アデノウイルス
アデノウイルスは非エンベロープのDNAウイルスで、環境に対してかなり耐性があります。人間に感染するアデノウイルスは50種類以上が存在し、それぞれが異なる種類の病気を引き起こす可能性があります。
アデノウイルスが引き起こす疾患として代表的なのは、プール熱、流行性角結膜炎、出血性膀胱炎です。
プール熱(咽頭結膜熱)
- 主な原因ウイルス:アデノウイルス(3,4,7,2,11型等)
- 潜伏期間:5~7日
- 年齢:5歳以下が約6割
- 主な症状:発熱(39~40℃)、咽頭痛、結膜炎(眼痛、目やに、充血、流涙等)
- 検査:検査キットによる迅速検査
- 登校:症状がなくなった後2日を経過するまで
主にアデノウイルス3型、7型は重症化して肺炎や細菌による二次感染を併発しやすい。
プールだけでなく、飛沫感染や接触感染もする。
プール熱の典型的な症状は目の症状であるが、これがなくて発熱と咽頭痛だけということもあるし、ロタやノロのように嘔吐・下痢を起こす型もある。結膜炎はウイルスが原因なので抗菌薬の点眼液は効果がない。
はやり目(流行性角結膜炎)
特定のアデノウイルスの型(特に型3、4、7、11など)は、流行性角結膜炎を引き起こすことが知られています。
この状態は、目の赤み、痛み、充血、涙、まぶしさ、時には視力の低下を伴います。アデノウイルスによる結膜炎は非常に感染力が強く、直接的な接触や共有された物体(タオルや枕など)を介して簡単に広がります。
出血性膀胱炎
アデノウイルス、特に型11や型21は、小児における出血性膀胱炎の原因となることがあります。これは尿に血が混じることを特徴とし、しばしば排尿時の痛みや刺激感が伴います。
ウイルスの種類
- DNAウイルス
- ヘルペスウイルス・・・1型~8型、エンベ○、突発性発疹、水痘
- アデノウイルス・・・夏風邪の原因(3%)、エンベ×、プール熱
- パルボウイルス(B19)・・・エンベ×、伝染性紅斑(りんご病)
- 伝染性軟属腫ウイルス(MCV)・・・エンベ×、水いぼ
- ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)・・・エンベ×、いぼ
- 肝炎ウイルス・・・B型、エンベ○
- RNAウイルス
- インフルエンザウイルス・・・エンベ○
- パラインフルエンザウイルス・・・秋~春風邪の原因(7%)、エンベ○
- コロナウイルス・・・冬風邪の原因(25%)、エンベ○
- 麻疹(はしか)ウイルス・・・エンベ○
- 風疹(3日はしか)ウイルス・・・エンベ○
- ノロ/ロタウイルス・・・エンベ×
- ポリオウイルス・・・エンベ×、急性灰白髄腫(小児麻痺)
- コクサッキーウイルスA/B、エンテロウイルス・・・・エンベ×、手足口病、ヘルパンギーナ
- ライノウイルス・・・春秋風邪の原因(50%)、エンベ×
- 流行性耳下腺炎ウイルス・・・エンベ○、おたふくかぜ
- RSウイルス・・・春秋風邪の原因(15%)、エンベ○
- HIV・・・エンベ○
- HTLV-1・・・エンベ○
- 肝炎ウイルス・・・A型、C型、Aはエンベ×、Cはエンベ○
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