陰イオン交換樹脂(レジン)
陰イオン交換樹脂(レジン)の作用機序
陰イオン交換樹脂は胆汁酸排泄促進薬とも呼ばれ、日本では、コレスチラミンとコレスチミドの2種類が用いられている。
陰イオン交換樹脂は、腸管内で胆汁酸を結合し、そのまま糞便中に排泄される。
その結果、胆汁酸の腸管循環が絶たれて胆汁酸プールが減少し、 胆汁酸合成が促進されるため、肝臓のコレステロール需要が高まり、LDL受容体が誘導される。
陰イオン交換樹脂は腸管から吸収されないので安全性が高く、小児や妊娠の可能性のある女性にも投与可能である。
食前服用のほうが効果高い。ワルファリン、チアジドなど酸性薬剤を吸着、および、長期服用で 脂溶性ビタミンの吸収を阻害するので注意が必要。
陰イオン交換樹脂(レジン)の薬の種類
- クエストラン(コレスチラミン)・・・1日9gを水約100mlに懸濁し、1日2~3回。
コレスチラミンは8~12g/日の投与で、LDL-C10~30%の低下が期待できる。コレスチラミン3~4g/日の投与によって、LDL-Cは19.0%低下し、HDL-Cは11.6%増加している。 - コレバイン(コレスチミド)・・・1回1.5g、最高1日4gで1日2回朝・夕食前。
コレスチミドは3~4g/日の投与で、LDL-C10~30%の低下が期待できる。
高脂血症の薬の種類
- スタチン系
- フィブラート系、選択的PPARαモジュレータ
- ニコチン酸誘導体(ユベラN、ペリシット、コレキサミン)
- 陰イオン交換樹脂(クエストラン、コレバイン)
- プロブコール(シンレスタール、ロレルコ)
- 植物ステロール(ハイゼット)
- ω3脂肪酸(エパエール、ロトリガ)
- 肥満症治療薬(オブリーン)
- 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(ゼチーア)
- PCSK9阻害薬(
プラルエント(2020.5販売中止)、レパーサ、レクビオ) - MTP阻害薬(ジャクスタピッド)
コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。
- << 前のページ
- 次のページ >>