抗リウマチ薬(DMARDs)
ガイドラインによれば、
- 関節リウマチ(RA)と診断されて予後不良と思われる患者では,リスク・ベネフィットバランスに鑑みて、MTXを第一選択として積極的に使用する。また、他の従来型合成抗リウマチ薬の通常量を2~3カ月以上継続投与しても治療目標に達しない RA 患者には,積極的に MTX への変更または MTX の追加併用投与を考慮する。
- MTX・従来型抗リウマチ薬で効果不十分な場合、予後不良因子(リウマトイド因子陽性、抗シトルリン化ペプチド抗体陽性、疾患活動性が非常に高い、早期からの関節破壊が見られるの4つ)が1つでもあれば、すみやかに生物学的製剤に移行する。
- リウマトイド因子(RF)はIgMに対する自己抗体。RFの特異性は40-90%。陽性がRAとは限らない。SLEとかでも高くなる。タンパク中のアルギニン残基がシトルリン残基に変換されたものが、RAに対する対応抗原
- 生物学的製剤で効果が不十分な場合、別の生物学的製剤にスイッチする。トファシチニブを考慮してもよい。
抗リウマチ薬(DMARDs)の個別検索
抗リウマチ薬(内服薬)
- 免疫調節薬
- リドーラ(錠)
- メタルカプターゼ(Cap)
- カルフェニール(錠)
- リマチル(錠)
- オークル
モーバー(錠) - アザルフィジンEN(腸溶錠)
- 免疫抑制薬
- アラバ(錠)
- リウマトレックス(Cap)
- オルミエント(錠)
- リンヴォック(錠)
リウマチ関連薬
- リウマチ性疾患補助薬
抗リウマチ薬(注射薬)
抗リウマチ薬の副作用と対策
メトトレキサートの副作用とその対策
MTXを8mg/週以上で使用する場合、葉酸(フォリアミン)の併用(MTXの1クール最後の服用から48時間後)が推奨必要。葉酸の代わりのポリナートカルシウム(ロイコボリン)は活性型葉酸であり、高額なため重篤な副作用のレスキューとして用いられる。
分類 | 主な副作用 | 主な症状 | MTXの取扱い |
---|---|---|---|
血液障害 | 汎血球減少 好中球減少 血小板減少 |
発熱 高度の粘膜障害 出血傾向 |
MTXの中止 |
肺障害 | 間質性肺炎 | 労作時呼吸困難 乾性咳嗽 |
|
ニューモシスチス肺炎 細菌性肺炎 菌血症・敗血症 蜂窩織炎 |
|||
感染症 | 湿性咳嗽 発熱 皮膚の発赤・熱感 |
||
リンパ増殖性疾患 | リンパ節腫脹 | ||
肝障害 | HVB再活性化 | 基本的に無症状 (全身倦怠感) |
MTXは継続 |
用量依存性肝障害 | 葉酸投与(5mg/週) MTXは減量 |
||
消化管障害 | 吐き気 | 食欲不振 | |
皮膚・粘膜障害 | 皮疹 口内炎 |
掻痒 咽頭痛 |
主な従来型抗リウマチ薬とその特徴
一般名 | 主な副作用 | 特徴 |
---|---|---|
サラゾスルファピリジン | 胃腸障害、口内炎、皮疹 | 以前から使用頻度の高い抗リウマチ薬。重篤な副作用はあまり見られない。 |
ブシラミン | 蛋白尿、口内炎、皮疹 | サラゾスルファピリジンと同様、使用頻度が高い。蛋白尿の副作用に注意が必要だが、通常は中止すると回復する。 |
イグラチモド | 胃腸障害、肝障害 | サラゾスルファピリジンと効果が同等とされる。COX2阻害作用がある。ワルファリンと併用禁忌 |
タクロリムス | 腎障害、倦怠感 | 腎障害が有名だが、倦怠感が出る人も比較的多い |
レフルノミド | 間質性肺炎、肝障害、骨髄障害、下痢 | 間質性肺炎による死亡例が相次ぎ問題視されたが、効果もMTXについで強いとされ、投与する医師も少なからずいる。 |
生物学的製剤の副作用とその対策
主な障害 | 対処法 |
---|---|
結核 | 予防:イソニアジド:300mg/日、SEの末梢神経障害予防にVB6 発症時:抗結核薬の3~4剤併用 |
非結核性抗酸菌症 | 発症時:クラリスロマイシン、リファンピシン、エタンブトールの併用 |
ニューモシスチス肺炎 | 予防:ST合剤1錠/日~週 発症時:ST合剤9~12錠/日 |
ヘルペス | 予防:水痘ワクチンの接種 発症時:抗ヘルペスウイルス薬 |
HBVの再活性化 | 予防:エンテカビル0.5~1.0mg/日 発症時:生物学的製剤を継続の上、エンテカビル0.5mg~1.0mg/日 |
HCVの再活性化 | 発症時:抗HCV治療等 |
細菌性肺炎 | 予防:肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンの接種など |
その他の感染症 | 発症時:起炎菌に応じた抗菌薬 |
軽度のアレルギー | 予防・発症時:抗アレルギー薬、ステロイド |
重度のアレルギー | 発症時:院内での加療 |
(引用元:日経DI 2015.12)
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記事No535 題名:Re:ロイコボリンについて 投稿者:管理人tera 投稿日:2017-09-18 14:23:44
はじめまして
私自身がこのケースを経験したことがないため、フォリアミンとロイコボリンを併用するということにやや??なんですが、、、適応的にも、、
レスキューであれば、ロイコボリンだけでよいのでは?
フォリアミンはリウマトレックスと一緒にのめないので毎日というわけにはいかないと思いますが、、
記事No534 題名:ロイコボリンレスキューについて 投稿者:教えてください 投稿日:2017-09-16 11:31:47
MTXで骨髄抑制が出た時ロイコボリン注と併用するフォリアミン錠は毎日投与するのでしょうか
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