢神経症状がでる。

血糖値30mg/dL以下になると意識レベルが低下し、昏睡へと進行し、低体温、けいれんをきたす。昏睡に陥って4時間以上経過すると脳浮腫をきたし、死に至ったり、回復しても脳機能障害を残す可能性があるため、高血糖よりもむしろ危険である。

重症低血糖が起こった場合、心血管リスクが2.05倍に上がると言われる。→とにかく低血糖を起こさないようにすることが大切。SU剤は下を下げるのでA1cは下がるが、低血糖のリスクが高まるので推奨されない。

低血糖の原因

原因としては、

  • 食事量が少ない、食事時間が遅れる、決められた捕食を摂らなかったなど食事によるもの
  • 運動量・労働量が多すぎる、長時間の強い運動
  • インスリン製剤・糖尿病薬の増量、服用時間の変更、併用薬剤によるもの
  • 飲酒(特に空腹時に糖質を摂らずに飲酒)、月経開始時(ホルモンバランスの変化)

などがあります。

参考:アルコールについて

低血糖の時間帯

低血糖の時間帯としては、空腹時、食前、長時間の強い運動中(直後)など

低血糖の対処法

ブドウ糖(5~10g)又は砂糖(10~20g)やこれらを含む飲料を摂取する

ただし、αグルコシダーゼ阻害薬を服用している場合は砂糖でなくブドウ糖を摂取する。

アイスクリーム、チョコレート、キャラメル、飴などは消化吸収や溶けるまでに時間がかかるため緊急用には適さない。

予測できる時はあらかじめ、1~2単位(1単位=80kcal)程度の捕食を摂取する。ブドウ糖1gで血糖値が5くらい上がる。

ブドウ糖の種類

ブドウ糖の種類には無償提供品と市販品があります。

無償提供はほぼ全てのαグルコシダーゼ阻害薬販売会社で提供されています。

形状 会社名 ブドウ糖量 備考
粉末 三和化学、武田薬品、バイエル薬品など 10g/包 1包10g
錠剤 武田薬品 2.5g/個 1包2個入、噛むと崩れて溶ける
液体 大洋薬品 5g/包 1包10ml

市販品のものもあります。

形状 製品名 会社名 ブドウ糖量 備考
錠剤 グルコースサプライオーツカ 大塚製薬 4.5g/個 ラムネ風味
トラウベンツッカー 藤田 約2.5g/粒 各種フルーツ味
ゼリー グルコベスキュー マークレイ マーケティング 10g/包 ヨーグルト味

とはいえ、ブドウ糖が入っていればよいので、ブドウ糖10g相当量を含む飲料水を摂取するという手もあります。

具体的には、リポビタミンD(1本半)、オロナミンC(1本半)、コカコーラ(250ml)などで代用可能です。

食後高血糖

  • 食後高血糖 → 炎症性サイトカイン増加・酸化ストレス → 血管内皮障害
  • 酸化ストレス → JNK → β細胞数↓(アポトーシス)
  • 酸化ストレス→c-jun活性化 → Fox-1、MafA↓ → インスリン↓
  • 食後高血糖は、認知症やガンを引き起こす。

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