抗結核薬、ハンセン病治療薬一覧

分類 成分名 商品名 規格・剤形・補足
抗結核薬 イソニアジド イスコチン 原末、錠100㎎、注
ヒドラ 錠50㎎
イソニアジドメタンスルホン酸Na ネオイスコチン 原末、錠100㎎
パラアミノサリチル酸Ca ニッパスカルシウム 顆粒100%
アルミノパラアミノサリチル酸Ca アルミノニッパスカルシウム 顆粒99%
ピラジナミド ピラマイド 原末
エタンブトール エサンブトール
エブトール
錠125㎎/250mg
視力障害に注意
リファンピシン リファジン カプセル150㎎
尿や涙、汗が赤変
リファブチン ミコブティン カプセル150㎎
エンビオマイシン ツベラクチン 筋注用
エチオナミド ツベルミン 錠100㎎
サイクロセリン サイクロセリン カプセル250㎎
デラマニド デルティバ 錠50㎎
ベダキリン サチュロ 錠100㎎
抗らい菌 ジアフェニルスルホン レクチゾール
プロトゲン
錠25㎎
クロファジミン ランプレン カプセル50㎎

抗結核薬

結核菌や非定型抗酸菌はマイコバクテリウム属に属しており、グラム陽性菌にも陰性菌にも属していません。

  • イスコチン、ヒドラ(イソニアジド)・・・細胞壁合成阻害。結核菌特異的な細胞壁成分のミコール酸の合成を阻害して溶菌させる。
  • ネオイスコチン・・・イソニアジドのメタスルホン酸誘導体で、イソニアジドより毒性が低い。
  • ニッパスカルシウム(パラアミノサリチル酸Ca)・・・パラアミノサリチル酸(PAS)の抗結核菌作用に、パラアミノ安息香酸(PABA)が拮抗することから、サルファ剤と同様PASも菌のPABAと競合し、葉酸代謝を阻害するという考え方がある。
  • ピラマイド(ピラジナミド)・・・作用機序は不明。他の結核化学療法剤との協力作用で効果及び耐性化遅延。イソニアジドと併用が最も効果が高い。
  • エサンブトール(エタンブトール)・・・結核菌に対して強い抗菌力を示し、増殖期に静菌的に作用する。ミコール酸の細胞壁への取込みを阻害するという報告がある。結核菌の核酸合成経路を阻害し、細胞分裂を抑制することが認められている。
  • リファジン(リファンピシン)・・・細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼに作用し、RNA合成を阻害することにより抗菌作用を示すが、動物細胞のRNAポリメラーゼは阻害しない
  • ミコブティン(リファブチン)・・・DNA依存性RNAポリメラーゼに作用し、RNA合成を阻害する。さらにDNAへのチミジンの取り込みを阻害してDNA合成も阻害し、リファンピシン耐性菌に対しても有効である
  • ツベラクチン(エンビオマイシン)・・・リボゾームの蛋白合成を阻害することによって抗菌作用を示すことが報告されている
  • ツベルミン(エチオナミド)・・・細胞壁合成阻害。結核菌のミコール酸合成を阻害することにより抗菌作用を示す
  • サイクロセリン(サイクロセリン)・・・細菌のアラニンラセマーゼ及びd-アラニン:d-アラニンリガーゼの活性を阻害することにより細胞壁ペプチドグリカン生合成を阻害し、抗菌作用を示す。
  • デルティバ(デラマニド)・・・細胞壁合成阻害。結核菌のミコール酸合成を阻害することにより抗菌作用を示す
  • サチュロ(ベダキリン)・・・結核菌のATP合成酵素を阻害して抗菌活性を示す

抗らい菌

  • レクチゾール(ジアフェニルスルホン)・・・サルファ剤と同様の抗菌スペクトルを持ち、葉酸合成の過程でパラアミノ安息香酸と競合して静菌的に作用することから、サルファ剤とほぼ同じ作用機序による。そのため、皮膚組織に障害を与える活性酸素や炎症性サイトカインの産生を抑制することにより、皮膚の炎症症状を改善させる作用もある。
  • ランプレン(クロファジミン)・・・詳細な機序は不明であるが、らい菌のDNAに直接結合することによるDNA複製阻害作用及びマクロファージのライソゾーム酵素を活性化することによる作用が寄与すると考えられる。

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