RRT(血液透析、腹膜透析、腎移植)
血液透析
- 血液透析(ヘモダイアリシス)は濃度の違いを利用してろ過するため、小さいものをろ過できる。週3回、1日4時間通院、通院週3回
- 血液ろ過は圧力をかけてろ過するので大きいものをろ過できるが、血液の水分が減るので水分を補充する必要がある。
腹膜透析(PD)
専用の医療機器を用いて、お腹に留置したカテーテルと透析液のカテーテルをつないで、透析液を腹膜内に入れ、その透析液で必要な栄養素を供給したり、その後に透析液を回収することで血液中の余分な水分や老廃物を排除する。
腹膜透析は血液透析と違って、週3~4回医療機関へ通院して行う必要はなく(月1-2回の通院はあり)、自宅で行います。
ただし、腹膜透析は毎日決められた時間に行う必要があります。自宅とはいえ、毎日行うというのが手間になりますが、その代わりに血液透析のような食事の制限がないことがメリットになります。
デメリットは、長期間腹膜透析を行うことで、腹膜の厚みの増加、血管新生、繊維化、腹膜透過性の変化等が起こることで、そのせいでいずれ透析に移行します。
腹膜透析のやり方はYoutube(腹膜透析のやり方)等で実際に使用している患者さんの動画を見ればわかるかと思います。
腹膜透析処方の対応方法
腹膜透析の処方の対応方法は、その処方箋を発行する医療機関により異なります。
新規に腹膜透析を開始する場合、患者の情報が、使用する透析液や、つなぐ医療機器の情報とともに医療機関か医療機器メーカーの方から送られてくる(来ない場合はこちらからメーカーに確認)。
患者が透析液入りの処方箋を持参した際には、その処方箋のうち透析液と関連医療機器をあらかじめメーカーと突き合わせておいた卸に注文(間違えをなくすため、処方箋のFAXが確実)することで、卸からメーカーに注文がいき、メーカーから患者へ配送される。
なお、注文の流れは、【患者→メーカー→医療機関→処方箋→薬局→卸→メーカー→患者】となり、処方内容の精査は【卸→メーカー】の部分で行われる。
例えば、バクスターの透析液(レギュニールやエクストラニール)であれば、処方箋を受付けた後に、バクスターの配送受付番号に?or卸に?電話か、FAXし、透析液は直接郵送、他の処方薬の受け渡しと代金の徴収は薬局にて行う形になります。
テルモの透析液(ミッドペリック等)であれば、処方箋を受け付けた後に、あらかじめ決めていた卸へ処方箋FAXして配送してもらう。、他の処方薬の受け渡しと代金の徴収は薬局にて行う。。
- テルモコールセンター(腹膜透析関連:0120-29-0941)
- テルモコールセンター(医薬品医療機器情報関連:0120-12-8195)
- 医療機器操作手順
透析患者であるので、マル長や更生医療(15)、重度心身障害といった複数の保険を併用している事が多いので入力にも注意する(マル長と自立支援等の併用について)
腹膜透析処方の処理
腹膜透析の処方例が以下。
- Rp1:ミッドペリックL135腹膜透析液 2L 128袋(32箱) 医師指示通り
- Rp2:マイホームぴこセット(TSCD用) 5キット 医師指示通り
- Rp3:キャプディールTSCD交換キット(一式) 1キット 医師指示通り
- Rp4:キャプディールTSCD交換キット(ウエハーのみ) 3キット 医師指示通り
- Rp5:キャプディールTSCD交換キット(グリーンチューブのみ) 2キット 医師指示通り
Rp1の透析液は注射薬なので、注射薬として計算するだけ。(レセプト電算コード等は薬価サーチで調べることができます。)
Rp2~Rp5は特定保険医療材料料を算定できる医療機器です。
具体的には004 腹膜透析交換セットに含まれます。
特定保健医療材料 | 分類 | 償還価格 | レセ電コード | 医療機器 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
004 腹膜透析液交換セット | 交換キット | 554円 | 737890000 | ウエハー 1セット or ウエハー保護チューブ 1セット |
|||
回路 | Yセット | 884円 | 737900000 | 延長チューブ(グリーン)1本 | |||
ADPセット | 5470円 | 737910000 | マイホームぴこセット | ||||
IPDセット | 1040円 | - | - |
Rp2のマイホームぴこセット(TSCD:無菌接合装置用)は、ADPセットに該当し、1セットあたり5470円(内税)なので、5キット(7セット入)だと5470*35円(内税)になる。APD装置(自動腹膜灌流用装置)のマイホームぴこ本体や無菌接合装置(むきんイージー)はレンタル。
Rp3のキャプディールTSCD交換キット(一式)は、加熱切断刃(TSCDウエハー)、保護チューブ、延長チューブのセット。セットしての償還価格はついていないので、1キットは償還価格は、保護チューブ28本*554円と延長チューブ(グリーン)1本*884円の合計価格になる。ウエハー60枚入カセット1個の値段は計算しないみたい。
Rp4のウエハーのみ3キットは、56セット(ウエハー60枚入のカセット2個)*3=168セットに、単価554円を掛けて31024円(内税)となる。
Rp5のグリーンチューブのみ2キットは、5本入*2キット=10本に、単価884円を掛けて8840円(内税)となる。
- マイホームぴこセットは、腹膜透析液の交換を自動的に行う際、透析液を腹腔内に注液及び排液するために使用する
- 加熱切断刃(TSCDウエハー)は透析液交換の際に無菌接合装置の接続部分を無菌的に接合する際に使用
- 保護チューブは透析液交換の際に、チューブ切り離し部分を無菌的に密封するために使用
- 延長チューブ(グリーンチューブ等)は透析液注入又は排出を行うための接続チューブの延長チューブとして使用
処方入力の際は、セットの中に入っている延長チューブと別出しの延長チューブを合算して入力せず、コード名を入れる等して区別して入力したほうがいいのかな。
- Rp3:キャプディールTSCD交換キット(コード名:ウエハー保護チューブ) 28セット 医師指示通り
- Rp3:キャプディールTSCD交換キット(コード名:グリーンチューブ) 1本 医師指示通り
- Rp4:キャプディールTSCD交換キット(コード名:ウエハー) 168セット 医師指示通り
- Rp5:キャプディールTSCD交換キット(コード名:グリーンチューブ) 10本 医師指示通り
腎移植
- 高齢CKD患者や糖尿病性腎臓病の腎代替療法として透析と比較して腎移植を行う事が提案される。ただし、移植後早期死亡リスクが低いと予想される高齢患者に限定。
関連ページ
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