アミノグリコシド系抗生物質
分類 | 成分名 | 商品名 | 規格・剤形・補足 |
---|---|---|---|
アミノグリコシド系(抗結核) | ストレプトマイシン硫酸塩 | 硫酸ストレプトマイシン | 注射用 |
カナマイシン硫酸塩 | カナマイシン | カプセル250㎎、シロップ5% | |
硫酸カナマイシン | 注射液 | ||
アミノグリコシド系(抗緑膿菌) | ゲンタマイシン硫酸塩 | ゲンタマイシン | 注、軟膏、クリーム |
トブラマイシン | トブラシン | 注、注小児用 | |
トービイ | 吸入液 | ||
ジベカシン硫酸塩 | パニマイシン | 注射液 | |
アミカシン硫酸塩 | アミカシン硫酸塩 | 注射液 | |
イセパマイシン硫酸塩 | エクサシン | 注射液 | |
アミノグリコシド系(抗MRSA) | アルベカシン硫酸塩 | ハベカシン | 注射液 |
アミノグリコシド系(その他) | フラジオマイシン硫酸塩 | ソフラチュール | 貼付剤 |
スペクチノマイシン塩酸塩 | トロビシン | 筋注用 |
アミノ糖とアミノサイクリトールがグリコシド結合をした構造を有するアミノグリコシド系に属する抗生剤は大きく
- 抗結核作用を持つストレプトマイシン、カナマイシン群
- 抗緑膿菌作用を持つゲンタマイシン群
- 抗MRSA作用を持つアルベカシン群
の3群に分けることができる。
グラム陽性菌、グラム陰性菌、スピロヘータ、結核菌など広い抗菌スペクトルを持つものの、群により使われる菌が異なる点が重要。
アミノグリコシド系抗生物質は細菌に取り込まれた後、細菌のリボソームの30Sサブユニットに特異的に結合して、mRNAの指示で本来A部位に結合するべきアミノアシルtRNAではない別のアミノアシルtRNAを誘導し、異常なタンパク質を合成することで抗菌作用を示す。(タンパク質の合成)
他のタンパク合成阻害薬が静菌的であるのに対して、この系の抗生物質は殺菌的に働く。
カナマイシン、ゲンタマイシンは30Sだけでなく、50Sリボソームにも結合することで抗菌作用を示す。
この系の薬剤は水溶性のため、脂質二重層の腸管粘膜を通過できないため、内服で用いられず、注射や外用剤として使われている。
アミノグリコシド系抗生物質の副作用としては、
- 第8脳神経障害・・・難聴、耳鳴り、めまい
- 腎障害
- 筋弛緩作用・・・呼吸抑制。運動神経末端のアセチルコリン分泌抑制による
が重要である。
長期使用では、菌が不活性化酵素(アセチル転移酵素、リン酸転移酵素、アデニル転移酵素)を産生し、アミノグリコシド系抗生物質が不活性化されて効かなくなることがある。
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抗菌薬
├ βラクタム系
├ ホスホマイシン系
├ ペプチド類
├ アミノグリコシド系
├ テトラサイクリン系
├ マクロライド系
├ ニューキノロン系
├ 抗酸菌治療薬(抗結核薬、抗ハンセン病)
├ ST合剤
└ その他・・・リンコマイシン系、、オキサゾリジノン系、クロラムフェニコール系、メトロニダゾール、フシジンレオ、バクトロバン
- 抗菌ペプチド
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