抗ウイルス薬一覧

分類 成分名 商品名 規格・剤形・補足
抗ヘルペスウイルス アシクロビル ゾビラックス 規格:顆粒40%、錠200㎎/400㎎、点滴静注、軟膏、クリーム、シロップ8%とDS80%と内服ゼリー200mg/800mgはGEのみ
適応:【内服】単純疱疹、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制、帯状疱疹、性器ヘルペスの再発抑制(小児のみ)、水痘(顆粒、シロップ、DSのみ)【外用】単純疱疹
バラシクロビル バルトレックス 規格:顆粒50%、錠500㎎、粒状錠500㎎はモチダのみ
適応:単純疱疹、造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制、帯状疱疹、水痘、性器ヘルペスの再発抑制
ファムシクロビル ファムビル 規格:錠250㎎
適応:単純疱疹、帯状疱疹
ビダラビン アラセナA 規格:点滴静注、軟膏、クリーム
適応:【外用】単純疱疹、帯状疱疹
アメナメビル アメナリーフ 規格:錠200㎎
適応:帯状疱疹、再発性の単純疱疹
抗サイトメガロウイルス バルガンシクロビル バリキサ 規格:錠450㎎、DS5000㎎
適応:サイトメガロウイルス感染症(後天性免疫不全症候群、臓器移植(造血幹細胞移植も含む)、悪性腫瘍)、臓器移植(造血幹細胞移植を除く)におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制、【ドライシロップ】症候性先天性サイトメガロウイルス感染症
ホスカルネット ホスカビル 規格:点滴静注
レテルモビル プレバイミス 規格:錠240㎎、点滴静注
適応:同種造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制
抗RSウイルス パリビズマブ シナジス 規格:筋注
抗新型コロナウイルス
抗インフルエンザウイルス
抗肝炎ウイルス
抗SSPEウイルス イノシンプラノベクス イソプリノシン 規格:錠400㎎
適応:亜急性硬化性全脳炎患者における生存期間の延長
抗HIV ジドブジン レトロビル 規格:カプセル100㎎
適応:HIV感染症
ラミブジン
3TC
エピビル 規格:錠150㎎/300mg
適応:HIV感染症における他の抗HIV薬との併用療法
腎不全では減量が必要
アバカビル ザイアジェン 規格:錠300㎎
適応:HIV感染症
テノホビル
TDF
ビリアード 規格:錠300㎎
適応:HIV-1感染症
腎不全では減量が必要
エムトリシタビン
FTC
エムトリバ 規格:カプセル200㎎
適応:HIV-1感染症
腎不全では減量が必要
ネビラピン ビラミューン 規格:錠200㎎
適応:HIV-1感染症
エファビレンツ ストックリン 規格:錠200㎎/600mg
適応:HIV-1感染症
エトラビリン インテレンス 規格:錠100㎎
適応:HIV-1感染症
リルピビリン エジュラント 規格:錠25㎎
適応:HIV-1感染症
ドラビリン ピフェルトロ 規格:錠100㎎
適応:HIV-1感染症
リトナビル ノービア 規格:錠100㎎
適応:HIV感染症
ホスアンプレナビル レクシヴァ 規格:錠700㎎
適応:HIV感染症
アタザナビル レイアタッツ 規格:カプセル150㎎/200mg
適応:HIV-1感染症
ダルナビル プリジスタ 規格:錠600㎎、ナイーブ錠800㎎
適応:HIV感染症
ラルテグラ アイセントレス 規格:錠400mg/600mg
適応:HIV感染症
ドルテグラビル テビケイ 規格:錠50㎎
適応:HIV感染症
マラビロク シーエルセントリ 規格:錠150㎎
適応:CCR5指向性HIV-1感染症
配合錠

ウイルスの検査

  • 抗原検査・・・鼻腔ぬぐい液や唾液でウイルスのタンパク質を検査。30分以内に結果がわかる迅速な反面、かかってすぐだと十分量のウイルスが検出できず偽陰性になることもある。
  • PCR・・・鼻腔ぐぬぐい液や唾液でウイルスの遺伝子を検査。遺伝子を増幅させる必要があり1日以上の時間がかかる。抗原検査よりは正確
  • 抗体検査・・・ウイルスに対する抗体を血液検査で調べる。

ウイルスの種類

ウイルスの構造にエンベロープがある場合は、アルコール消毒薬の効果があります。

小児のウイルス感染症

疾患名 感染経路 症状 発熱 潜伏期間
突発性発疹
(ローゼオラ)
飛沫 高熱(突然発症)、熱が下がった後に淡いピンク色の発疹が全身に出現 あり 約5~15日
水痘
(水ぼうそう)
空気
接触
全身にかゆみを伴う水疱、紅斑 あり 約10~21日
プール熱
(咽頭結膜熱)
接触
飛沫
発熱、咽頭痛、結膜炎 あり 約1~2週間
伝染性紅斑
(りんご病)
飛沫 頬の発赤、全身の発疹 軽度またはなし 約4~14日
水いぼ
(伝染性軟属腫)
接触 小さなドーム型の突起(水いぼ) なし 不明
麻疹
(はしか)
空気
飛沫
コプリック斑、高熱、全身の発疹 高熱 約10~12日
風疹
(3日はしか)
飛沫 全身の小さな赤い発疹、リンパ節の腫れ あり 約14~21日
手足口病 接触
飛沫
手、足、口内の発疹や水疱 ありうる 約3~6日
ヘルパンギーナ 接触
飛沫
口内、喉の水疱や潰瘍 あり 約3~6日
流行性耳下腺炎
(おたふく)
飛沫 耳下腺の腫れ、痛み あり 約16~18日
風邪
(パラインフル)
飛沫
接触
咳、鼻水、咽頭痛 ありうる 約2~6日
風邪
(ライノ)
接触
飛沫
鼻水、咳、喉の痛み なしまたは軽度 約1~3日
風邪
(RS)
接触
飛沫
呼吸困難、咳、鼻水 あり 約4~6日
風邪
(インフル)
接触
飛沫
高熱、筋肉痛、全身倦怠感、咳、頭痛 高熱が急激に発症 約1~4日
風邪
(コロナ)
飛沫
接触
空気
発熱、咳、倦怠感、味覚・嗅覚の喪失、呼吸困難 あり 約5日
参考:溶連菌 接触
飛沫
高熱、咽頭痛、扁桃腺の腫れ、発赤、頭痛、吐き気、腹痛、時に皮膚の発疹(猩紅熱) 高熱 約2~5日
参考:マイコ 飛沫 発熱、乾いた咳、頭痛、全身の倦怠感、呼吸困難 持続的な低熱から中等度の発熱 約1~3週間

各抗ウイルス薬の特徴

抗ヘルペスウイルス

  • ゾビラックス、アシクロビン、ビクロックス(アシクロビル)・・・ウイルス感染細胞内に存在するウイルス誘導型のチミジンキナーゼによってリン酸化され、dGTPアナログとしてDNA合成を阻害する。単純ヘルペス、帯状疱疹、水痘に対して使用される。
  • バルトレックス(バラシクロビル)・・・アシクロビルのプロドラッグ。単純ヘルペスは1回500mg・1日2回、帯状疱疹は1回1000mg・1日3回
  • アメナリーフ(アメナメビル)・・・帯状疱疹は1回400mgを1日1回食後、再発性の単純疱疹は1200mgを食後に単回投与。空腹時では作用減弱
  • アラセナA(ビダラビン)・・・DNA依存DNAポリメラーゼを阻害して、ウイルスのDNA合成を阻害する。単純ヘルペスにクリーム、軟膏で使用される。

抗サイトメガロウイルス

  • バリキサ(ガンシクロビル)・・・作用機序はアシクロビルに同じだが、サイトメガロウイルスに対してアシクロビルの約50倍の効力。1回1000mg、1日3回。サイトメガロウイルスに使用される。

抗HIV

  • レトロビル(ジドブジン)・・・HIVの逆転写酵素を阻害する。
  • ヴァイデックス(ジダノシン)・・・HIVの逆転写酵素を阻害する。
  • エピビル、ゼフィックス、(ラミブジン)・・・HIVの逆転写酵素を阻害する。B型肝炎にも有効。
  • フォートベイス(ザキナビル)・・・HIVプロテアーゼを阻害する。
  • ノービア(リトナビル)・・・HIVプロテアーゼを阻害する。

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