カルシウム拮抗薬一覧

分類 成分名 商品名 規格・剤形・補足
ジヒドロピリジン系 アムロジピン ノルバスク
アムロジン
錠2.5mg/5㎎/10mg、OD錠2.5mg/5mg/10mg、ODフィルム(QQのみ)
ニフェジピン アダラート Cap5㎎/10mg
セパミット 顆粒1%
ニフェジピン徐放錠 アダラートL 徐放錠10mg/20mg
セパミットR 徐放細粒2%、徐放Cap10mg/20mg
アダラートCR 徐放錠10mg/20mg/40mg
シルニジピン アテレック 錠5mg/10mg/20mg
マニジピン カルスロット 錠5mg/10mg/20mg
ニルバジピン ニバジール 錠2mg/4mg
アゼルニジピン カルブロック 錠8mg/16mg
ベニジピン コニール 錠2mg/4mg/8mg
ニトレンジピン バイロテンシン 錠5mg/10mg
エホニジピン ランデル 錠10mg/20mg/40mg
ニカルジピン ペルジピン 散10%、錠10mg/20mg、LACap20mg/40mg、注射液
アラニジピン サプレスタ
ベック
顆粒2%、Cap5mg/10mg(サプレスタのみ)
バルニジピン ヒポカ Cap5mg/10mg/15mg
フェロジピン スプレンジール 錠2.5mg/5mg
ニソルジピン ニソルジピン 錠5mg/10mg
ベンゾチアゼピン系 ジルチアゼム ヘルベッサー 錠30㎎/60mg、Rカプセル100mg/200mg、注射用
フェニルアルキルアミン系 ベラパミル ワソラン 錠40mg、静注
配合剤

作用機序

細胞内にCaイオンが流入すると、Caはカルモジュリンとともにミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)を活性化し、ミオシンをリン酸化(MLCp)することで、ATPを使い平滑筋を収縮させます。そして、収縮後はホスファターゼの作用で直ちに脱リン酸化され、平滑筋は弛緩します。

MLCKはERK1/2とp38によっても調節されています。

Ca拮抗薬は血管平滑筋細胞や心筋の細胞膜に存在する膜電位依存性Caチャネルに結合することで、細胞内へのCaイオンの流入を抑制します。臨床的に用いられているCa拮抗薬の多くはCaチャネルの中でも平滑筋、心筋に多く存在するL型Caチャネルに選択的に結合します。

平滑筋は骨格筋に比べて筋小胞体の発達が悪いため、筋小胞体に貯蔵されているCaではなく、細胞内へ流入するCaの依存度が大きい。つまり、神経や骨格筋とは異なり、平滑筋の活動電位はNaスパイクではなく、Caスパイクである。

系統の違い

臨床的に用いられているCa拮抗薬は大きく3つの系統(ジヒドロピリジン系、ベンゾチアゼピン系、フェニルアルキルアミン系)に分けられる。

ジヒドロピリジン系のCa拮抗薬は血管選択性が高いので、主として降圧剤としてのみ用いられる。ベンゾチアゼピン系やフェニルアルキルアミン系のCa拮抗薬は、血管に対する作用はジヒドロピリジン系に及ばないものの、心臓(心筋・房室結節)に対する選択性があるので、心抑制作用、心拍低下作用も持ち、主として狭心症、不整脈にも使用される。

ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は、圧受容器反射を介した交感神経の活性化から、反射性の頻脈が起こりやすい。アゼルニジピン(カルブロック)は降圧に伴う心拍数の増加・頻脈が見られにくい。

製品名 一般名 降圧力 作用時間 抑制チャネル
アダラート ニフェジピン 4.5 4 L型
ノルバスク アムロジピン 4 5 L型
コニール ベニジピン 3.5 4 L型、T型、N型
カルブロック アゼルニジピン 3 4 L型、T型
アテレック シルニジピン 2 3 L型、N型
ニバジール ニルバジピン 2 3 L型、T型
ランデル エホニジピン 2 4 L型、T型
ヘルベッサー ジルチアゼム 1 3 L型

(表:日経DI 2015.4より改変)

腎微小血管にはL型、N型、T型の3つのチャネルがあり、腎臓においてはL型は輸入細動脈のみを、N型とT型は輸入細動脈だけでなく輸出細動脈をも拡張するので、糸球体内圧を下げることができる(腎保護作用)。

このことは下肢浮腫に関しても同様で、L型のみに作用するものよりも、N型・T型に作用するもののほうが末梢性浮腫が少ない。

一般的にL型は心筋・血管平滑筋に広く存在し心筋・血管収縮作用を、N型は神経終末に存在し交感神経興奮作用を、T型は主に心臓に存在し洞結節の活動電位発生に関わるため、T型は心保護作用、腎保護作用を、N型は腎保護作用、交感神経抑制効果を併せ持つと言われる。

冠攣縮性狭心症の発作予防には、冠攣縮(冠動脈の一過性の収縮)を予防する効果があるニフェジピン、ベニジピン、ジルチアゼムが使われる。血圧を下げたい場合から順にニフェジピン>ベニジピン>ジルチアゼムの優先順位。冠攣縮は夜間~朝方にかけて起きやすいので夕食後に長時間作用するニフェジピンCRを服用するのが効果的。

硝酸薬も冠動脈拡張作用があるので狭心症に使用される。硝酸薬は末梢の動脈拡張作用は弱いので血圧の薬としては使用されない。

また、適応を有していない場合が多いが、長時間型のCa拮抗薬(ニフェジピン、アムロジピン)を1回(10mg朝)に高用量使うより、2回(5mg朝晩)に分けて使ったほうが良好な降圧効果が得られることが示されている。

ジヒドロピリジン系

血管選択性が高く、動脈硬化進展阻止作用もある。動脈の拡張作用が強いため末梢でのうっ血→浮腫。グレープフルーツ(CYP3A4)、イトリゾール、シメチジンで増強。ジゴシン(P-糖タンパク質)でも増強。

  • アダラート(ニフェジピン)・・・速効性で強力な降圧作用。
  • アダラートL、ラミタレートL(ニフェジピン)・・・Lは徐放剤(T1/2=3.7h)。
  • アダラートCR(ニフェジピン)・・・CRは24時間にわたり有意な降圧作用。40㎎がアムロジピン10㎎と、20㎎がアムロジピン5mgとほぼ同等で、最高用量80㎎がCa拮抗薬で最も降圧作用が強い。
  • アテレック(シルニジピン)・・・降圧に伴い、交感神経活性抑制効果を有する。(T1/2:5.2h)。浮腫が少ない。1日1回。20㎎がアムロジピン5㎎とほぼ同等。
  • ノルバスク、アムロジン(アムロジピン)・・・作用時間がもっとも長い(T1/2:39h)
  • カルスロット(マニジピン)
  • ニパジール(ニルバジピン)・・・1日2回。
  • カルブロック(アゼルニジピン)・・・降圧効果の発現が緩やかで作用の持続時間が長く、心拍数には変化をきたさないので頻脈患者に頻用。16mgでアムロジピン5mgとほぼ同等。
  • コニール(ベニジピン)・・・降圧作用は他のCa拮抗薬に比べて緩やか(T1/2:1.7h)1日1回。冠攣縮抑制効果(冠攣縮により引き起こされるVSA=「Variant Angina Pectoris(バリアント狭心症)の抑制)があるため、低用量の2㎎はほぼその目的。
  • バイロテンシン(ニトレンジピン)・・・(T1/2:10h)
  • ランデル(エホニジピン)・・・心保護作用とともに腎保護作用を有する
  • ペルジピン(ニカルジピン)・・・(錠T1/2:1.5h)、1日3回

ベンゾチアゼピン系

洞結節や房室結節の活動電位はCaイオン流入で生じるので、上室性不整脈にも有効

  • ヘルベッサー(ジルチアゼム)・・・血管拡張、心筋に対する作用を中等度に持つ。

フェニルアルキルアミン系

安静時狭心症には朝の発作を抑えるために、朝と就寝前の2回投与する。

  • ワソラン(ベラパミル)・・・心筋のみならず血管のCaチャネルに対して抑制作用をもつので、狭心症や高血圧を合併している不整脈に適している。プラザキサとの併用は注意すること。

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記事No1435 題名:Re:ホッケ様 投稿者:管理人tera 投稿日:2020-08-21 22:02:54

はじめまして。
別ページ(https://kanri.nkdesk.com/drags/fusei.php)にメモした程度の知識しかないのですが、代替えは適応によるのではないでしょうか?
性格は同じなんですが、ジルチアゼムは血管(冠攣縮を抑える作用があるのもあり)、ワソランは心臓に使われるケースが多いです。
そのため、狭心症なら不整脈薬から選ばずに他の薬を選ぶという選択もありますゆえ、ここで代替え可能とは一概には言えないです。。。


記事No1433 題名:ジルチアゼムの代替について 投稿者:ホッケ 投稿日:2020-08-21 10:02:04

はじめまして。
勉強不足でお恥ずかしいのですが、ジルチアゼムは粉砕不可なので代替としてベラパミルは使用できますか?
宜しくお願いします。


記事No923 題名:Re:サリ様 投稿者:管理人tera 投稿日:2019-03-28 23:11:06

はじめまして。
すべてのCa拮抗薬の強弱を数値化するのはなかなか難しいですね・・・。
上記の引用した比較表もおそらくは著者の経験によるものだと思うので、必ずしもすべての患者に強いとされているものが弱いとされているものよりも効果が強いとは言えません。
というわけで、自分が出す薬はほぼ上記の表のものなので、主観で順位付けをするとほとんど同じとなってしまい、他の薬剤を点数化することはちと難しいです。申し訳ないです。


記事No921 題名:カルシウム拮抗薬の選択性の強弱について 投稿者:サリ 投稿日:2019-03-27 17:07:41

はじめまして。すごくわかりやすくて、いつも参考にさせて頂いてます。
希望なのですが、カルシウム拮抗薬の選択性の強弱を、+++のような表記で、一覧表にしていただけないでしょうか。
他のサイトではそのような比較表がみつけられず、あればすごくわかりやすいのですが…。
ぜひお願いします‼︎


記事No549 題名:Re:イシヅ様 投稿者:管理人tera 投稿日:2017-10-27 21:28:05

はじめまして。
アムロジピンやアゼルニジピンが冠攣縮抑制効果がないからと言って狭心症に効果がないかと言われると、血管を広げる作用があるという点では効果はあります。
薬にはこの疾患にしか使うことができないという適応症というものがあって、アムロジピンは狭心症に適応がありますが、アゼルニジピンは狭心症の適応はなく、高血圧症以外では保険適応になりません。そ~言う意味では、アムロジピン処方の方が妥当と言えるでしょう。
Ca拮抗薬はどうしても頻脈のリスクが付きまとうので、心拍が上昇しやすい人にはアゼルニジピンは適しているといえます。高血圧という診断名で狭心症に使うこともあるでしょう。
ベニジピンはまぁ薬の効果時間が短いです。その為、狭心症で使う場合は1日2回で使用しますが、この1日2回ですら効果が24時間維持できないというところにデメリットが有り、この短時間作用でそんなに強くないというところが、レスキューでコニールが使われる所以でしょう。
狭心症全般の治療として、血圧を下げ、心拍を正常化し、血管を広げるということを考えれば、血圧が高ければニフェジピン、心拍が高ければジルチアゼム、血管を広げる目的でニトロールやアイトロールといった硝酸剤をというのが一般的かもです。


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