テトラサイクリン系抗生物質
分類 | 成分名 | 商品名 | 規格・剤形・補足 |
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テトラサイクリン系 | テトラサイクリン | アクロマイシン | 末、Vカプセル50㎎/250mg、軟膏 |
オキシテトラサイクリン・ポリミキシンB | テラマイシン | 軟膏 | |
デメチルクロルテトラサイクリン | レダマイシン | カプセル150㎎ | |
ドキシサイクリン | ビブラマイシン | 錠50㎎/100mg | |
ミノサイクリン | ミノマイシン | 顆粒2%、錠50㎎、カプセル50㎎/100mg、点滴静注用 適応外で膿胞症 |
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チゲサイクリン | タイガシル | 点滴静注用 |
いずれも4つの環構造(テトラのサイクル)を持つことが構造上の特徴である。
テトラサイクリン系抗生物質は細菌に能動輸送で取り込まれた後、細菌のリボソームの30Sサブユニットに特異的に結合して、mRNAの指示でA部位に結合しようとするアミノアシルtRNAのA部位への結合を阻害することで、タンパク質合成を阻害する。(タンパク質の合成)
抗菌スペクトルは緑膿菌・MRSAを含むグラム陽性菌・陰性菌を幅広くカバーするが、作用は静菌的であるため、抗菌力はβラクタムやニューキノロン剤に劣る。
細胞壁を持たないマイコプラズマにも効果を示すため、マクロライド系と同じく、マイコプラズマ肺炎に対して特効薬となる。
また、膜透過性が高いので細胞内寄生菌であるクラミジア属(クラミジア・トラコマチス、クラミジア・シッタシ)やリケッチア属(オリエンチア・ツツガムシ)、レジオネラ属(この属は通常マクロライド)に対しても効果を示す。
副作用としては、光線過敏症や小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合の歯牙の着色・エナメル質形成不全が知られている。めまいの副作用も頻度が比較的高い。
母乳中へ移行して胎児へ移行してしまうため、授乳婦への投与は避ける。
2、3価の金属(Ca、Mg、Al、Fe含有剤)とキレートを形成し、効果が減弱するので、経口服用後2hはそれらが過度に含有している食べ物、飲み物を控える。
長期服用で、細菌の細胞膜透過性が低下して効きづらくなることがある。
期限が切れたテトラサイクリン系抗生物質を服用するとファンコニ症候群が発生する可能性があるため期限が切れた薬は服薬しないように注意する。
ファンコニ症候群では腎臓の近位尿細管が障害され再吸収が抑制→グルコースやリン、尿酸、重炭酸、カリウム等様々な物質が尿中に排泄され、低カリウム、低リン血症、アシドーシス等を引き起こす疾患。一次話題となった紅コウジも同じ機序で腎障害を引き起こすといわれる。放っておくと腎不全になったり、骨軟化症になったりすることも。
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抗菌薬
├ βラクタム系
├ ホスホマイシン系
├ ペプチド類
├ アミノグリコシド系
├ テトラサイクリン系
├ マクロライド系
├ ニューキノロン系
├ 抗酸菌治療薬(抗結核薬、抗ハンセン病)
├ ST合剤
└ その他・・・リンコマイシン系、、オキサゾリジノン系、クロラムフェニコール系、メトロニダゾール、フシジンレオ、バクトロバン
- 抗菌ペプチド
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