目次
- 脂質・コレステロール代謝
- コメント
脂質・コレステロール代謝
代謝全体マップは以下図参照。
ステロール
動物はコレステロール、真菌・酵母はエルゴステロールであり、これは脂肪や糖質からも作られる。
コレステロールは細胞質と小胞体で合成されるが、ケトン体合成はミトコンドリアで行われる。HMG-CoAは、両者で型が異なるので注意する。
原料のアセチルCoAは、クエン酸シンターゼのもとにオキサロ酢酸と縮合しクエン酸に変換されて細胞質に輸送されて、ATPクエン酸リガーゼでアセチルCoAに戻される。アセチルCoA1つ縮合でアセトアセチルCoA、2つ縮合でHGM-CoAが合成し、小胞体に存在するHMG-CoAレダクターゼとNADPHの作用でメバロン酸が生成する。
メバロン酸からファルネシル二リン酸を2分子作って縮合させてスクワレンを生成し、スクワレンエポキシダーゼでラノステロール生成を経て、コレステロールを合成する。
脂質代謝・コレステロール代謝
例えば、カイロミクロンの表面には水溶性のリン脂質(主要な成分はホスファチジルコリン)やフリーコレステロール及びアポタンパク質が存在し、中心部にTGやコレステロールエステルなどの非極性脂質が格納されている。
カイロミクロン |
構成:トリグリセリド(80%)、コレステロールやリン脂質(20%) 外因性のトリグリセリドが腸管で吸収された後、アポB-48、アポAと共に原始カイロミクロンを形成した後、HDLからアポAとの交換でアポC-ⅡとアポEを受け取ったもの |
VLDL |
構成:トリグリセリド(60%)、コレステロール(15%)、リン脂質(20%) 内因性のトリグリセリドは肝臓で合成された後、アポB-100と共に原始VLDLを形成した後、HDLからアポC-ⅡとアポEを受け取ったもの |
IDL |
構成:トリグリセリド(40%)、コレステロール(35%)、リン脂質(20%) VLDLからリポ蛋白リパーゼ(LPL)の作用でトリグリセリドが除かれ、密度が大きく(より密になる)なったもの |
LDL |
構成:トリグリセリド(10%)、コレステロール(40%)、リン脂質(20%) IDLから肝性トリグリセリドリパーゼ(HTGL)の作用でさらにトリグリセリドが除かれて、アポC-ⅡとアポEを再びHDLに渡して、より小さくなったもの 小さいので動脈壁にくっ付きやすい |
HDL |
構成:コレステロール(20%)、リン脂質(30%) 肝臓や小腸で合成されるほかに、LPLによりトリグリセリドが分解される過程でも産生される。アポA-Ⅰ、アポA-Ⅱ、アポC、アポEをもつ |
- ①食事からの脂質(主にトリグリセリドとコレステロール)が小腸で消化・吸収されます。このとき、小腸の上皮細胞で合成されたアポB-48とともに、トリグリセリド、コレステロール、ホスファチジルコリンなどの脂質がパッケージされ、原始カイロミクロンが形成されます。原始カイロミクロンはリンパを通って血液に放出され、循環中にHDLからアポC-2とアポEを取得してカイロミクロンとなる。
- ②アポC-Ⅱによって活性化されたリポ蛋白リパーゼ(LPL)によりトリグリセリドが除かれカイロミクロンレムナントとなる。 アポC-ⅡはLPLを活性化するために必要。 LPLによるTG分解の際にもHDLが産生される。
- ③カイロミクロンレムナントはアポEを介して肝臓に取り込まれる。
- ④肝臓からは新生HDLやVLDLが産生される。
- ⑤VLDLはLPLの作用でTGが除かれIDLになる。なおこの際にもHDLが産生
- ⑥IDLは肝性トリグリセリドリパーゼ(HTGL)の作用でさらにTGを除かれより密度の大きいLDLとなる。この時、必要なくなったアポEとアポC-ⅡをHDLに渡す。
- ⑦LDLはアポB-100を介して末梢組織に取り込まれコレステロールを供給し、過剰なLDLはスカベンジャー経路に入りマクロファージに貪食される。貪食により肥大化したマクロファージにより動脈硬化が起こる。肝臓や末梢組織のLDL受容体はVLDLやIDLはアポEを、LDLはアポB-100をリガンドとして認識し取り込む。
- ⑧肝臓、小腸、LPL経路で産生された新生HDLは末梢組織から遊離型コレステロール(FC)を引き抜き、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)の作用でコレステロールエステル(CE)となったものを取り込み、より大きなHDL2となるアポA-ⅠはLCATを活性化するため必要
- ⑨CE(コレステロールエステル)を取り込み肥大化したHDL2はコレステロールエステル転送蛋白(CETP)により、VLDL、IDL、LDLにCEを逆転送し、それと交換にTGを受け取る
- ⑩転送後再び小さなHDL3に戻った後、HDL受容体(SR-B1)を介して肝臓に取り込まれコレステロールやTGを戻す。これらは、胆汁酸により糞便として排泄されたり、VLDLに取り込まれたり内臓脂肪となったりする
参考サイト:薬学部学生向け講義資料ダウンロード
- 糖質の構造と種類
- 脂質の種類
- タンパク質の種類
-
ビタミン
├ 脂溶性ビタミン
| ├ ビタミンA
| ├ ビタミンD
| ├ ビタミンE
| ├ ビタミンF
| └ ビタミンK
|
└ 水溶性ビタミン
├ ビタミンB1
├ ビタミンB2
├ ビタミンB6
├ ビタミンB12
├ ビタミンC
├ ビタミンM
├ ビタミンH
├ ビタミンP
├ ビタミンQ
├ ニコチン酸
└ パントテン酸
コメントor補足情報orご指摘あればをお願いします。
- << 前のページ
- 次のページ >>