インスリン製剤一覧

インスリン製剤の一覧表(作用動態の図が載っているもの)です。インスリン製剤一覧(日本糖尿病学会)はこちら

インスリン製剤一覧

ノボラピッド注フレックスタッチは製造休止、ノボラピッド注イノレット、レベミル注イノレット、イノレット30R注は2024.9月末生産終了(経過措置2024.4.1~2025.3末)

※空打ちは基本2単位、ランタスXRが3単位、GLP1製剤のオゼンピックとビクトーザは空打ち目盛(0.12mg)。ビクトーザ含有のゾルトファイ配合注は空打ち2単位でOK。

※注射全量は基本300単位(アウィクリは700単位もあり)、ランタスXRが450単位、ビクトーザが18mg。ビクトーザは計算しづらいので0.9mg/日なら17日分/日と覚える。

※懸濁製剤は、初回は室温に戻した後、フレックスペンを手のひらにはさんで往復10回以上水平に転がし、カートリッジ内のガラス球が両端まで上下するように、往復10回以上振る。2回目以降は上下10回の操作のみ。懸濁でなければ配合剤(ライゾデグ、ゾルトファイ、ソリクア)であってもこの操作は必要ない。

  • ライゾデグ配合注ペンフィル、フレックスタッチ(トレシーバ+ノボラピッドの配合剤)
  • ゾルトファイ配合注フレックスタッチ(トレシーバ+ビクトーザの配合剤)・・・
    GLP作動薬であるビクトーザの維持量は0.9mg(最大1.8mg)。ビクトーザ1.8mgに相当する単位を使用すると、トレシーバの単位が50単位となる。つまり、配合剤なのでトレシーバを25単位で打ちたい場合は、ビクトーザの量も減って0.9mgとなる。
  • ソリクア配合注ソロスター(ランタス+リキスミアの配合剤)
    GLP作動薬であるリキスミアの維持量は20μg(最大も20μg)。リキスミア20μgに相当する単位を使用すると、ランタスの単位が20単位となる。ゾルトファイよりもGLP-1製剤の維持量に対する基礎インスリン量が少ない。海外用量に比べてGLP1に対する基礎インスリンの比率を下げて1:1にして日本人に使いやすくした。
  • フィアスプ注フレックスタッチ/ペンフィルは、ノボラピッドと同一成分、同一メーカーで、添加物だけ変えたもの。両者の違いは、作用発現までの時間だけ。フィアスプは超速効のノボラピッドより更に速攻性が強く、食直前投与でも食後の血糖上昇に間に合うように作られている。
  • ルムジェブ注カート/ミリオペン/ミリオペンHDは、ヒューマログと同一成分、同一メーカーで、添加物だけ変えたもの。具体的にはヒューマログに注射部位の局所血管を拡張させるトレプロスチニルと、注射部位の局所血管透過性を亢進させるクエン酸を添加剤として加えている。ノボラピッドとフィアスプの違いと同じく、作用発現時間の早さ。ルムジェブはヒューマログより速やかな吸収・消失を示す。ルムジェブ注ミリオペンHDは注入器の最小設定単位がルムジェブ中ミリオペンが1単位であるのに対して 0.5単位になったもので、ともに300単位/本。
    用法が食事開始時となっており、食前とは違い、食事開始2分前から食事開始20分後までの投与となっている。
  • ランタス注ソロスターとランタスXR注ソロスターの違いは、1mlあたりの単位量の違いで、ともに1日1回4~80単位ではあるが、注入する薬液量がXRの方が少なくて済む。ランタスXR(450単位/1.5ml/本)はランタス(300単位/3ml/本)の有効成分濃度を3倍にした製剤であり、濃度を高くして注射液量を少なくすることで、皮下の無晶性沈殿物の単位量あたりの表面積が小さくなり、投与部位からのインスリン グラルギンの吸収がより緩やかになるため、ランタスよりも平坦で持続的な薬物動態及び薬力学プロファイルとなり、24時間以上にわたり安定した血糖降下作用を示す。XR(extended release)は持続的な溶解を意味する。
    実際、同単位で比較するとランタスのほうがCmax、Tmaxは高いが、持続時間がXRのほうがやや長い。
    ランタスXRのみ(R1.5.30現在)が空打ち3単位なので注意する。
  • トレシーバ注フレックスタッチ/ペンフィルとレベミル注フレックスペン/ペンフィルの大きな違いは、妊娠中投与の安全性。レベミルは妊婦への安全性使用が示されている→R5.2のEXPECT試験の結果を受けてトレシーバも使用可能になった。というより、ランタス、アピドラ含めサノフィの製品は妊娠中の安全性の試験を行っていないため、超速攻型もノボやリリーの製品が一般的には使われる。
  • アウィクリ注フレックスタッチは、週1回の持続型インスリン製剤で以下の点に注意する。
    • 成人では初期は通常1回30~140単位、維持量は1回30~560単位(状態により適宜増可)
    • 毎日投与の持続型インスリン製剤からの切り替えは、それまで使用していた1日総投与量の7倍を目安に単位を決める。
    • 切り替え、1型DM患者への新規投与含めて、初回投与時のみ、1.5倍に増量して投与する。
    • 注射を忘れた場合は、気づいた時点で投与し、次の投与は4日以上の間隔をあけて開始、その後は同じ曜日に戻す。
    • 単位合わせのダイヤルは1目盛り10単位
    • A型注射針を使用するため空打ちが必要だと思うが、10単位か専用目盛りか不明。
    • 規格は1本300単位と700単位があり、開封後は室温遮光もしくは冷蔵庫で保存し、総量300単位は6週間以内、総量700単位は12週間以内に使用すること。
    • トレシーバ5単位程度の人は1回35単位で済み、300単位1本が8週分になる、ソリクア20単位の人は1回140単位必要で、300単位が2週分になる。
  • GLP-1作動薬は生体内のインスリンの作用動態と全く同じ動態(食後にインスリン量が高まるという)をとるので、上の図には掲載しておりません。(食べた時に上昇というグラフになります)
製剤
超速効型 インスリンリスプロ
インスリンアスパルト
二相性プロタミン結晶性インスリンアナログ水性懸濁注射液
速攻型 インスリン
準速攻型 無晶性インスリン亜鉛水性懸濁注射液
中間型 レンテインスリン(インスリン亜鉛水性懸濁注射液)
イソフェンインスリン水性懸濁注射液
混合型 生合成ヒト二相性イソフェンインスリン水性懸濁注射液
遅効型 ウルトラレンテインスリン(結晶性インスリン亜鉛水性懸濁注射液)
プロタミンインスリン亜鉛水性懸濁注射液
持続型 インスリングラルギン
インスリンデグルデク
インスリンデテミル
インスリンイコデク
  • 超速効型製剤は全てインスリンの遺伝子組み換えによるアナログ製剤である。
  • 速攻型のインスリンはレギュラー(Regular)インスリンでRと呼ばれる。
  • インスリンに硫酸プロタミンや亜鉛塩を混ぜると、結晶化もしくは、無晶性の懸濁性インスリンができる。これらはRegularインスリンに比べて遅効性(結晶>無晶)の特徴を持つ。
  • インスリンに硫酸プロタミンを付加し、持続性を増したインスリンをイソフェンインスリンと呼び、NPH(Neutral Protamine Hagedorn)製剤、ノボリンNのこと。白い沈殿がインスリンであり、使用前に撹拌擦る必要がある。
  • RegularにNPHを任意の割合で混ぜ込んだものが、ノボリン30RなどのMix製剤。
  • インスリンに亜鉛塩を付加したものとして、レンテインスリンもしくはウルトラレンテインスリンらがあるが、現在生産されている製剤はない。
  • 持続型は長時間一定の効果が続くように作られたアナログ製剤である。
  • ランタスのバイオシミラーのインスリン グラルギンBSは先発品に対する後発品ではないので薬局で変更することはできない。(後発医薬品への変更について

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記事No1171 題名:Re:あで様 投稿者:管理人tera 投稿日:2020-03-01 10:22:58

ご指摘ありがとうございます。
早速修正させていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。


記事No1170 題名:誤字報告 投稿者:あで 投稿日:2020-03-01 09:44:54

「インスリン製剤の型」の最後「3週類販売されている。」→「3種類販売されている。」ではないでしょうか?


記事No86 題名:インスリン注射 投稿者:前田富穂 投稿日:2015-04-09 17:09:40

最新のインスリン注射液で毎日でなく1か月一回でいいのができたそうですが。教えてください。


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