ホスホマイシン系抗生物質
分類 | 成分名 | 商品名 | 規格・剤形・補足 |
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ホスホマイシン系 | ホスホマイシンCa | ホスミシン | 錠250㎎/500mg、DS20%/40% |
ホスホマイシンカルシウム「日医工」 | カプセル250㎎/500mg、DS40% | ||
ホスホマイシンNa | ホスミシンS | 静注用、点滴静注用 |
ホスホマイシンはホスホエノールピルビン酸の構造類似体であり、ペプチドグリカン合成の初期の初期にムレインモノマーの合成に働くUDP-GlcNAc-ホスホエノールピルビン酸転移酵素(GlcNAc=Nアセチルグルコサミンの略)に対して、活性中心のシステイン残基に不可逆的に結合することで酵素を不活化させる。
本来であれば細菌にとって有害な物質であるにもかかわらず、細菌は能動輸送系により効率的に菌体内に取り込んで死滅する。
分子量が小さくグラム陰性菌の外膜を通過できることや、PBPとは無関係に細胞壁の合成を阻害するので緑膿菌、大腸菌、MRSAらにも有効である。
βラクタム系ではないので、ESBL(βラクタマーゼ産生菌)に対しても有効。特に嫌気性菌に取り込まれやすいため、大腸菌に好んで使用される。
ホスホマイシン系
- ホスミシン(ホスホマイシン)・・・適応の問題もあり、主として膀胱炎などの泌尿器疾患や、大腸菌(特に腸管出血性大腸菌)に使用される。
EHEC(腸管出血性大腸菌)では、菌がベロ毒素を放出して細胞を破壊することで、HUS(溶血性尿毒症症候群)が起こることがある(乳幼児など)。EHECの第一選択薬はホスミシンとニューキノロンである(ニューキノロンは小児は使用不可)が、これらの投与により菌が破壊されてベロ毒素が散らばる可能性があるため、HUSのリスクを高めてしまう。そのため、抗生物質の使用は短期間(3-5日)かつ、慎重に行う。
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抗菌薬
├ βラクタム系
├ ホスホマイシン系
├ ペプチド類
├ アミノグリコシド系
├ テトラサイクリン系
├ マクロライド系
├ ニューキノロン系
├ 抗酸菌治療薬(抗結核薬、抗ハンセン病)
├ ST合剤
└ その他・・・リンコマイシン系、、オキサゾリジノン系、クロラムフェニコール系、メトロニダゾール、フシジンレオ、バクトロバン
- 抗菌ペプチド
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