ビブリオ属(Vibrio)

  • グラム陰性通性嫌気性桿菌

コレラ菌(V.cholerae)

  • 2類感染症。2~3日の潜伏期
  • コレラという急性の水様性下痢を引き起こす感染症の原因となる細菌です。急激な水様性下痢は脱水や電解質不均衡を引き起こし、治療を受けない場合、重症化して死に至ることもあります。
  • 汚染された水や食品を介して人に感染し、小腸へ移動して繁殖します。アルカリ性菌で、発育温度は18℃~37℃で酸に弱い
  • コレラ菌は、特に「O1」および「O139」血清群が人間におけるコレラの主要な原因です。これらの株は、コレラトキシンと呼ばれる毒素を産生し、これが腸内で大量の水と電解質の分泌を引き起こすことにより、特徴的な下痢を引き起こします。
  • TCBS(チオ硫酸シトラートビレ腸炎ビブリオ寒天)平板は、ビブリオ属の細菌を選択的に分離するために用いられる培地です。TCBS平板上でコレラ菌はショ糖を分解しないため、黄色のコロニーを形成します。

腸炎ビブリオ(V.parahaemolyticus)

  • 生もしくは不十分に加熱された魚介類から人に感染し、下痢、腹痛、嘔吐などの症状を引き起こす食中毒原因菌です。8-9月に多発
  • 塩基性(halophilic)であり、培地に2~3%の食塩を加えると良く発育し、無塩では発育しない。血液寒天培地で溶血性をしめす(神奈川現象)。
  • TCBS平板上で、腸炎ビブリオは緑色から青緑色のコロニーを形成することが多いです。これは、この細菌がTCBS培地の中のショ糖を分解し、アルカリ性物質を生成することによるものです。

ビブリオ・バルニフィカス(V.vulnificus)

  • 海水環境に存在し、海産物、特に生の牡蠣を介して人に感染することが知られています。
  • 海水での創傷や擦り傷からビブリオ・バルニフィカスが入り込むことで発生します。感染部位は速やかに赤くなり、腫れ、痛み、熱感を伴い、壊死性筋膜炎(組織が死んでいく重篤な状態)に進行することがあります。
  • 生もしくは不十分に加熱された海産物を摂取することで発生します。症状には腹痛、下痢、嘔吐があります。まれに敗血症を伴うことがあります。

細菌の種類一覧

グラム陽性球菌

  • グラム陽性球菌(GPC:Gram-Positive Cocci)
    • ブドウ球菌属(Staphylococcus)
      • 黄色ブドウ球菌(S.aurens)
      • 表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)
      • 腐生ブドウ球菌(S.saprophyticus)
    • レンサ球菌属(Streptococcus)・・・腸内常在菌。ホモ
      • A群溶血性レンサ球菌(S.pyogenes)・・・溶連菌
      • B群溶血性レンサ球菌(S.agalactiae)
      • C, G群溶血性レンサ球菌(S.dysgalactiae ssp.equisimilis)
      • アンギノサス(S.anginosus)
      • コンステラータス(S.constellatus)
      • インターメディウス(S.intermedius)
      • 肺炎レンサ球菌(S.pneumoniae)・・・呼吸器
      • ミティス(S.mitis)
      • サングイニス(S.sangulnis)
      • サリバリアス(S.salivarius)
      • ウシレンサ球菌(S.bovis)
      • ミュータンス(S.mutans)
      • サーモフィルス菌(S.thermophilus)・・・乳酸菌
      • フェカリス菌(S.faecalis)・・・乳酸菌
    • 腸球菌属(Enterococcus)
      • フェカリス菌(E.faecalis)・・・ホモ(乳酸)
      • フェシウム菌(E.faecium)
    • ラクトコッカス属 (Lactococcus)
      • ラクトコッカス・ラクティス(L.lactis)・・・ホモ(乳酸)
    • ペディオコッカス属(Pediococcus)・・・ホモ(乳酸)
    • リューコノストック属 (Leuconostoc)・・・ヘテロ

グラム陽性桿菌

グラム陰性球菌

グラム陰性桿菌

その他

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