腎性貧血

  • 腎性貧血は腎機能の悪化に伴うエリスロポエチンの産生低下が原因で起こる。
  • 腎性貧血の診断は下フローチャートをもとに除外診断で診断する。頻度の多い鉄欠乏性貧血除外のためにもまずフェリチン測定を行う。フェリチンはCRPが高いと上がる傾向がある。
    腎性貧血はeGFR30未満を境に一気に罹患率が増える。eGFR40~50はまれにいるという程度の認識で。
  • 保存期CKD患者の腎性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤(ESA)治療の目標値はHb11g/dL~13g/dL
    透析期CKDの患者の目標値はHb10g/dL~12g/dL
    13g/dLを超えるとCVDの発症リスクが増加。
  • 保存期CKD患者の鉄剤投与の目安としてTSAT<20%または血清フェリチン値<100ng/mL(フェリチンは炎症で低下)という基準がある。
    すなわち貧血を有するCKD患者に対して鉄欠乏状態があれば鉄剤を投与し、その後にESAもしくはHF-PH阻害薬を使用する。
  • 重症心不全やプロトンポンプ阻害薬投与中は経口鉄の吸収が悪くなる。
  • HIF-PH阻害薬では鉄欠乏の状態で使うと血栓塞栓症のリスクが増加する注意喚起がされているが、既往歴の有無にかかわらずESA群と比較してリスクは同程度。
    また、塞栓症のリスクより、虚血性心疾患や脳血管障害、末梢血管病のある患者には慎重に投与。
  • HIFの活性化が悪性腫瘍の病態を促進する可能性があるため、事前に悪性腫瘍のチェックが必要。またHIFの活性化がVEGFの発現も更新するため、網膜症や加齢黄斑変性症の悪化に注意する。
  • リオナは、CKDのステージが進んで高リン血症を呈する(特にG4以降)ような腎性貧血患者の鉄欠乏に対して、リンの低下と鉄の上昇を同時に行うことが出来る。

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