ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群(nephrotic syndrome)は、特定の臨床的特徴を持つ状態であり、それ自体が独立した病態ですが、AKI(Acute Kidney Injury)やCKD(Chronic Kidney Disease)の一症状としても現れうる場合がある。
ネフローゼ症候群の主な診断基準として、次の4つがあります。
- 大量のタンパク尿が尿中に排泄(一日に3.5グラム以上の尿タンパク)
- 浮腫(体内の水分バランスの異常からくる、特に足や顔に見られる腫れ)
- 脂質異常(血中VLDL、LDL、コレステロール、TGの上昇)・・・アルブミンの喪失により肝臓でアルブミン合成が亢進する時に脂質合成も同時に亢進する。またリポ蛋白リパーゼ活性が低下してVLDLやLDLの分解が減少し血中濃度が増加する。
- 低アルブミン血症(血中のアルブミン濃度の低下。タンパク質尿の結果として起こる)
ネフローゼ症候群のうち、明らかな原因のないものを一次性に、原因を有するものを二次性に分類する。
- 一次性ネフローゼ症候群の原疾患
- 微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)・・・初期はステロイド単独、再発はステロイド+シクロスポリン。腎毒性に注意。
- 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)・・・初期は経口プレドニゾロン1㎎/kg/日で2~4週間継続。再発や依存例では免疫抑制薬、リツキシマブ。
- 膜性腎症(MN)・・・保存的療法(生活指導、食事療法等)、ステロイド単独療法(プレドニゾロン0.6~0.8mg/kg/日を4週間投与)、ステロイド+免疫抑制薬(シクロスポリン、シクロフォスファミド、ミゾリビン)
- 二次性ネフローゼ症候群の原因
- 糖尿病性腎症
- アミロイド腎症
- HIV関連腎症
関連ページ
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