ビタミンC

ビタミンCはL-アスコルビン酸(AsA)とデヒドロアスコルビン酸(DAsA)のことで、DAsAはAsAに代謝されるため、一般的にはビタミンC=L-アスコルビン酸ということになる。

人はビタミンCを合成できないため、必須栄養素となっている。

過剰に摂取されたビタミンCは尿より排出されるため尿路結石に注意する。また、欠乏すると初期は脱力感や皮膚の乾燥、重度で壊血症となり歯肉、粘膜から出血し死に至る。

AsAは十二指腸のSVCTで、DAsAはGLUTにて吸収されるが、その前の胃における排出速度が吸収に影響するため、空腹時よりも食後の方が胃内用排出速度(GER)が低下するため吸収率が良い。

作用 欠乏症 過剰症 必要量
(経腸栄養)
必要量
(静脈栄養)
造血機能維持、膠原線維・細胞間組織形成 貧血、壊血病、骨形成不全、創傷治癒遅延、成長不良 尿路結石 90mg 100mg

ビタミンC製剤

  • シナール配合錠・散(アスコルビン酸、パントテン酸カルシウム)
  • ハイシー(アスコルビン酸)

ビタミンCの作用

  • 抗酸化作用・・・強い還元力により活性酸素やラジカルを消去する。
  • コラーゲン合成・・・コラーゲン生成の際にプロリンヒドロキシラーゼとリシンヒドロキシラーゼの補因子として働く。
  • コレステロール低下/胆汁酸合成促進・・・ビタミンCは鉄を還元することでコレステロールから胆汁酸合成の律速酵素を活性化して胆汁酸の合成を高める。
  • アドレナリン合成促進(ドパミン→NE
  • カルニチン合成促進
  • 鉄の吸収促進・・・鉄が小腸のニ価鉄輸送担体(DMT1)にて吸収される際、酵素(Dcytb)により、三価鉄を二価鉄に還元する必要があり、この際細胞質内のAsAから電子が供与される。
  • メラニン産生抑制・・・チロシナーゼの活性をブロックすることでメラニン産生細胞の作る黒色メラニンの産生を抑制します。
    メラニンは皮膚表皮細胞の一番下で作られます。皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)が約1ヶ月といわれているため、効果発現までに最低一ヶ月は見るべきです。 ただし、年をとるにつれてターンオーバーのサイクルは長くなりますし、ストレス、血行障害も遅らせる原因のひとつです。メラニン産生細胞が作ってしまった黒色メラニンを還元することで無色の還元型メラニンに変えてくれます。
  • 好中球活性増強作用
  • 副腎皮質ホルモン合成増加作用
  • アセトアルデヒド分解作用

コラーゲンとは?

皮膚、軟骨、骨の主成分で、【グリシン-プロリン-ヒドロキシプロリン】単位で3行に水素結合にて結びつき右巻きの三重螺旋構造をとったものが、繰り返して左巻きの螺旋構造をとったもの(わかりにく・・)。

ビタミンCと鉄は、(プロリン+2-オキシグルタル酸+酸素)からプロリルヒドロキシラーゼの存在下、(ヒドロキシプロリン+コハク酸+二酸化炭素)を合成する際の触媒として作用します。


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