肥満症治療薬(オブリーン)
オブリーンの作用機序
脂質(トリグリセリド:TG)の大部分は、膵臓から分泌されるリパーゼによって脂肪酸とグリセロールに加水分解され、生じた脂肪酸が胆汁酸などとミセル化して腸管から吸収される。脂肪酸は肝臓で内因性のトリグリセリドとして再合成されるか、脂肪酸のβ酸化でTCA回路に入るかに分かれる。
オブリーン(セチリスタット)は、主に膵臓から分泌されるリパーゼを阻害することにより、脂質の分解を阻害して腸管からの脂質の吸収を抑制します。そのため、食事に占める脂質の摂取量が多いと、下痢や脂肪便の発現頻度が高くなります。下痢や脂肪便の発現を抑えるためには、脂質摂取のバランスを考慮に入れた食生活の改善が必要。
また、オブリーンは、TCやLDLコレステロールの低下、血圧の低下、インスリン抵抗性改善作用も示すことが示されている。
オブリーンの適応疾患
肥満症(ただし、2型糖尿病及び脂質異常症を共に有し、食事療法・運動療法を行ってもBMIが25kg/m2以上の場合に限る)
高脂血症の薬の種類
- スタチン系
- フィブラート系、選択的PPARαモジュレータ
- ニコチン酸誘導体(ユベラN、ペリシット、コレキサミン)
- 陰イオン交換樹脂(クエストラン、コレバイン)
- プロブコール(シンレスタール、ロレルコ)
- 植物ステロール(ハイゼット)
- ω3脂肪酸(エパエール、ロトリガ)
- 肥満症治療薬(オブリーン)
- 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(ゼチーア)
- PCSK9阻害薬(
プラルエント(2020.5販売中止)、レパーサ、レクビオ) - MTP阻害薬(ジャクスタピッド)
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