薬局開設者の義務(記録・保存:調剤薬局への設置書類)
設置すべき書類等 | 根拠 | 備考 |
---|---|---|
薬局の管理に関する帳簿 | 薬事法施行規則第13条 | 3年保存 |
薬局機能情報 | 薬事法第8条の2 | 待合室に設置 |
医療の安全使用のための業務に関する指針 | 体制省令 | |
調剤された薬剤及び医薬品の情報提供及び指導のための業務に関する指針 | ||
医薬品の安全使用のための業務に関する手順書 | ||
調剤された薬剤及び医薬品の情報提供及び指導のための業務に関する手順書 | ||
薬局医薬品及び要指導医薬品並びに一般用医薬品の情報提供等に関する指針 | ||
調剤及び医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理のための業務に関する手順書 | ||
薬剤師不在時間における薬局の適正な管理のための業務に関する手順書 | 薬剤師不在時間がある薬局 | |
在宅業務手順書 | 地域支援体制加算算定要件 | |
添付文書集など | 一般名・剤形・規格・特徴がわかる物 | |
医薬品緊急安全情報 | ||
医薬品・医療機器安全性情報 | 日薬の冊子 | |
副作用報告に係る手順書 | ||
災害や新興感染症発生時における薬局の体制や対応についての手順書 | 連携強化加算算定要件 | |
DSU | 推奨 | |
新型インフルエンザ等発生時における業務継続計画 | 新型インフルエンザ等対策特別措置法 | 特定接種を受ける場合 |
電子薬歴運用管理規定 | 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術に関する法律等の施行等について | |
レセプトオンライン安全対策規程 | レセプトのオンライン請求に係るセキュリティに関するガイドライン | |
研修計画及び研修記録 | 地域支援体制加算算定要件 安全管理指針の項目(職員に対する教育・研修の実施に従う。事故事例については必須) 業務手順書の項目(安全管理指針の研修計画とすり合わせ実施) |
|
調剤内規 | 推奨 | |
無菌製剤処理業務の指針 | 薬事法施行規則第15条の9 | 共同利用の場合に限る |
居宅療養管理指導の諸記録 | 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第90条の2 | 5つの記録 |
居宅療養管理指導の虐待防止関連 | 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第3条、第37条の2 | 虐待防止指針・運営規程(経過措置:令和9年3月31日) |
医療機器の管理に関する帳簿 | 薬事法施行規則第164条、第178条 | 高度、特殊管理、管理、一般医療機器 |
医療機器の譲受け及び譲渡に関する記録 | 薬事法施行規則第173条 | 高度・特殊管理は必須、管理・一般医療機器は努力 |
非薬剤師の調剤業務の実施に係る手順書の整備 | 調剤業務のあり方について | |
従業者に対して法令遵守のための指針を示す | 薬機法第9条の2・薬機法施行規則第15条の11の2 | |
サイバーセキュリティの確保 | 薬機法施行規則第11条第二項 |
記録・保存
1、薬局の管理に関する帳簿(則13条、改正省令について)
薬局の開設者は、薬局に管理に関する事項を記録するための帳簿を備えなければならず、又、その帳簿を最終記載の日から三年間、保存しなければなりません。
薬局等の管理に関する帳簿の記載事項として、在庫の異常に係る調査結果及び廃棄した医薬品に係る記録を含むこと。
Q&A
(答16 ) 例えば、在庫に記録のない増減が生じている等の在庫の変動に異常 がある場合や、譲り受けた医薬品の容器包装等に損傷その他瑕疵がある場合が考えられる。
2、医薬品の譲受・譲渡に関する記録(則14条)
薬局開設者は、卸問屋や他の薬局から医薬品を譲り受けたとき及び、他の薬局への譲り渡し、卸問屋への返品など、医薬品の譲受・譲渡があった場合は、 規定の事項を書面に記載し、その書面を、記載の日から3年間保存しなければなりません。
卸問屋との譲渡・譲受の記録は伝票を記録に変えて保存します。他の薬局との記録は振替伝票を記録として残します。
- 同一法人内は、薬価×数量(小数点以下切捨て)
- 他薬局内は、薬価×数量×消費税(小数点以下切捨て)
3、処方箋の保存(薬剤師法27条)、労災保険指定薬局療養担当契約事項
薬局開設者は、調剤済になった処方箋を、調剤済となった日から3年間、保存しなければなりません。労災や生保は公費番号がわかり次第処方箋に書き込むこと。
4、調剤録の保存(薬剤師法28条)、薬剤師法施行規則16条、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則:5条)
薬局開設者は、薬局に調剤録を備えなければなりません。
調剤録に記載しなければならない事項は以下の通りです。ただし、その調剤により当該処方せんが調剤済みとなつた場合は、第一号、第三号、第五号及び第六号に掲げる事項のみ記入することで足りる。
- 一 患者の氏名及び年令
- 二 薬名及び分量
- 三 調剤並びに情報の提供及び指導を行つた年月日
- 四 調剤量
- 五 調剤並びに情報の提供及び指導を行つた薬剤師の氏名
- 六 情報の提供及び指導の内容の要点→調剤録または薬剤服用歴に記載することでよい(下記服薬指導の記録の項参照)。
- 七 処方箋の発行年月日
- 八 処方箋を交付した医師、歯科医師又は獣医師の氏名
- 九 前号の者の住所又は勤務する病院若しくは診療所若しくは飼育動物診療施設の名称及び所在地
- 十 前条第二号及び第三号に掲げる事項
そして、その調剤録を、最終記載の日から3年間、保存しなければいけません。
保存は、後日の照会などに備えて、「社保」「国保」「老人」など区分整理して保存することが望ましい。
処方箋様式改正後の調剤録は、以前のように調剤済み処方箋をもって調剤録の処方内容に変えることや、調剤した銘柄名を省略した簡易型の調剤録では対応できない。一般名処方や後発医薬品への変更可の処方箋の場合は、調剤録に何を用いて調剤し、算定を行ったかを記載
服薬指導等の記録(薬機法施行規則第十五条の十四の三、薬機法等の一部を改正する法律の一部の施行に当たっての留意事項について)
薬剤師法第 28 条第2項の調剤録及び医薬品医療機器等法第9条の3第6項の記録については、調剤済みとなった処方箋又は患者の服薬状況や指導内容等を記録したもの(薬剤服用歴等)において、必要事項が記載されていれば当該規定を満たすものであること。また、調剤録に記録した内容については、患者等への情報の提供又は指導(以下「服薬指導等」という。)を行うため必要なときに速やかに確認できるようにしておくこと。
薬局開設者が、その薬局において薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に記録させなければならない事項は、次のとおりとする。
- 一 法第九条の三第一項、第四項又は第五項の規定による情報の提供及び指導を行つた年月日
- 二 前号の情報の提供及び指導の内容の要点
- 三 第一号の情報の提供及び指導を行つた薬剤師の氏名
- 四 第一号の情報の提供及び指導を受けた者の氏名及び年齢
2 薬局開設者は、前項の記録を、その記載の日から三年間、保存しなければならない
「患者又は現にその看護に当たつている者」に対して服薬指導等を行うこととされていることから、看護に当たっている者に服薬指導等を行った場合には、規則第 15 条の 14 の3第2号の「情報の提供及び指導の内容の要点」及び薬剤師法施行規則第 16 条第6号の「情報の提供及び指導の内容の要点」に必要な事項を記録すること。
規則第 15 条の 14 の3第4号の「年齢」及び薬剤師法施行規則第 16 条第1号の「年令」は、処方箋等に記載の患者の生年月日から算出できる場合には、処方箋等に記載の患者の生年月日をもってそれぞれの規定の「年齢」又は「年令」として取り扱うことで差し支えないこと。
5、調剤録への記録
自家製剤を行った場合には、賦形剤の名称、分量等を含め製剤工程を調剤録等に記載すること。
嚥下困難加算において薬剤師が剤形の加工の必要を認め、医師の了解を得た後剤形の加工を行った場合は、その旨調剤録等に記載すること。
平日又は土曜日に夜間・休日等加算を算定する患者については、処方箋の受付時間を当該患者の薬剤服用歴の記録又は調剤録に記載する。
一包化加算:薬剤師が一包化の必要を認め、医師の了解を得た後に一包化を行った場合は、その旨及び一包化の理由を調剤録等に記載すること。
6、要指導医薬品又は第1類医薬品販売時の書面の保存(薬事法第三十六条の九、薬事法施行規則第十四条、第百五十九条の十四)
要指導医薬品又は第1類医薬品を販売又は授与した場合は、次に掲げる事項を記載した書面を作成し、2年間保存しなければならないこととする。(第2類医薬品及び第3類医薬品については、努力義務とする。)
7-1、居宅療養管理指導の際の諸記録の整備(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第九十条のニ)
指定居宅療養管理指導事業者は、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
2 指定居宅療養管理指導事業者は、利用者に対する指定居宅療養管理指導の提供に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。
- 一 次条において準用する第十九条第二項の規定による提供した具体的なサービスの内容等の記録
- 二 第八十九条第一項第五号、第二項第四号及び第三項第四号の規定による身体的拘束等の態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録
- 三 次条において準用する第二十六条の規定による市町村への通知に係る記録
- 四 次条において準用する第三十六条第二項の規定による苦情の内容等の記録
- 五 次条において準用する第三十七条第二項の規定による事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
7-2、居宅療養管理指導の際の諸記録の整備(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第三条第三項、第三十七条のニ、第九十条)
3 指定居宅サービス事業者は、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その従業者に対し、研修を実施する等の措置を講じなければならない。
指定訪問介護事業者は、虐待の発生又はその再発を防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
- 一 当該指定訪問介護事業所における虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)を定期的に開催するとともに、その結果について、訪問介護員等に周知徹底を図ること。
- 二 当該指定訪問介護事業所における虐待の防止のための指針を整備すること。
- 三 当該指定訪問介護事業所において、訪問介護員等に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。
- 四 前三号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。
指定居宅療養管理指導事業者は、指定居宅療養管理指導事業所ごとに、次に掲げる事業の運営についての重要事項に関する規程(以下この章において「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
- 一 事業の目的及び運営の方針
- 二 従業者の職種、員数及び職務の内容
- 三 営業日及び営業時間
- 四 指定居宅療養管理指導の種類及び利用料その他の費用の額
- 五 通常の事業の実施地域
- 六 虐待の防止のための措置に関する事項
- 七 その他運営に関する重要事項
8、医療機器の管理に関する帳簿(第百六十四条、薬事法施行規則第百七十八条)
(第164条)
高度管理医療機器等の販売業者等は、営業所に当該営業所の管理に関する事項を記録するための帳簿を備えなければならない。
2 高度管理医療機器等営業管理者は、次に掲げる事項を前項の帳簿に記載しなければならない。
- 一 高度管理医療機器等営業管理者の第百六十八条に規定する研修の受講状況
- 二 営業所における品質確保の実施の状況
- 三 苦情処理、回収処理その他不良品の処理の状況
- 四 営業所の従業者の教育訓練の実施の状況
- 五 その他営業所の管理に関する事項
3 高度管理医療機器等の販売業者等は、第一項の帳簿を、最終の記載の日から六年間、保存しなければならない。
(第178条)
2 特定管理医療機器の販売業者等については、第十四条の三、第百六十四条から第百六十七条まで及び第百六十九条から第百七十二条までの規定を準用する。この場合において、第十四条の三第一項中「第百四十条第二項」とあるのは、「第百七十五条第一項第一号から第三号まで」と読み替えるものとする。
3 特定管理医療機器以外の管理医療機器又は一般医療機器の販売業者等については、第百六十四条(第二項第一号を除く。)、第百六十五条から第百六十七条まで、第百六十九条から第百七十一条まで及び第百七十五条第三項の規定を準用する。この場合において、第百六十四条第二項中「高度管理医療機器等営業管理者」とあるのは「特定管理医療機器以外の管理医療機器又は一般医療機器の販売業者等」と、第百六十六条及び第百六十七条中「高度管理医療機器等営業管理者」とあるのは「従事者」と読み替えるものとする。
9、高度管理医療機器等の購入等に関する記録(第百七十三条)
高度管理医療機器等の販売業者等は、高度管理医療機器等を購入し、又は譲り受けたとき及び高度管理医療機器等の製造販売業者、製造業者、販売業者、賃貸業者若しくは修理業者又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者に販売し、授与し、又は賃貸したときは、次に掲げる事項を書面に記載しなければならない。
- 一 品名
- 二 数量
- 三 製造番号又は製造記号
- 四 購入、譲受け、販売、授与若しくは貸与又は電気通信回線を通じた提供の年月日
- 五 購入者等若しくは貸与された者又は電気通信回線を通じて提供を受けた者の氏名及び住所
2 高度管理医療機器等の販売業者等は、高度管理医療機器等を前項に掲げる者以外の者に販売し、授与し、又は賃貸したときは、次に掲げる事項を書面に記載しなければならない。
- 一 品名
- 二 数量
- 三 販売、授与又は賃貸の年月日
- 四 販売、授与若しくは貸与又は電気通信回線を通じた提供を受けた者の氏名及び住所
3 高度管理医療機器等の販売業者等は、前二項の書面を、記載の日から三年間(特定保守管理医療機器に係る書面にあつては、記載の日から十五年間)、保存しなければならない。ただし、賃貸した特定保守管理医療機器について、貸与を受けた者譲受人から返却されてから三年を経過した場合にあつては、この限りではない。
4 高度管理医療機器等の販売業者等は、管理医療機器又は一般医療機器(特定保守管理医療機器を除く。以下この条及び第百七十八条において同じ。)を取り扱う場合にあつては、管理医療機器又は一般医療機器の購入、譲受け、販売、授与若しくは貸与又は電気通信回線を通じた提供に関する記録を作成し、保存するよう努めなければならない。
9、薬局機能情報の提供等
管理薬剤師業務の項を参照。薬局機能情報は、薬事法第8条の2により、必ず保健所に提出する義務があります。
留意事項については、薬事法施行規則の一部を改正する省令の施行についてを参照。
10、調剤業務、医薬品販売、情報提供に係る事項(体制省令、指針・業務手順書の作成にあたって(薬剤師会)、薬機法施行規則一部改正について)
- 調剤の業務に係る医療の安全を確保するため、指針の策定、従事者に対する研修の実施その他必要な措置が講じられていること。
→医薬品の安全使用のための業務に関する指針(安全管理指針) - 調剤された薬剤の情報の提供及び指導その他の調剤の業務に係る適正な管理を確保するため、指針の策定、従事者に対する研修の実施その他必要な措置が講じられていること。
→調剤された薬剤及び医薬品の情報提供のための業務に関する指針 - 医薬品を販売し、又は授与する薬局にあっては、薬局医薬品並びに要指導医薬品の情報の提供及び指導並びに一般用医薬品の情報の提供その他の医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理を確保するため、指針の策定、従事者に対する研修(特定販売を行う薬局にあつては、特定販売に関する研修を含む。)の実施その他必要な措置が講じられていること。
→調剤された薬剤及び医薬品の情報提供のための業務に関する指針 - 医薬品の安全使用並びに調剤された薬剤及び医薬品の情報提供のための業務に関する手順書の作成及び当該手順書に基づく業務の実施。
→医薬品の安全使用並びに調剤された薬剤及び医薬品の情報提供のための業務に関する手順書(安全管理業務手順書、情報提供手順書) - 調剤及び医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理のための業務に関する手順書の作成及び当該手順書に基づく業務の実施。
→安全管理業務手順書の第二章(医薬品の購入・販売・授与)に追加 - 薬剤師不在時間がある薬局にあつては、薬剤師不在時間における薬局の適正な管理のための業務に関する手順書の作成及び当該手順書に基づく業務の実施。薬剤師不在時間における薬局の適正な管理のための業務に関する手順書
→安全管理業務手順書第八章(事故発生時の対応)に追加
その他盛り込まなければならない事項として、
- 医薬品の使用に係る安全な管理(以下「医薬品の安全使用」という。)のための責任者の設置→安全管理指針に記載
- 従事者から薬局開設者への事故報告の体制の整備→安全管理業務手順書第八章(事故発生時の対応)に追加
- 医薬品の貯蔵設備を設ける区域に立ち入ることができる者の特定→安全管理業務手順書第三章( 調剤室における医薬品の管理)に追加
- 医薬品の安全使用並びに調剤された薬剤及び医薬品の情報提供及び指導のために必要となる情報の収集その他調剤の業務に係る医療の安全及び適正な管理並びに医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理の確保を目的とした改善のための方策の実施→安全管理業務手順書(第10章医薬品関連の情報システムの利用他)に追加
- 偽造医薬品の流通防止に向けた対策→安全管理業務手順書第二章(医薬品の購入・販売・授与)に追加
等がある。(詳細は日薬の医薬品の安全使用のための業務手順書作成マニュアル(薬局版)(令和2年改訂版)(PDF形式))や、安全管理指針モデル参照
指針・業務手順書の作成にあたって(薬剤師会)
- 1、医療安全に関するもの
- ①調剤の業務に係る医療の安全を確保するための指針の策定
- ②調剤の業務に係る医療の安全を確保するための従事者に対する研修の実施
- ③医薬品の安全使用のための責任者の設置
- ④従業者から薬局開設者への事故報告の体制整備
- ⑤医薬品の安全使用・調剤された薬剤と医薬品の情報提供のための業務に関する手順書の作成
- ⑥医薬品安全使用・調剤された薬剤と医薬品の情報提供のための情報の収集
- ⑦調剤の業務に係る医療の安全及び適正な管理の確保を目的とした改善のための方策の実施
- 2、医療安全に関するもの以外
- ①調剤された薬剤の情報の提供に関する指針の策定
- ②調剤の業務に係る適正な管理を確保するための指針の策定
- ③調剤された薬剤の情報の提供に関する従事者に対する研修の実施
- ④調剤の業務に係る適正な管理を確保するための従事者に対する研修の実施
- ⑤一般用医薬品と薬局医薬品の情報の提供に関する指針の策定
- ⑥医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理を確保するための指針の策定
- ⑦一般用医薬品と薬局医薬品の情報の提供に関する従事者に対する研修の実施
- ⑧医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理を確保するための従事者に対する研修の実施
- ⑨調剤された薬剤及び医薬品の情報提供のための業務に関する手順書の作成及び当該手順書に基づく業務の実施
- ⑩調剤された薬剤及び医薬品の情報提供のために必要となる情報の収集
- ⑪医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理の確保を目的とした改善のための方策の実施
既存の安全管理指針等はそのままに、それを補完する形で新たに情報提供指針等を作成する。
多くの薬局の既存の安全管理指針等には、上記項目の1、2-②、2-⑥等の一部または全部が記載されているとが考えられますので、今回策定する情報提供指針等との整合に留意願います。
改正体制省令の施行について(薬生総発1005第1号)
今般の改正体制省令により、薬局開設者が講じなければならない措置として、調剤及び医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理のための業務に関する手順書の作成及び当該手順書に基づく業務の実施を追加したところであるが、医薬品販売業者においては、従来から、医薬品の販売若しくは授与又は配置販売の業務に係る適正な管理に係る手順書(以下「業務手順書」という。)の作成及び当該手順書に基づく業務の実施が現行の施行規則及び「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令」(昭和 39 年厚生省令第3号。以下「体制省令」という。)において規定されているところである。また、従事者に対する研修の実施、薬局、店舗、区域又は営業所(以下「薬局等」という。)の管理に関する帳簿を備えること等についても、薬局開設者及び医薬品販売業者が講じなければならない措置として、同様に規定されている他、薬局等の管理者の義務については、法で規定されているところである。
これらの具体的な内容のうち、偽造医薬品の流通防止に向けた対策の観点から留意すべき事項については、以下のとおりであること。このため、薬局開設者及び医薬品販売業者においては、その内容に留意した上で、業務手順書の作成等の必要な措置を講じること。
1 業務手順書に盛り込むべき事項
- (1) 薬局開設者の業務手順書に盛り込むべき事項
- ① 医薬品の譲受時は、納品された製品が正しいこと、目視できるような損傷を受けていないことなどを確認すること。
- ② 偽造医薬品の混入や開封済みの医薬品の返品を防ぐための、返品の際の取扱い。
- ③ 貯蔵設備に立ち入ることができる者の範囲と立ち入る際の方法。(第4の1参照)
- ④ 医薬品の譲渡時は、全ての供給品において、第2の1(1)①から⑥までに掲げる事項等(一般用医薬品等については、同②及び③において掲げる事項を除く。)を記載した文書(例えば、納品書)を同封すること。
- ⑤ 製造販売業者により医薬品に施された封を開封して販売・授与する場合(調剤の場合を除く。)には、医薬品の容器等に、当該分割販売を行う者の氏名又は名称並びに分割販売を行う薬局の名称及び所在地を記載すること。
- ⑥ 患者等に対して販売包装単位で調剤を行う場合には、調剤された薬剤が再度流通することがないよう、外観から調剤済みと分かるような措置を講じること。
- ⑦ 偽造医薬品や品質に疑念のある医薬品を発見した際の具体的な手順(仕入れの経緯の確認、販売・輸送の中断、隔離、行政機関への報告等)。
- ⑧ その他、偽造医薬品の流通防止に向け、医薬品の取引状況の継続的な確認や自己点検の実施等。
- ⑨ 購入者等の適切性の確認や返品された医薬品の取扱いに係る最終的な判断等、管理者の責任において行う業務の範囲。
2 薬局開設者及び医薬品販売業者が実施する従事者に対する研修の内容
施行規則第 158 条第1項並びに体制省令第1条第1項第 15 号から第 17 号、第2条第1項第9号及び第3条第1項第5号において規定されている薬局等の従事者に対する研修の実施に際しては、偽造医薬品の流通防止のために必要な各種対応に係る内容を含むこと。
Q&A
(答 13) 医薬品の譲渡時に同封することとされている文書は電磁的記録であっても差し支えない。ただし、電磁的記録により送付することをあらかじめ相手方と合意しておくことが望ましい。
(答 14) ある種の医薬品の取引量が急増する、取引価格が極端に安価である等、通常の取引と異なる状況の有無とその原因等を日常的に確認しておくことが考えられる。
(答 15) 例えば、調剤済みの箱に、「調剤済み」と記載する若しくはスタンプを押す又は箱を開封した上で薬剤を交付する等、調剤済みであることが明示的になることが必要であると考えられる。
(答 17) 省略して差し支えない。
11、電子薬歴運用管理規程(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術に関する法律等の施行等について)
電子薬歴で薬歴簿を作成する場合は、運用管理規程を設けること。
12、オンライン請求システムに係る安全対策規程(レセプトのオンライン請求に係るセキュリティに関するガイドライン)
(1) セキュリティポリシー
ア 医療機関、薬局、審査支払機関及び保険者は、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第2版 第 6.2 章」に準じて、前記1 ~6 において規定した事項を実行するためのオンライン請求システムに関わるセキュリティポリシーを策定し、運用すること。
オンライン請求システムに係る安全対策規程の策定が必要。策定例 別添2
他関連項目は、レセプトオンライン化に関するものを参照。
13、新型インフルエンザ等発生時における業務継続計画(新型インフルエンザ等対策特別措置法)
特措法に基づき特定接種(※)の登録を受ける事業者は、新型インフルエンザ等発生時においても、医療の提供・国民生活及び国民経済の安定に寄与する業務を継続的に実施する努力義務が課されており(特措法第4条第3項)、登録事業者は、事業継続計画を作成し、事業所に備え付ける必要があります。
※新型インフルエンザ等が発生した場合に、医療の提供又は国民生活・国民経済の安定に寄与する業務を行う事業者の従業員や、新型インフルエンザ等対策の実施に携わる公務員に対して行う予防接種。(薬局は対象業種)
以上、日本薬剤師会HPより。
14、無菌製剤処理業務に係る適正な管理を確保するための指針(薬事法施行規則第15条の9)
無菌調剤室を有しない薬局で調剤に従事する薬剤師の行う無菌製剤処理の業務に係る適正な管理を確保するため、事前に、当該無菌調剤室を有する薬局の薬局開設者の協力を得て、指針の策定、当該薬剤師に対する研修の実施その他必要な措置を講じなければならない。
15、非薬剤師の調剤業務の実施に係る手順書の整備(調剤業務の在り方について)
5 薬局開設者は、薬局において、上記の考え方を踏まえ薬剤師以外の者に業務を実施させる場合にあっては、保健衛生上支障を生ずるおそれのないよう、組織内統制を確保し法令遵守体制を整備する観点から、当該業務の実施に係る手順書の整備、当該業務を実施する薬剤師以外の者に対する薬事衛生上必要な研修の実施その他の必要な措置を講じること。
16、薬局開設者の法令遵守体制の確保(薬機法第九条のニ、薬機法施行規則第十五条の十一のニ、薬局における法令遵守体制整備の手引き及びQ&A)
薬局開設者は、薬局の管理に関する業務その他の薬局開設者の業務を適正に遂行することにより、薬事に関する法令の規定の遵守を確保するために、厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
- 一 薬局の管理に関する業務について、薬局の管理者が有する権限を明らかにすること。
- 二 薬局の管理に関する業務その他の薬局開設者の業務の遂行が法令に適合することを確保するための体制、当該薬局開設者の薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者の業務の監督に係る体制その他の薬局開設者の業務の適正を確保するために必要なものとして厚生労働省令で定める体制を整備すること。
- 三 前二号に掲げるもののほか、薬局開設者の従業者に対して法令遵守のための指針を示すことその他の薬局開設者の業務の適正な遂行に必要なものとして厚生労働省令で定める措置
2 薬局開設者は、前項各号に掲げる措置の内容を記録し、これを適切に保存しなければならない。(保存期間までは示されてない)
薬局開設者は、次に掲げるところにより、法第九条の二第一項各号に掲げる措置を講じなければならない。
一 次に掲げる薬局の管理者の権限を明らかにすること。
- イ 薬局に勤務する薬剤師その他の従業者に対する業務の指示及び監督に関する権限
- ロ イに掲げるもののほか、薬局の管理に関する権限
二 次に掲げる法第九条の二第一項第二号に規定する体制を整備すること。
- イ 薬局の管理に関する業務その他の薬局開設者の業務の遂行が法令に適合することを確保するために必要な規程の作成、薬局開設者の薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者に対する教育訓練の実施及び評価並びに業務の遂行に係る記録の作成、管理及び保存を行う体制
- ロ 薬局開設者が薬事に関する業務に責任を有する役員及び従業者の業務を監督するために必要な情報を収集し、その業務の適正を確保するために必要な措置を講ずる体制
- ハ イ及びロに掲げるもののほか、薬局開設者の業務の適正を確保するために必要な人員の確保及び配置その他の薬局開設者の業務の適正を確保するための体制
三 次に掲げる法第九条の二第一項第三号に規定する措置を講ずること。
- イ 薬局開設者の従業者に対して法令遵守のための指針を示すこと。
- ロ 薬事に関する業務に責任を有する役員の権限及び分掌する業務を明らかにすること。
- ハ 薬局開設者が二以上の許可を受けている場合にあつては、当該許可を受けている全ての薬局において法第九条の二による法令遵守体制が確保されていることを確認するために必要な措置
- ニ ハの場合であつて、二以上の薬局の法令遵守体制を確保するために薬局開設者(薬局開設者が法人であるときは、薬事に関する業務に責任を有する役員。以下このニにおいて同じ。)を補佐する者を置くときは、次に掲げる措置
- (1)薬局開設者を補佐する者が行う業務を明らかにすること
- (2)薬局開設者を補佐する者が二以上の薬局の法令遵守体制を確保するために薬局の管理者から必要な情報を収集し、当該情報を薬局開設者に速やかに報告するとともに、当該薬局開設者からの指示を受けて、薬局の管理者に対して当該指示を伝達するための措置
- (3)薬局開設者が二以上の薬局の法令遵守体制を確保するために薬局開設者を補佐する者から必要な情報を収集し、薬局開設者を補佐する者に対して必要な指示を行うための措置
- ホ 医薬品の保管、販売その他医薬品の管理に関する業務が適切に行われ、かつ、第十四条に規定する薬局開設者の義務が履行されるために必要な措置
- ヘ イからホまでに掲げるもののほか、前号に規定する体制を実効的に機能させるために必要な措置
17、サイバーセキュリティの確保(薬機法施行規則第十一条、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行等についてと新旧対照表)
保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その薬局に勤務する薬剤師その他の従業者を監督し、その薬局の構造設備及び医薬品その他の物品を管理し、その薬局の業務に係るサイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法(平成二十六年法律第百四号)第二条に規定するサイバーセキュリティをいう。)の確保のために必要な措置を講じ、その他その薬局の業務につき、必要な注意をすること。
- 薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリスト
- 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン・・・薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストの可変媒体等について
- 薬局におけるサイバーセキュリティ対策チェックリストマニュアル
- 立入検査に備え早めのセキュリティー対策を(日経DI)
- サイバー事案に関する相談窓口・・・警察庁
- 医療分野のサイバーセキュリティ対策について・・・厚生労働省
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