キノロン系/ニューキノロン系抗生物質

分類 成分名 商品名 規格・剤形・補足
キノロン系 ピペミド酸 ドルコール 錠250㎎
ニューキノロン系 ノルフロキサシン バクシダール 錠100㎎/200mg、小児用錠50㎎、点眼液
オフロキサシン タリビッド 錠100㎎、点眼液、眼軟膏
レボフロキサシン クラビット 細粒10%、錠250㎎/500mg、点滴静注、GEはOD錠250㎎/500mg、粒状錠、内用液も有
シプロフロキサシン シプロキサン 錠100㎎/200mg、注、点滴静注(GE)
ロメフロキサシン バレオン 錠200㎎、カプセル100㎎
トスフロキサシン オゼックス 細粒小児用15%、錠75㎎(GEのみ)/150mg、錠小児用60㎎、点眼液
トスキサシン 錠75㎎/150mg
パズフロキサシン パシル
パズクロス
点滴静注
プルリフロキサシン スオード 錠132.1㎎(活性体100㎎)
ナジフロキサシン アクアチム 軟膏、クリーム、ローション
モキシフロキサシン アベロックス 錠400㎎
メシル酸ガレノキサシン ジェニナック 錠200㎎
シタフロキサシン グレースビット 細粒10%、錠50㎎
ラスクフロキサシン ラスビック 錠75㎎、点滴静注

この系の抗生物質はDNAジャイレース(DNA gyrase:トポイソメラーゼⅡAサブユニット)の阻害により、S期におけるDNA複製を阻害する。

βラクタム系抗生物質のように細胞壁の有り無しには左右されないため、抗菌スペクトルは広く、グラム陰性菌、陽性菌、マイコプラズマなど様々な菌に対して抗菌作用を示す。

キノロン系、ニューキノロン系共にピリドカルボン酸骨格を持ち、ニューキノロン系はさらにピペラジニル基とフッ素が付加されてキノロン系の60倍の抗菌活性を示す。

ニューキノロン系の中で、バクシダール、シプロキサン、タリビッドの3種は前期のニューキノロンであり、他の後期ニューキノロンに比べると抗菌活性が弱い。(タリビッドの光学活性体のみを取り出したのがクラビット等)

クラビット以降のニューキノロン系は肺組織移行性が改善され、呼吸器感染症(肺炎球菌など)に使用できるようになった。

未変化体で腎臓から排泄される薬剤が多いことから、ホスホマイシン系らと共に、膀胱炎を始めとした尿道、大腸菌が原因の腸管感染症に用いる抗生物質の第一選択薬となっているものの、耐性菌の出現や大腸菌に対しては逆にベロ毒素まき散らしによる症状悪化が起こることがあるので、昔のように積極的には使用されなくなってきた。

注意すべきは、

  • 光線過敏症(テトラサイクリン系と同じ)
  • 妊婦と小児(オゼックスを除く→1歳未満はデータ無)に禁忌(テトラサイクリン系と同じ)。
  • Ca2+、Fe2+などの金属類と併用すると効果が減弱(キレート形成)(テトラサイクリン系と同じ)
  • 酸性NSAIDsとの併用でけいれんの増強(ニューキノロンによる抗GABA作用がNSAIDsによって増強されるため)が起こる。
    フェニル酢酸系のフェンブフェンは販売中止、フロベン錠/顆粒とロコアテープと、前期ニューキノロン(バレオン、バクシダール、スオード)の併用が禁忌なのが特に注意。
  • 前期ニューキノロン(ノルフロキサシンやシプロフロキサシン)は特にCYP1A2阻害作用が強く、テルネリン(チザニジン)やテオドール(テオフィリン)の血中濃度を上昇させる。中でもシプロキサンとテルネリンは禁忌。

などである。


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