その他の抗生物質
分類 | 成分名 | 商品名 | 規格・剤形・補足 |
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リンコマイシン系 | リンコマイシン | リンコシン | カプセル250㎎、注射液 |
クリンダマイシン | ダラシン ダラシンS ダラシンT |
カプセル75mg/150mg(N)、注射液(S)、ゲル(T) | |
オキサゾリジノン系 | リネゾリド | ザイボックス | 錠600㎎、注射液 |
テジゾリドリン | ジベクトロ | 錠200㎎、点滴静注用 | |
クロラムフェニコール系 | クロラムフェニコール | クロロマイセチン | 錠50㎎/250mg、軟膏、局所用液 |
クロマイ | 膣錠100㎎ | ||
クロラムフェニコール・フラジオマイシン・プレドニゾロン | クロマイP | 軟膏 | |
クロラムフェニコールコハク酸エステルNa | クロロマイセチンサクシネート | 静注用 | |
DNA合成阻害(その他) | メトロニダゾール | アネメトロ フラジール ロゼックス |
点滴静注液(アネメ)、錠250㎎/膣錠250mg(フラ)、ゲル(ロゼ) |
蛋白合成阻害(その他) | フシジン酸Na | フシジンレオ | 軟膏、抗黄色ブドウ球菌 |
ムピロシンCa | バクトロバン | 軟膏、抗MRSA |
リンコマイシン系
リンコマイシン系抗生物質は細菌のリボソームの50SサブユニットのリボソームRNAの一部であるペプチジルトランスフェラーゼを阻害することで、P部位のアミノ酸のA部位のアミノ酸へのペプチド結合を阻害し、タンパク合成が阻害される。
抗菌スペクトルはグラム陽性菌・陰性菌、マイコプラズマ、嫌気性菌など幅広くカバーする。
特徴的な副作用は偽膜性腸炎です。
オキサゾリジン系
オキサゾリジン系抗生物質(リネゾリド)もタンパク合成阻害薬で、30Sサブユニットへ50Sサブユニットが結合するのを阻害することでタンパク合成を阻害する。
基本的にはMRSAを含むグラム陽性球菌にのみ使用される。保険適用は2週間まで。2週間以上服用で血球減少リスク有。
MAO(モノアミン酸化酵素)阻害作用があるため、セロトニンを増やす薬やアルコール、チーズ等は避ける。
クロラムフェニコール系
クロラムフェニコール系抗生物質はリボソームの50Sサブユニットを阻害することでタンパク合成を阻害して抗菌作用を示します。
作用のメカニズムと作用点、抗菌スペクトルはリンコマイシン系と同じです。
異なるのは代表的な副作用で、下記二つが特徴的です。
- 再生不良性貧血・・・全身投与による不可逆性の骨髄抑制。貧血既往がある場合特に注意。
- グレイ症候群・・・新生児や乳児(1歳未満)は肝臓の機能が未発達なので、グルクロン酸抱合で代謝されるクロラムフェニコール系抗生物質を代謝できず、血中濃度が上昇し、低体温やチアノーゼなどが起こって時には死を伴う。よって授乳婦にも投与不可。
DNA合成阻害薬
メトロニダゾールは、原虫又は菌体内の酸化還元系によって還元を受け、ニトロソ化合物(R-NO)に変化する。
このR-NOが抗原虫作用及び抗菌作用を示す。また、反応の途中で生成したヒドロキシラジカルがDNAを切断し、DNAらせん構造の不安定化を招く
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抗菌薬
├ βラクタム系
├ ホスホマイシン系
├ ペプチド類
├ アミノグリコシド系
├ テトラサイクリン系
├ マクロライド系
├ ニューキノロン系
├ 抗酸菌治療薬(抗結核薬、抗ハンセン病)
├ ST合剤
└ その他・・・リンコマイシン系、、オキサゾリジノン系、クロラムフェニコール系、メトロニダゾール、フシジンレオ、バクトロバン
- 抗菌ペプチド
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