ザファテック(トレラグリプチン)
ザファテックの作用機序
ザファテックは、週に1回100mgを服用する2型糖尿病治療薬です。
中等度の腎機能障害患者には以下の用量で投与する。
血清クレアチニン (mg/dL) |
CCr (mL/min) |
投与量 |
---|---|---|
男性:1.4 <~≦ 2.4 女性:1.2 <~≦ 2.0 |
30 ≦~< 50 | 50mg、週1回 |
1週間に1回の投与で最終的にはネシーナとほぼ同等の血糖降下作用を示すが、24週目までのA1c低下の推移は両者で若干異なる。
ネシーナはガクって下げた後再度上がるが、ザファテックは下げた後ほぼ平行に推移している。DPP4阻害薬全般で言えることだが、服用12週後位でGLP-1の分泌が落ちてきて、代わりにGIPの分泌が増える(GIPは血糖が高い時効かない)ために、当初期待されたGLP-1による体重減少効果が起こらず(実際DPP4阻害薬の長期投与では体重が増加している例が多い)、それとは裏腹にGIPによる?体重増加が起こると言われている。
ザファテックは平行に推移しているため、GLP-1の分泌が保たれるのでは?という可能性も示唆されている。
投与直後は600ng/ml、1w後で3ng/mlあり、3ng/mlでもGLP-1の分解抑制率は80%程度はある。10ng/ml以上で100%の抑制率なので、72時間までは100%分解抑制するが、徐々に減弱し、1wで80%程度まで落ちるということになる。72時間後の効果がどれほどあるかがザファテックの懸念材料か?
というわけで、1週間に1回で効果が持続する機序は、半減期(薬物動態)の問題ではなく(半減期は約18.5時間)、単に活性が強いため、600ng/mlでも10ng/mlでも分解率は100%という話。
食事の影響は受けないので、いつ服用しても大丈夫。(効果に関しての話で、実際食前に比べて食後ではCmaxが16.8%増加、AUC0-infが2.5%減少する)
GLP-1の分泌を援護することができる薬剤の併用が最近は主流になってきている。
GLP-1を上げる(サポートする)薬剤としては、αGI(分解が抑制された糖が小腸のL細胞を刺激)やBG、チアゾリジンが挙げられる。
ザファテックの作用機序
ザファテックの作用機序はDPP4阻害薬の作用機序を参照
飲み忘れた場合の対処法
次に服用する日の前日に気がついた場合でも、気づいた時点で服用する。連日服用することになっても問題無いとのこと。
糖尿病の薬の種類
- インスリン製剤
- GLP-1受容体作動薬
- SU剤(スルホニルウレア剤)
- グリニド剤(速攻型インスリン分泌促進薬)
- ビグアナイド剤
- チアゾリジン剤
- α-グルコシダーゼ阻害薬
- DPP4阻害薬
- SGLT2阻害薬
- 糖尿病性神経症治療薬
- 糖尿病性腎症治療薬
- 配合剤
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