シゲラ属(Shigella)

シゲラ属(Shigella)は、赤痢(dysentery)を引き起こす細菌の一群です。

  • グラム陰性通性嫌気性桿菌。鞭毛:× 莢膜:×
  • グルコースを分解するがガスを生じず、酸のみを生ずる
  • シゲラ属の細菌は人間の腸内にのみ存在し、主に人から人への直接的な接触や汚染された食品や水の摂取によって感染します。
  • 2類感染症。シゲラは非常に感染力が高く、大腸粘膜M細胞から侵入し、少量の細菌でも感染する可能性があります。
  • シゲラ感染の典型的な症状には、水様性または血性の下痢(下痢便中の多量の多形核白血球)、腹痛、発熱が含まれます。症状は感染後1~3日で発症し、重篤な脱水症状を引き起こすことがあります。
  • 主に口腔-肛門経路によって感染します。これは、感染者の便によって汚染された手、物、食品、または水を通じて起こります。
  • シゲラ属は主に4つの主要な種に分類されます。
    • S. dysenteriae: この種は重症の赤痢を引き起こすことで知られており、特にS. dysenteriaeの型1はシガ毒素を産生します。これは強力な毒素で、重篤な腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす可能性があります。S. dysenteriaeは、特に発展途上国で発生し、大規模な流行を引き起こすことがあります。
    • S. flexneri: これは発展途上国で最も一般的なシゲラの原因であり、特に不衛生な環境下での発生が一般的です。S. flexneriは、成人と子供の両方で中程度から重度の赤痢を引き起こすことがあります。
    • S. boydii: この種はシゲラ感染症の中で最も少ない割合を占め、主にインド亜大陸で見られます。S. boydiiによる赤痢の症状は中程度のものが一般的です。
    • S. sonnei: この種は先進国で最も一般的に見られ、特に子供に感染することが多いです。S. sonneiによる赤痢は通常、他のシゲラ種に比べて症状が軽度から中程度です。
  • 赤痢菌はSSCEのSで、細菌性腸炎の原因菌の一つ。第三世代セフェムが第一選択、アモキシシリンも使用可能。比較的色々な抗生物質を使用可能。

細菌の種類一覧

グラム陽性球菌

  • グラム陽性球菌(GPC:Gram-Positive Cocci)
    • ブドウ球菌属(Staphylococcus)
      • 黄色ブドウ球菌(S.aurens)
      • 表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)
      • 腐生ブドウ球菌(S.saprophyticus)
    • レンサ球菌属(Streptococcus)・・・腸内常在菌。ホモ
      • A群溶血性レンサ球菌(S.pyogenes)・・・溶連菌
      • B群溶血性レンサ球菌(S.agalactiae)
      • C, G群溶血性レンサ球菌(S.dysgalactiae ssp.equisimilis)
      • アンギノサス(S.anginosus)
      • コンステラータス(S.constellatus)
      • インターメディウス(S.intermedius)
      • 肺炎レンサ球菌(S.pneumoniae)・・・呼吸器
      • ミティス(S.mitis)
      • サングイニス(S.sangulnis)
      • サリバリアス(S.salivarius)
      • ウシレンサ球菌(S.bovis)
      • ミュータンス(S.mutans)
      • サーモフィルス菌(S.thermophilus)・・・乳酸菌
      • フェカリス菌(S.faecalis)・・・乳酸菌
    • 腸球菌属(Enterococcus)
      • フェカリス菌(E.faecalis)・・・ホモ(乳酸)
      • フェシウム菌(E.faecium)
    • ラクトコッカス属 (Lactococcus)
      • ラクトコッカス・ラクティス(L.lactis)・・・ホモ(乳酸)
    • ペディオコッカス属(Pediococcus)・・・ホモ(乳酸)
    • リューコノストック属 (Leuconostoc)・・・ヘテロ

グラム陽性桿菌

グラム陰性球菌

グラム陰性桿菌

その他

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